ファクタリングとは?請求書のみでも大丈夫?ファクタリング全般についても解説

後払い

2016年に国税庁が実施した調査によると、日本国内にある約267万社の法人のうち利益を計上しているのは約97万社で、およそ3分の2の会社が赤字を計上しています。無借金経営を続けている会社も中にはありますが、それはほんの一握りで多くの会社が赤字経営に伴う資金不足に頭を悩ませているのが現状です。

黒字を計上していても新たに起こした事業がうまくいかない、予想外のトラブルで予期せぬ大きな出費を強いられた、なとといった理由で資金繰りに困ることもあります。

このように現金がすぐに必要になった時や資金繰りの改善が急に必要になった時などに有効なのがファクタリングです。本記事ではファクタリングの基礎知識、ファクタリングのメリットとデメリット、ファクタリングに必要な主な書類などについて解説します。

ファクタリングの基礎知識

ここではファクタリングとは何かを理解するための基礎知識について解説します。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権を第三者のファクタリング会社に売却することによって早期に現金化する資金調達方法のことです。売掛債権とは商品やサービスを納入した後に期日まで支払いを受ける権利のことで、企業間取引では一般的な取引方法で掛け取引と呼ばれています。

掛け取引では実際に取引があってから入金されるまで早くても30日ほど、遅い場合は180日ほどかかりますが、ファクタリングであればそれよりも格段に早く現金化が可能です。従来の売掛債権の現金化方法としては手形割引や裏書譲渡などもありますが、昨今では手形の流通が減ったこともあってファクタリングによる現金化が主流になっています。ファクタリングを利用する際には金融機関の融資とは異なって保証人や担保も必要ありません。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとはその文字通り2社間でファクタリング契約を結ぶ方式で、契約の主体になるのは自社(ファクタリングで資金調達をする事業者)とファクタリング会社の2社のみです。後述する3社間ファクタリングのように取引先に承諾を得る必要もなく、ファクタリングの利用が知られることもありません。

2社間ファクタリングでは、契約と履行に関係する会社が2社のみであることから早期の現金化が可能です。ファクタリング会社が売掛債権の信用調査を行って問題がなければ2社間で契約を結び、ファクタリング会社が売掛債権を買い取って自社へ手数料を差し引いた現金を支払います。売掛債権の支払い期限が来て取引先から自社へ売掛代金が入金されたらこれはそのまま直ちにファクタリング会社へ渡します。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングとは、ファクタリングを実施する際に取引先の承諾を取り付けたうえで、自社の売掛債権をファクタリング会社へ売却する方式のことです。契約そのものは自社とファクタリング会社との2社間で結ばれますが、契約を結んだ後に自社から取引先へ売掛債権の売却を通知して、承諾を得る必要がある点で2社間ファクタリングと異なります。

ファクタリングを実施する際に取引先が関わることでその分手間や時間がかかり、2社間ファクタリングよりも現金化するまでの時間が長くなってしまいます。しかしながらファクタリング会社が直接取引先から現金を回収できるために未回収のリスクが低く、相対的に手数料が低い傾向にあることがメリットです。

買取型ファクタリング

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングは契約形態の違いによる分類ですが、買取型ファクタリングは売掛債権の取り扱い方による分類の一つです。買取型ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に売却することで取引先と契約で交わした支払期日よりも早く現金化できる方法を指します。

取引先からの売掛金代金の入金を待つ必要がなく、代金の額面から手数料を差し引いた現金がファクタリング会社から自社に入金されます。

早急に運転資金を確保する必要が出てきた場合や、財務状況が悪くて金融機関に融資を依頼するのが難しい場合などには買取型ファクタリングが適していると言えるでしょう。ファクタリングで売掛債権を現金化した後に取引先が倒産してファクタリング会社が現金を回収できなくなっても自社がその分を弁済する必要はありません。

保証型ファクタリング

保証型ファクタリングは、売掛債権が回収不能に陥らないように保証するための保険のようなファクタリング方法です。保証型ファクタリングでは自社がファクタリング会社に対して売掛債権に保証の付帯を依頼し、ファクタリング会社は審査を経たうえで保証を引き受けるかどうかを判断します。

保証を引き受けることが決まったら保証金額や保証料などの条件を自社に提示し、条件に問題がなければ保証料を支払って保証契約を交わします。

取引先が倒産などで売掛債権の回収が不能に陥った場合、ファクタリング会社から自社に保証料が支払われて代金未回収による損失の発生を回避する仕組みです。普段の資金繰りには余裕があるもののリスクヘッジとして万が一の未回収リスクに備えたいというのであれば保証型ファクタリングが適しているでしょう。

ファクタリングのメリットとデメリット

ファクタリングを利用する際にはメリットとデメリットについて理解しておくことが必要です。以下にそれぞれについて解説します。

ファクタリングのメリット

ここではファクタリングのメリットとして3点挙げます。1つ目は売掛債権を支払期日よりも早くスムーズに現金化できることです。売掛債権を使った通常の掛け取引では実際に現金化できるまでの時間が長く、売掛金を回収する前に運転資金がショートして黒字倒産をしてしまう可能性もあります。その点ファクタリングであれば急な出費に対しても対応可能です。

2つ目は返金リスクがないことです。ファクタリングは融資とは異なって売掛債権を売却することによる資金調達方法であるため、取引先が倒産したり未回収が発生したりしても返金する責任は発生しません。

3つ目は自社の信用情報への影響がないことです。通常の金融機関からの融資では会計上負債が増えることになりますが、ファクタリングは借金ではないため負債には影響がなく信用情報にも記録が残りません。

ファクタリングのデメリット

ここではファクタリングのデメリットとして2点挙げます。1つ目は手数料がかかることです。2社間ファクタリングでは未回収リスクをファクタリング会社が負うため手数料は割高に設定されています。実際の手数料は各社で異なりますが、高い場合は30%程度のケースもあり金融機関の融資と比べるとかなり高いと言えるでしょう。ファクタリングを利用した場合は売掛金の金額から手数料が差し引かれた金額が支払われるため、通常の掛け取引で得られる金額よりも少なくなることは避けられません。

2つ目は売掛債権の範囲内でしか資金を調達できないことです。ファクタリングでは売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金調達するため、当然のことながら売掛金を超える金額は調達できません。取引先の信用情報が悪い場合は売掛金を下回ることもあります。

ファクタリング会社の選び方

ここではファクタリング会社を選ぶ際に押さえておくべきポイントを3点解説します。

手数料

前述したようにファクタリングの手数料は会社ごとに異なるものであり、法律上手数料の設定はファクタリング会社に一任されています。相場としてはファクタリング会社にとってリスクの低い3社間ファクタリングでは1%から9%程度、リスクの高い2社間ファクタリングでは15%から30%程度とかなり幅のあるのが現状です。3社間ファクタリングでも取引先の信用情報が悪ければ高い手数料になる場合もあります。

相場から見て高い手数料を提示するファクタリング会社に対しては高い理由を確認したほうがいいでしょう。一般的には売掛金の額面が小さければ手数料が高くなり、支払いサイトが長くなれば手数料が高くなります。複数のファクタリング会社から相見積もりを取って条件面で差がないのであれば当然手数料の安い会社を選ぶのが得策です。

現金化までのスピード

現金化までのスピードも手数料と同様に、ファクタリング会社やファクタリングの種別によって異なります。3社間ファクタリングの場合は、取引先に通知したり契約への同意を取り付けたりする必要があることから数週間かかることも珍しくありません。2社間ファクタリングであれば審査が終わり次第、早い場合では即日、遅い場合でも1週間以内の現金可が可能です。

金融機関による一般的な融資のように審査が長くかかるようでは、ファクタリング会社に高い手数料を払う意味がありません。現金化を特に急いでいるのであれば2社間ファクタリングでは即日現金可できる会社、3社間ファクタリングでは数日で現金可できる会社を選ぶといいでしょう。契約の際には入金日を確約してくれることを確認することも必要です。

信頼性

ファクタリング会社の中にはファクタリングを装って手数料を騙し取ったり、経営状況がずさんで現金化までのプロセスがおぼつかなかったりする悪徳業者も存在するものです。悪徳業者と契約してしまうのを避けるために信頼性の高いファクタリングを選ぶことが大切です。優良なファクタリング会社は利用実績をホームページで公表していることが多く、それを見ることでどのような取り扱い業種、売掛債権の買い取り金額、現金化までの日数などを確認できます。

何に利用実績も公表せずに業界最安値の手数料や、最短即日で現金化可能などを謳っている会社は気を付けたほうがいいでしょう。利用実績をチェックするにはファクタリング会社比較サイトを見たり口コミサイトを見たりすることでも判断材料になります。

ファクタリングに必要な主な書類

ファクタリングに必要な書類は会社ごとに異なりますが、主なものは以下の通りです。
1.登記簿謄本:法人の場合に必要。会社の所在や所有者情報などを記した法人の存在を証明する書類。
2.身分証明書:法人・個人共に代表者の身分証明書、免許証、パスポート、マイナンバーカードなど。
3.決算書(法人の場合)もしくは確定申告(個人の場合):直近の2~3期分程度が必要。決算月が半年以上前の場合はその年の試算表も。
4.印鑑証明書:市役所や区役所に印鑑登録をしてある実印の証明書。
5.銀行通帳:表紙及び指定期間分の通帳履歴をコピーしたもの
6.請求書や発注書など:売掛債権が発生していることを証明できるもの
7.売掛先企業との基本契約書:請求書や納品書などを発行していない場合に必要。売掛債権の存在を確認できるもの。

ファクタリングと請求書

上記で記したファクタリングに必要な書類の中でも請求書は肝となるものです。以下に請求のみ、請求書なしでファクタリング契約できるかどうかについて解説します。

請求書のみでファクタリング契約できるか

結論から言うと請求書のみでファクタリング契約をするのはほぼ不可能です。どのファクタリング会社でも、売掛先の与信調査を行うため請求書以外の身分証明書、銀行通帳のコピー、登記謄本、決算報告書などの信用情報を取得する必要があります。これらの書類は正確な与信調査のために必要なものであり、ファクタリング会社にとっては未回収リスク低減のためにも欠かせないものです。ごく稀なケースとしては請求書が偽装されている可能性もゼロではありません。

ファクタリング会社はそのような詐欺に遭って現金が回収不能にならないように、他の書類の提出と合わせて信用調査を行います。ただしファクタリング契約時に本人確認書類やポートフォリオなどを提出して会員登録をすれば、請求書のみでファクタリングを受け入れてくれる会社も少数ながら存在します。

請求書なしでファクタリング契約できるか

ファクタリング会社によっては請求書のみでも受け付けてくれる会社もあります。上記で請求書のみでは契約できないのに請求書なしで契約できるのは変だと思われるかもしれませんが、請求書以外の書類で取引金額や取引内容が証明できれば契約可能です。これは迅速に資金調達したいという市場の需要に応えるためのものです。請求書なしの場合に提出する書類は取引基本契約書、納品書、銀行口座の通帳などです。

取引基本契約書は、契約の条件や支払日などのファクタリング契約で必要になる情報を確認できます。納品書は取引の内容や金額が確認できて、売掛金の存在を証明することが可能です。銀行口座の通帳は取引履歴が記載されていれば、取引実績を証明することができます。

資金繰り改善は「ファクタリングロボ」にお任せ!

資金調達の方法としては銀行融資やカードローンなどもありますが、膨大な資料の提出を求められたり、高額な手数料がかかったり、法人名義では利用しづらかったりします。その点ファクタリングであれば提出する資料の数は限られていますし、種類によっては手数料が低く設定されており、法人名義でも障害になることはありません。ただファクタリングは売り手側企業のための資金調達方法で、買い手側企業の資金繰り改善に有効とは言い難い面があります。

買い手側企業で資金繰りに苦しんでいるのであれば、簡単で確実な資金繰り改善の方法としてぜひ「ファクタリングロボ」の活用をご検討ください。

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なお、提供元の株式会社ROBOT PAYMENTは決済代行会社として取引先と接するため、ファクタリングの利用を知られる心配はありません。継続的なファクタリング専用で、通常難しい少額の売掛債権もまとめてファクタリングできるため、資金繰りにお困りの企業のご担当者様は、お気軽に「ファクタリングロボ」にご相談ください。
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。