ファクタリング審査がなかなか通らない!原因と解決策を解説

後払い

ファクタリングとは、保有している支払い前の売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化する取引です。入金前に現金化できるため有効な資金調達方法の一つですが、ファクタリングの審査は必ずしも通るわけではありません。

この記事では、ファクタリングの審査になかなか通らない場合に考えられる原因や審査に通らない人の特徴を紹介しています。加えて、ファクタリング審査に通過しやすくなるコツや条件も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ファクタリング審査で重視される売掛債権とは?

売掛債権(売掛金)とは、商品の販売やサービスの提供をした会社が取引先や顧客から代金を受け取る権利を指します。売掛債権は、代金を受け取る権利であることから、会計上資産とみなされるため売却も可能です。これを「ファクタリング」と言います。

また売掛債権は、勘定科目で資産の部の流動資産に区分され、手形を所持している場合は「受取手形」、所持していない場合は「売掛金」に分類されます。しかし、基本的には手形のように証書が発行されるわけではなく、ツケ払いや仮取引などと同様、信用がないと成り立たないという特徴があるのです。この点から、売掛債権は信用取引にも区分されます。

加えて売掛債権は、行使できる期間が定められています。期間内に代金支払いの請求を行わないと、権利を行使することができなくなってしまう恐れがあるのです。売掛債権の有効期限は、契約の形態や役務の提供といった債権の種類によって異なります。ただし、期限が近づいてきた際は、支払い誓約書などへの署名捺印により支払いが承認されることで、中断が可能です。

このように、売掛債権は卸売業やサービス業、製造業といった幅広い業種で、経理上の勘定科目になっています。

売掛金が原因でファクタリング審査が通らないケース6選


ファクタリングとは、未払いの売掛債権を売却して入金前に資金調達を行うことです。最短即日で現金化できるため有効な資金調達方法の一つですが、ファクタリングの審査は必ずしも通るわけではありません。ここでは、ファクタリングの審査が通らないケースを詳しく見ていきましょう。

売掛金そのものが信ぴょう性に欠ける

ファクタリング審査に通らない理由として、売掛金そのものが信ぴょう性に欠けることが挙げられます。少しでも「架空の請求書ではないか」という疑いがある場合、ファクタリング会社の審査には通らないと考えておきましょう。

たとえば、利用者と売掛先が共謀して商業上の取引行為が存在しないにもかかわらず請求書を発行するケースです。なかには休眠状態の会社を使い、架空の売掛金をファクタリング会社に買い取らせようとする犯罪行為もあります。ファクタリング会社はこのような犯罪行為を警戒しているため、少しでも信ぴょう性に欠ける売掛金は審査に通りません。また、登記上設立はされているものの事業活動の実態がない会社を「ペーパーカンパニー」と呼びます。ペーパーカンパニーを使った架空の売掛金も、当然審査には通らないので注意しましょう。

回収できない恐れのある売掛金

金融機関の貸出債権のうち、企業倒産や返済の遅れによって契約通りに元本や利息の支払いが受けられなくなってしまった貸出債権を「不良債権」と言います。また、不良債権は回収見込みがないため、財産的価値がない売掛金とみなされます。

しかし、そのことを認識しているのにもかかわらず、売却しようとするケースも存在するのです。
当然、ファクタリング会社は不良債権の買い取りによって損失を被ることを避けようとします。そのため「財産価値のない売掛金」「売掛先に問題のある売掛金」とみなされた場合、未回収リスクが高いと判断され審査に落ちてしまうのです。

このように、ファクタリングでは売掛金が無事に回収できるかどうかが重視されます。売掛先が安定した経営を続けている必要があります。
たとえば、事業が赤字続きの場合や事業譲渡計画が進んでいるような売掛先の場合、売掛金の未回収リスクが高いため審査に通るのは難しいでしょう。

一時的な売掛金

ファクタリング会社に売却する売掛金が継続性のない一過性のものの場合、審査に通りづらくなる可能性があります。特に、新規契約してすぐの売掛金の場合は初回契約に関する情報しかなく、期日までに滞りなく売掛先から入金された実績がありません。そのため、ファクタリング会社側からすると安心して買い取れる売掛金とは言えないのです。

このように、1回限りの売掛金や、売掛先と継続した取引がない場合は、審査で不利になってしまいます。一方で、安定した取引実績があれば信頼度が高いと判断され、売掛金が実在していることの証明にもなるので審査に通りやすくなるでしょう。

売掛金が二重譲渡されている

売掛金に二重譲渡の疑いがかかっている場合、ファクタリング審査に通りません。
たとえば「2社間取引の際、とあるファクタリング会社に買い取ってもらおうとした売掛金が、同時に他のファクタリング業者に売られていた」というケースも、売掛金の二重譲渡にあたります。

利用者がこれを意図的にやっていた場合はもちろん、すでに売掛金を他業者に譲渡したことを忘れており、たまたま二重譲渡になってしまった場合でも、違法行為であり犯罪になります。ファクタリング審査に落ちるだけでなく、内容や金額によっては刑事告訴される恐れもあるため、十分注意しましょう。

債権譲渡してはいけない売掛金

「債権譲渡禁止特約」というのをご存じでしょうか。その名の通り、債権譲渡を禁止にする契約です。債権譲渡禁止特約は、自社と売掛先の間で交わされます。売掛先との契約で「債権譲渡禁止特約」が交わされている場合は、ファクタリング会社に売掛金の買い取りを断られるケースが多くなります。

民法改正により、債権譲渡禁止特約が交わされている売掛債権であっても、流動化は可能となりました。しかし、そもそも売掛先が付与する債権譲渡禁止特約は「売掛金を第三者に譲渡してはいけない」と定めたものなので、原則ファクタリング会社は買い取ってくれないと考えた方が良いでしょう。例外的に、3社間ファクタリングで売掛先が債権譲渡禁止特約を外すことに合意した場合は売掛金を買い取ってくれるかもしれません。

売掛先が個人事業主である

売掛先の業務形態が法人であるか個人であるかは、信頼度を決める際のとても重要なポイントです。売掛先が法人の場合はある程度の信用が保証される一方、個人事業主の場合は法人に比べて信用度が落ちてしまいます。売掛先が個人事業主というだけで審査に通らないケースは多いでしょう。
なぜかというと、個人事業主は法人と比較して事業規模が小さいため、売掛金を回収できないリスクが高まるからです。

ファクタリング審査に通らない人の特徴


続いては、ファクタリング審査に通らない人の特徴を解説します。個人事業主や3社間ファクタリングで売掛先からの同意を得られていない方、身元や仕事の信頼性が足りない方などがこれに該当します。

法人ではなく個人事業主である

前述したように、利用者が個人事業主の場合はどうしてもファクタリング審査に落ちやすくなってしまいます。個人事業主は法人と比較して事業規模が小さく、信用度が低いためです。

また、契約時に二重譲渡を防止するための「債権譲渡登記」を求められる場合があります。債権譲渡登記における譲渡人は法人に限定されるため、個人事業主の申し込み自体を断っているファクタリング会社もあるでしょう。

しかし、必ずしも審査に通らないというわけではありません。個人事業主の場合は、フリーランスなど個人事業主向けのファクタリングを専門に取り扱っている会社を選ぶようにしましょう。

身元や仕事が信用されていない

ファクタリング会社は、利用者の悪意によって騙されないよう常に注意しています。たとえ売掛先や売掛債権に問題ないと判断し審査をクリアしたとしても、実際に取引が終わるまでは完全に信頼していないのです。なかには審査の隙を突いて騙そうとしている利用者もいるでしょう。売掛先が利用者と結託し、詐欺を行うケースもあります。

ファクタリング会社はこのような状況を警戒しているため、利用者の身元や仕事が保証されていなければ怪しまれてしまいます。たとえば提示した身分証明証が不確かな場合や今までに大きな過失を犯している場合は審査に通りにくくなってしまうでしょう。

また、ファクタリング審査において経営者のモラルが低いと判断されると、審査に通らないおそれがあります。ファクタリング会社は、経営者の態度が横柄ではないか、経営者に悪いうわさがないか、ギャンブル好きではないか、といった点にも注視しているのです。

3社間ファクタリングで同意を得られていない

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
2社間ファクタリングは売掛先の同意が不要なのが特徴です。売掛先から利用者に支払われた売掛債権の代金を、利用者からファクターへ送金します。ファクター側には「利用者が代金を持ち逃げしたり、債権を二重譲渡したりするかもしれない」というリスクが発生します。

一方、3社間ファクタリングの場合は売掛債権の支払い期日までに売掛先がファクターへ直接入金するため、利用者に対するリスクが発生しません。
3社間ファクタリングの方が比較的審査が緩い傾向にありますが、2社間ファクタリングが売掛先の同意が不要なのに対し、3社間ファクタリングは売掛先の同意が必要となります。この同意が得られないと、審査に通ることは不可能なのです。

ファクタリング審査を通過するためのコツや条件


それでは、ファクタリング審査を通過するためのコツや条件を紹介します。重要なポイントは「信用度が高い売掛債権を審査に出すこと」「必要書類を漏れなく揃えること」「丁寧な受け答えを心がけること」です。これから審査を申し込もうと考えている方は以下を参考にしてみてください。

信用度が高い売掛債権を審査に出す

先にも解説したように、ファクタリングの審査において重要なポイントは売掛先の信用度です。そのため、信用度を十分に満たすような、取引実績が長く売掛債権額の大きな売掛金で審査に申し込みましょう。

ちなみに、金融機関や官公庁、その他大手企業などとの取引実績があると「厳しい審査に合格した実績がある」という証明になるため、より審査に通りやすくなります。また、それらの大手企業が相手でなくても、経営状況が良好で安定している企業の売掛金なら審査に通りやすいでしょう。

必要書類を漏れなく揃える

優良な売掛債権のはずが、必要な資料が揃っていないために審査に通らなかったというケースは多くあります。ファクタリング審査の際は、売掛債権の存在をしっかりと証明できるように、複数の資料を準備してください。資料を用意するのが遅れただけでも審査に通らない恐れがあります。

以下は審査に必要となる資料です。
・基本契約書
・発注書
・受注書
・請求書
・納品書

基本契約書や請求書だけで良いのでは、と考える方もいますが、上記の資料を揃えることで、より審査に通りやすくなります。また、過去の売掛金の入金履歴を確認するために取引通帳も用意しましょう。

審査時は丁寧な受け答えを徹底して行う

ファクタリングの審査は対人での面談となるため、人柄も見られます。丁寧な受け答えを意識しまし審査は対人での面談となるため、人柄も見られます。丁寧な受け答えを意識しましょう。服装にも注意し、真摯な対応を心がけてください。また、連絡に迅速に対応できる状態の方が、安心して契約できる利用者だと判断されやすくなります。

なぜ人柄が見られるのかというと、ファクタリングは目に見えない売掛債権という資産を扱う契約であるため、利用者が安心できる相手かどうかが重要だからです。ファクタリング会社には虚偽の発言をせず、誠実な対応を心がけましょう。

審査なしのファクタリングは危険?安全?


健全な運営をしているファクタリング会社を利用するためには、必ず審査を通過しなければなりません。「審査なし」でファクタリングすると謳っている会社の利用は控えた方が良いでしょう。以下では、ファクタリング審査が必要な理由と、審査なしのファクタリング会社を利用すべきではない理由を解説します。

健全な経営をしているファクタリング会社は審査が必須

ファクタリング会社を利用するためには、必ず審査を通過しなければなりません。以下はファクタリング審査が必須となっている理由です。

● 売掛金の未回収リスクを回避するため
● 詐欺などのトラブルリスクを回避するため
● 手数料水準を決めるため

上記のように、リスクを回避したり手数料を決めたりするためにはしっかりとした審査が必要なのです。

審査なしのファクタリング会社を利用するリスク

前述のように、ファクタリング会社は審査をしなければ健全な経営ができません。もしも「審査なし」でファクタリングすると謳っている会社があっても、利用しないようにしましょう。審査なしのファクタリング会社には以下のようなリスクがあります。

● 高額な手数料などを請求する悪徳業者の恐れがある
● 反社会勢力で利用者または売掛先とトラブルを引き起こす恐れがある
● 後から買い戻しを求められる恐れがある

「償還請求権あり」の契約を結んでいる場合は、特に3つ目に注意が必要です。

資金繰り改善は「ファクタリングロボ」にお任せ!

ファクタリング会社の利用を考えている方は、今回紹介したファクタリング審査を通過するためのコツや条件を参考にしてみてください。特に重要なポイントは「信用度が高い売掛債権を審査に出すこと」「必要書類を漏れなく揃えること」「丁寧な受け答えを心がけること」です。これらを意識して、ファクタリング審査に挑みましょう。

また、審査に通らなかった、審査に通るか不安だ、手軽で簡単な決済サービスを利用したいという方は、株式会社ROBOT PAYMENTが提供している「ファクタリングロボ」の利用がおすすめです。

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なお、提供元の株式会社ROBOT PAYMENTは決済代行会社として取引先と接するため、ファクタリングの利用を知られる心配はありません。継続的なファクタリング専用で、通常難しい少額の売掛債権もまとめてファクタリングできるため、資金繰りにお困りの企業のご担当者様は、お気軽に「ファクタリングロボ」にご相談ください。
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。