2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されました。
2023年末までの猶予期間に実際に何をしなければならないのかを徹底解説します。
請求書電子化においては、請求書の保存義務期間は5年から7年と定められている中で「税務署長の承認」をはじめ、「真実性」および「可視性」の確保を行うことで、紙の保存に代えてスキャナ保存することができるようになっています。 1988年に制定され、正式名称「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言います。
電子帳簿保存法に対応するには、社内でどのような取引を行っているかの把握が必要です。取引している帳票はどのような種類があるか、受け取り方法は紙なのか電子データなのか、保存方法はどうしているかなどを整理しましょう。その上で帳票類の紙での取引を減らしていき、対応を進めていきましょう。
要件として電子データにはタイムスタンプを付与する必要があります。タイムスタンプを取引先か自社で付与するのかによって、運用方法が異なりますので注意しましょう。もしタイムスタンプが付与できない場合は訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めることによって電子データを保存することが可能です。
電子データは証憑管理システムに保存するか、自社サーバーへの保存となります。電子帳簿保存法では「日付」「金額」「取引先」での検索機能が必要になるため、サーバー保存の場合、フォルダ内のファイル名の命名ルールを分かりやすくするなどして検索できるようにする必要があります。しかし時間が掛かるため証憑管理システムを利用することをおすすめします。
現状は電子データで受け取った請求書を印刷して経理に渡し紙で保存するケースが多いかもしれません。しかし電子帳簿保存法では電子データで保存する必要があるので受け取りの際のフローを見直す必要があります。また、合わせて請求書を発行する際も紙と比べて発行の手間と時間が削減できるのでフローの見直しをおすすめします。
事務処理規程を作成する場合、国税庁が公開している例を参考に、業務フローや既存システムなどに合わせて運用できるものを作成しましょう。
国税庁|各種規程等のサンプルはこちら
要件に合った運用を行うためには社員だけでなく取引先にも周知する必要があります。社員には事務処理規程をもとに電子取引に関するルールを説明します。取引先には、紙で請求書などの帳票類を受け取っている場合、紙で送らないようにお願いしましょう。
取引先から紙の請求書を受け取った場合は、スキャナ保存制度の活用でスキャナすることで紙の原本が廃棄できます。スキャナやスマホで読み取り電子化にすることによって印刷や紙の保存場所など必要なくなります。
読み取りデータをアップロードし、タイムスタンプの付与が必要です。改ざん防止措置機能があるシステムをご利用であれば、タイムスタンプ付与は不要です。保存に関しては「日付」「金額」「取引先」での検索機能が必要になるため、サーバー保存の場合、フォルダ内のファイル名の命名ルールを分かりやすくするなどして検索できるようにする必要があります。
証憑管理システムを利用して、スキャン後の電子データで稟議や承認を行ったり、紙で行っていた業務を電子化していきましょう。スキャナ保存制度を活用し、徐々に紙で行っている業務を変えていきましょう。
既存の業務フローを考慮の上、電子帳簿保存法の要件を満たすシステムの導入を検討しましょう。導入しない場合、タイムスタンプ付与をどうするかや保存場所をどうするかといった悩みから解放されます。
事務処理規程を作成する場合、国税庁が公開している例を参考に、業務フローや既存システムなどに合わせて運用できるものを作成しましょう。
国税庁|各種規程等のサンプルはこちら
要件に合った運用を行うためには、関係者全員にスキャナ保存に関するルールの説明を行った上でしっかり合意形成を取り運用を始めましょう。
電子帳簿保存法に対応した請求書を発行するには?必要な準備や注意点を紹介
企業間取引では、商品やサービスを販売した時には売り手側の企業から買い手側の企業に請求書を発行するのが通常の取引形態です。商品やサービスを販売しても、請求書を発行してその代価をしっかり回収しなければビジネスとして成り立ちません。
電子帳簿保存法改正に対応するためにIT導入補助金を活用しよう!
2022年1月には、電子帳簿保存法が大幅に改正されました。そして、2023年にはインボイス制度が施行される予定です。これらに対応するには、経理業務のデジタル化はもはや必須です。
電子帳簿保存法には猶予期間がある!法改正までに準備しておくことも紹介
2022年1月施行の改正電子帳簿保存法では、電子取引における電子保存の義務化についても施行されましたが、企業側の準備不足などの要因から2年間の猶予期間が認められました。
この電子帳簿保存法のebookでは、2023年の猶予期間中に何をすべきかを担当者視点で解説した無料ebookです。ぜひ電子帳簿保存法対応に向けた実務対策にお役立てください。
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