注文書ファクタリングとは?大型案件の資金調達におすすめのサービス6選と選び方、利用が適したケース

後払い

注文書ファクタリングは案件の受注時点で、将来発生する予定の売掛債権を現金化できるサービスです。案件の注文書を用い、その注文書に書かれた金額を本来の支払期日よりも早く現金化できます。本記事では注文書ファクタリングのおすすめサービス、従来の請求書ファクタリングと比べたメリット・デメリット、利用の流れや適したケースをまとめて紹介します。

目次

注文書ファクタリングとは?

注文書ファクタリングとは企業間の取引において、まだ納品していない受注案件の注文書(将来発生する売掛債権)を売却し、早期に資金調達できる画期的なサービスです。

従来のファクタリングでは納品後に発行される請求書を売却するのが一般的でしたが、注文書ファクタリングは受注時点で資金調達が可能になるため、資金繰りの改善に大きく貢献します。

請求書ファクタリングとの違い

請求書ファクタリングは、納品後に発行される請求書を売却し、資金調達する方法です。すでに納品が完了している案件であるため、ファクタリング会社にとっては債権回収リスクが低く、手数料が比較的安く設定される傾向にあります。

その一方で注文書ファクタリングはまだ納品していない案件の注文書を売却するため、ファクタリング会社にとっては債権回収リスクが高く、手数料が請求書ファクタリングよりも高めに設定される場合があります。

しかし、注文書ファクタリングは受注時点で資金調達が可能になるという大きなメリットがあります。
請求書ファクタリングでは、納品・請求書発行後まで資金調達を待つ必要がありますが、注文書ファクタリングであれば、受注後すぐに資金調達に着手できるため、資金繰りの改善がしやすいです。

注文書ファクタリングがおすすめの業界・業種

注文書ファクタリングは、特に以下の業界・業種で資金繰りの課題を抱えている企業におすすめです。

建設・建築業

建設・建築業は工事期間が長期間に及ぶことが多く、着工から竣工、そして入金までには多額の運転資金が必要になります。注文書ファクタリングを活用することで、受注時点で資金調達が可能になり、円滑な工事の進行につながります。

製造業

製造業は原材料の仕入れや製造工程に多額の費用がかかるため、資金繰りが厳しい状況に陥りやすい業界です。注文書ファクタリングを利用することで、受注後すぐに資金調達が可能になり、安定した生産活動を実現できます。

IT業界(特にシステム開発会社)

IT業界、特にシステム開発会社は、プロジェクトの規模が大きくなるほど開発期間も長くなり、資金繰りが厳しくなる傾向にあります。注文書ファクタリングを活用することで、開発期間中の資金調達が可能になり、プロジェクトを円滑に進められます。

注文書ファクタリング対応のおすすめサービス6選

ROBOT PAYMENT

・請求代行付きのファクタリングサービス
・1.0%~の割安な手数料
・少額かつ複数の売掛債権を売却可能

ROBOT PAYMENTは請求代行や請求管理などのサービス・ツールを提供する会社ですが、「ファクタリングロボ for SES」というファクタリングサービスも提供しています。これは取引先への請求や売掛金回収の代行を含むサービスで、資金繰りの改善と併せて請求・売掛金回収業務の効率化にもつながります。

手数料は1.0%~からと割安で、少額の売掛債権にも対応。複数の売掛債権をファクタリングすることも可能です。ファクタリングを継続的に利用する予定の企業、請求・回収業務に課題を抱える企業におすすめのサービスです。

・手数料:1.0%~
・入金までの日数:締め日から5営業日

>>ROBOT PAYMENTのファクタリングサービスを見る

ビートレーディング

・ファクタリングの大手・老舗
・固定の担当者による柔軟な対応
・買取累計額1,300億円を超える圧倒的な実績

ビートレーディングは大手ファクタリング会社の中でも知名度が高く、実績も多い会社です。3万~7億円の買取実績があり、少額から大規模な資金調達まで幅広く対応してもらえます。

担当者は基本的に固定で、「この金額の買取なら手数料はこのくらい」のようなことまで教えてくれます。問い合わせや相談はメールのみの大手も多い中、電話で相談することも可能。自社の事情を理解した担当者と相談しながら、適切な売却額を決められるので安心です。

請求書ファクタリングと注文書ファクタリングの両方に対応しているため、状況に応じてサービスを使い分けることもできます。

・手数料:4~12%ほど(目安)
・入金までの日数:最短即日

BESTPAY

・最大180日までの注文書ファクタリング
・7つの質問に答えるだけで手数料をシミュレーション
・依頼企業の倒産リスクがなければ基本OKの審査

BESTPAYは手数料5%~、最短翌日入金の注文書ファクタリングです。注文書ファクタリングは請求書ファクタリングに比べて審査が厳しいといわれていますが、案件の依頼企業の倒産リスクがなければ基本的に審査はクリアできます。

買取可能額は100万~3億円、必要書類は注文書と通帳3ヵ月分と少ないです。まとまった着手金をすぐに調達したいときにおすすめのサービスです。

・手数料:5%~
・入金までの日数:最短翌日

トップ・マネジメント

・最大1億円まで買取可能
・4万5,000件を超えるファクタリング実績
・専用口座の開設で手数料が減額

トップ・マネジメントは注文書ファクタリングで4万5,000件を超える実績がある、注文書ファクタリングのパイオニア的企業です。見積書や発注書がなくても、取引先とのやり取りが確認できるメールをはじめ、取引のエビデンスがあれば利用できます。

手数料は原則として3.5~12.5%、手数料3.8%や6%などの買取実績もあります。指定の専用口座を開設し、売掛金の入金を同口座に指定することで、手数料の減額も可能。注文書ファクタリングでは着手金としてまとまった金額を調達することが多く、手数料を少しでも下げられるメリットは大きいです。

・手数料率:原則3.5~12.5%
・入金までの日数:最短即日

GMO BtoB早払い

・大手GMOグループの安心感
・1.0%~の最低水準の手数料
・2回目以降の利用がスムーズ

GMO BtoB早払いは東証プライム上場企業による、安心感のある注文書ファクタリングです。注文書ファクタリングでは手数料が2%~、5%~などのケースが多い中、手数料1%~利用できます。3社間ファクタリングにも対応しているため、取引先との関係に問題がなく手数料を抑えたい場合は、こちらを利用するのもいいでしょう。

決定した買取限度額内で繰り返し利用できるため2回目以降の利用はスムーズです。リピート率86%以上という実績が、利用しやすさと安心感を表しているといえるでしょう。

・手数料:1%~
・入金までの日数:最短即日

けんせつくん

・建設業界に特化したファクタリング
・請求書と注文書の両方に対応
・個人事業主もOK

けんせつくんはその名の通り、建設業界に特化したファクタリングサービスです。請求書ファクタリングと注文書ファクタリングの両方に対応しているため、状況に応じて使い分けができます。

建設業専門のサービスであり、建設業界特有の慣習や事情を踏まえて利用を相談できます。個人事業主にも対応しているため、小さな工務店や一人親方にもおすすめです。

・手数料:5%~
・入金までの日数:最短2時間

注文書ファクタリングのメリット

注文書ファクタリングは、資金繰りの改善や事業拡大に貢献するさまざまなメリットがあります。特に、受注から入金までの期間が長い取引、資金調達に課題を抱えている企業にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

注文書ファクタリングの具体的なメリットを紹介します。

受注段階で資金調達ができる

注文書ファクタリングの最大のメリットは、受注段階で資金調達ができる点です。

従来のファクタリングでは、納品・請求書発行後まで資金調達を待つ必要がありましたが、注文書ファクタリングであれば受注後すぐに資金調達に着手できます。資金繰りのリードタイムを大幅に短縮し、資金不足による事業機会の損失を防げます。

たとえば大型案件を受注したものの、納品までの期間が長いため、資金繰りが不安定になるケースが考えられます。このような場合、注文書ファクタリングを活用することで受注後すぐに資金調達が可能になり、安心して案件に取り組めます。

支払いサイトが長い売掛金にも対応している

注文書ファクタリングは、支払いサイトが長い売掛金にも対応しています。一般的に支払いサイトが長い売掛金は、請求書ファクタリングでの資金化が難しく、資金繰りを圧迫する要因となります。

しかし、注文書ファクタリングであれば支払いサイトの長さは関係ありません(ただし、一般的には入金予定日が6ヵ月以内の注文書でなければファクタリングできません)。受注時点で資金調達が可能になるため、資金繰りの安定化に貢献します。

たとえば、建設業や製造業などの支払いサイトが数ヵ月に及ぶ業界では、資金繰りの課題が深刻化しやすい傾向にあります。
このような場合でも注文書ファクタリングを活用することで、早期に資金調達が可能になり、資金繰りの負担を軽減できます。

売掛先にファクタリング利用を知られない

注文書ファクタリングは、基本的に「2社間ファクタリング」と呼ばれるタイプの契約です。これはファクタリング会社と自社(利用者)の2社間で契約を結ぶ方式で、売掛先にファクタリングの利用を知られずに済みます。資金繰りの状況を売掛先に知られたくない場合や、取引関係に影響を与えたくない場合でも、安心して利用できます。

なお、3社間ファクタリングと呼ばれるタイプでは、売掛先にもファクタリングの利用を通知する必要があります。これは、売掛先がファクタリング会社に直接支払う仕組みになっているためです。3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングに比べて手数料が安くなる傾向にありますが、売掛先にファクタリング利用を知られてしまうというデメリットがあります。

納品後に売掛先から入金されなくても弁済不要

注文書ファクタリングでは、原則として「ノンリコース」と呼ばれる契約が適用されます。

ノンリコースでは、売掛先に万が一のことがあり売掛金が回収できなかった場合でも、ファクタリング会社から受け取った資金を自社で弁済する必要がありません。売掛金の回収リスクをファクタリング会社が負うため、企業にとっては安心して資金調達できるメリットがあります。

注文書ファクタリングのデメリット

注文書ファクタリングには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。利用を検討する際は、これらのデメリットも十分に理解したうえで、自社の状況に合っているか慎重に判断することが重要です。

請求書ファクタリングと比べて手数料が高め

注文書ファクタリングは、請求書ファクタリングと比較して手数料が高くなる傾向にあります。注文書ファクタリングでは、まだ納品していない案件の注文書を買い取るため、ファクタリング会社にとって債権回収リスクが高くなるためです。

ファクタリング会社はこのリスクを考慮して手数料を設定するため、請求書ファクタリングよりも高めの手数料となる場合があります。

手数料はファクタリング会社によって異なり、売掛先の信用力や取引内容によっても変動します。

一般的には、9〜20%程度の手数料が設定されていることが多いですが、中には20%を超える高額な手数料を設定しているファクタリング会社も存在します。

そのため、利用を検討する際は複数のファクタリング会社に見積もりを取り、手数料を比較検討することが重要です。

請求書ファクタリングよりも審査が厳しい

先述の通り、納品前の案件の売掛債権を買い取る注文書ファクタリングは、ファクタリング会社にとってリスクが高いです。そのため、請求書ファクタリングと比較して審査が厳しい傾向にあります。

具体的には、売掛先の信用力や財務状況、過去の取引実績、注文書の内容などを細かく審査します。自社の業績や財務状況、経営者の信用力なども審査対象となるため、総合的な評価に基づいて審査が行われます。

そのため、請求書ファクタリングを利用できる企業であっても、注文書ファクタリングの審査に通らないケースも少なくありません。

注文書ファクタリング対応のサービスが少ない

注文書ファクタリングは、比較的新しいサービスであるため、対応しているファクタリング会社がまだ少ないという現状があります。

請求書ファクタリングに比べると、サービスの選択肢が限られるため、希望する条件に合うファクタリング会社を見つけるまでに時間がかかる場合があります。サービス内容や手数料体系も会社によって異なるため、比較検討する際に手間がかかるかもしれません。

しかし、近年では注文書ファクタリングの需要が高まっていることから、対応するファクタリング会社も徐々に増えてきています。今後、さらにサービスの選択肢が増え、利用しやすくなることが期待されます。

個人事業主OKのサービスが少ない

注文書ファクタリングは、法人向けのサービスが中心であり、個人事業主が利用できるサービスは限られています。個人事業主は法人に比べて信用力が低く、債権回収リスクが高いためです。

そのため、ファクタリング会社によっては、個人事業主からの申し込みを受け付けていない場合があります。

しかし、近年では個人事業主向けのファクタリングサービスも徐々に増えてきています。
これらのサービスは、小規模な案件や短期間の取引に対応していることが多く、個人事業主でも利用しやすい条件が設定されています。

注文書ファクタリングがおすすめなケース

注文書ファクタリングは、特定の状況下で資金繰りの課題を解決する有効な手段となります。特に、以下のようなケースに当てはまる企業にとって、注文書ファクタリングは検討する価値のある選択肢といえるでしょう。

納品・入金までに時間がかかる大型案件を受注したいとき

受注から納品、そして入金までに長期間を要する大型案件は企業にとって大きなビジネスチャンスである一方、資金繰りの面で大きな負担となることがあります。特に中小企業やベンチャー企業にとっては、長期にわたる運転資金の確保が困難な場合も少なくありません。

このような状況下で、注文書ファクタリングは非常に有効な手段となります。受注後すぐに資金調達が可能になるため、大型案件に必要な設備投資や人材確保、材料調達などに充てられます。資金繰りの不安を解消することで大型案件に積極的に取り組めるようになり、事業拡大のチャンスを掴みやすくなるでしょう。

案件の着手金を用意できないとき

受注した案件に着手するためには、材料費や人件費、外注費など、さまざまな費用が必要になります。

しかし、資金繰りが厳しい状況下では、これらの着手金を用意できないケースも少なくありません。特に、小規模な企業や個人事業主にとっては、まとまった資金を準備することが難しい場合があります。

このような場合、注文書ファクタリングを活用することで、着手金を確保しスムーズに案件に着手できます。受注後すぐに資金調達が可能になるため、資金不足によって事業機会を逃すリスクを回避できます。

また、着手金を早期に確保することで納期遅延を防ぎ、顧客からの信頼を維持することにもつながります。

黒字倒産のリスクがあるとき

黒字倒産とは、利益が出ているにもかかわらず、資金繰りの悪化によって倒産してしまう状況を指します。売掛金の回収が遅延したり、過剰な設備投資を行ったりすることで、手元資金が不足してしまうことが原因です。

黒字倒産は特に中小企業やベンチャー企業で発生しやすく、事業の継続を脅かす深刻な問題となっています。

注文書ファクタリングは、黒字倒産のリスクを回避するための有効な手段となります。売掛金の回収を待たずに資金を確保することで資金繰りの悪化を防ぎ、安定した事業運営を実現できます。

黒字倒産のリスクが高い企業は金融機関からの融資を受けにくい傾向にありますが、注文書ファクタリングであれば、比較的容易に資金調達できるというメリットもあります。

注文書ファクタリングで資金調達する流れ

注文書ファクタリングで資金調達をするには、いくつかのステップを踏む必要があります。手続きの流れを把握し、スムーズに資金調達を進めるために、以下のステップを参考にしましょう。

Step1.サービスを比較し、できれば複数社から見積もりを取る

注文書ファクタリングのサービスは、ファクタリング会社によって手数料や契約内容が異なります。まずは複数のファクタリング会社を比較検討し、自社に最適なサービスを選ぶことが重要です。

比較する際は手数料だけでなく、契約期間や審査期間、必要な書類なども確認します。見積もりは各社のWebサイトから簡単に依頼できる場合が多いので、積極的に活用しましょう。

Step2.利用するサービスを決め、必要書類の提出と手続きを進める

比較検討した結果、利用するファクタリング会社が決まったら、必要な書類を提出して手続きを進めます。必要な書類は、ファクタリング会社によって異なりますが、一般的には以下のものが挙げられます。

・注文書
・契約書
・登記簿謄本
・決算書
・売掛金の入金口座の通帳 など

これらの書類に加えて、ファクタリング会社によっては追加書類の提出を求められる場合があります。必要な書類を漏れなく準備し、速やかに提出することで、審査期間を短縮できます。

Step3.契約書の内容を確認し、利用を申し込む

ファクタリング会社から契約書が届いたら、内容をしっかりと確認しましょう。特に手数料や契約期間、支払いの方法と期日など、金銭に関わる項目は注意深く確認することが重要です。不明点や疑問点があれば、ファクタリング会社に問い合わせて解消しておきましょう。

契約書の内容に納得したら、署名をしてファクタリング会社に返送します。最近は電子署名を活用し、Webで手続きが完結するサービスも多いです。これにより、正式に契約が成立し、ファクタリングを利用できるようになります。

Step4.ファクタリング会社から自社に入金される

契約が完了すると、ファクタリング会社は注文書の売却代金から手数料を差し引いた金額を、自社の指定口座に入金します。入金までの期間はファクタリング会社によって異なりますが、最短で即日入金に対応している場合もあります。

資金調達のスピードは資金繰りの改善に大きく影響するため、入金までの期間も重要な比較ポイントとなります。

入金が確認できたら、ファクタリング会社から送られてくる入金明細書を確認し、内容に間違いがないか確認しましょう。もし、内容に誤りがあれば、すぐにファクタリング会社に連絡して修正してもらう必要があります。

Step5.売掛金を回収したら、ファクタリング会社への支払いを済ませる

売掛先から売掛金が回収できたら、ファクタリング会社に支払いを済ませる必要があります。支払う金額は、契約時に合意した売却代金と手数料の合計額です。支払期限は、契約書に記載されているため、期限内に支払いを済ませるようにしましょう。

注文書ファクタリングの審査をクリアするコツ

注文書ファクタリングの審査はファクタリング会社によって異なりますが、いくつかのポイントを押さえることで、審査通過の可能性を高められます。スムーズに資金調達を実現するためのコツを紹介します。

信用力が高い売掛先を選ぶ

注文書ファクタリングの審査では、売掛先の信用力が非常に重要視されます。ファクタリング会社は売掛先が確実に支払ってくれるかどうかを判断材料にするからです。売掛先の信用力が高ければ、ファクタリング会社は安心して資金を提供できます。

具体的には上場企業や大手企業、官公庁など、財務状況が安定している企業を選ぶと良いでしょう。これらの企業は倒産リスクが低く、支払いが滞る可能性も低いと判断されるため、審査に通りやすくなります。

取引の回数が多い、期間が長い売掛先を選ぶ

売掛先との取引実績も、審査において重要な要素となります。取引の回数が多い、または取引期間が長い売掛先は、良好な関係を築けていると判断され審査に有利に働きます。過去の取引で問題なく支払いが行われてきた実績があるため、今後も支払いが滞る可能性が低いと判断されるためです。

また、継続的な取引があるということは、売掛先との信頼関係が構築されているということです。これも、ファクタリング会社にとっても安心材料となります。

反対に、新規の取引先や取引実績が少ない売掛先は審査に不利になる可能性があるため、なるべく選ばないようにしましょう。

入金予定日が6ヵ月以内の注文書を選ぶ

注文書ファクタリングは、一般的に支払期日が6ヵ月先までの注文書に対応しています。ファクタリング会社にとって、長期間にわたる債権回収リスクを負うことは負担が大きいためです。

入金予定日が6ヵ月を超える注文書は審査に通りにくいだけでなく、仮に審査に通ったとしても、買取可能額が低くなってしまう可能性があります。

資金調達のタイミングや入金予定日を考慮し、ファクタリング会社が対応している範囲内で資金化できる注文書を選ぶようにしましょう。

掛け目を意識し売却額を抑える

ファクタリングにおける掛け目とは、「売掛債権のうち何割を買い取り対象とするのか」というもので、与信限度額のようなものです。売掛債権の100%を売却するよりも、たとえば70%のように一部を売却する方が、ファクタリング会社にとって債権回収リスクが低くなるため審査に通りやすくなります。

そのため、必要最低限の資金を調達できるように、掛け目を意識し売却額を抑えることが審査通過のコツとなります。

ただし、売却額が低すぎると資金繰りの改善効果が薄れてしまうため、バランスを考慮して売却額を設定することが重要です。

大型案件を受注したいけど、入金までの資金不足が不安…。そんなときは注文書ファクタリングを検討しよう

大型案件を受注したものの、入金までの資金繰りに不安を抱えている企業にとって、注文書ファクタリングは力強い味方となります。受注時点で資金調達ができるため、資金不足による事業機会の損失を防ぎ、安定した事業運営を可能にします。

しかし、注文書ファクタリングには手数料や審査の厳しさなど、いくつかのデメリットも存在します。利用を検討する際は、メリットとデメリットを俯瞰し、自社の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。

本記事で紹介したサービスのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。手数料や必要書類、申し込みから入金までの日数など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。