メール決済とは? 仕組みやメリットなども解説
インターネットが必須のライフラインとなるにつれ、オンライン販売による売上の重要性が増しています。しかし、ECショップの開設には少なからず手間とコストがかかるため、現下の状況はよく理解しつつもオンライン化に思い切って踏み切れない事業者も実際には少なくはないのではないでしょうか。
メール決済とは、Webサイトを構築せずにオンライン決済を導入できるようになる仕組みです。クレジットカードなどのキャッシュレス決済を手軽に導入できるものとして、今注目を集めています。
この記事では、メール決済の仕組みやメリットなどを解説していきます。最後におすすめのサービスもご紹介しているので、参考にしていただければ幸いです。
メール決済とは
メール決済の導入により、手間をかけず、低コストでオンライン決済を行えるようになります。ここでは、メール決済の概要と導入がおすすめの企業について解説していきます。
概要
メール決済とは、事業者がメールやSNSによりユーザーに決済用のURLやQRコードを案内することにより、オンラインでの決済を促せるようになるサービスです。後で述べるようにWebサイトの構築をせずともオンライン決済を導入できることから、手軽かつスピーディーにキャッシュレス決済を開始したい事業者におすすめです。
メール決済の流れは、以下の通りです。
・事業者
1.注文受付
2.決済URLの作成
3.決済URL・QRコードの送信
・ユーザー
1.決済URL・QRコードの受信
2.決済画面に遷移して内容確認
3.希望の決済手段により支払い
どのような企業におすすめの決済手段?
メール決済は、スポーツクラブの月会費や学習塾の月謝などの継続課金サービスの回収業務を効率化します。現金決済にかかる手間を省き、紛失・盗難リスクをなくせるだけでなく、金額の変更や用具代・教材費などの追加費用の請求にも対応可能です。
Webサイトに決済機能を付加したり、セキュリティ対応をしたりすることが難しい企業にも向いています。メルマガに貼った決済リンクから、ユーザーのカード情報を取得せずに決済画面への遷移を促すことができます。
予約販売や修理・修繕など、注文・見積もり時に最終金額を確定できない商品・サービスを提供する事業者にもおすすめです。都度決済が容易になるため、金額の変動にかかわらず確実な回収が見込めます。
コロナ禍もあり、オンライン接客が新たな販売チャネルとして注目されています。接客後にメールにて支払い画面を案内することで、ユーザーを1度も実店舗に迎えることなしに、接客から決済までをワンストップで行えるのが大きな魅力です。
メール決済の種類
メール決済には3つの種類があり、それぞれユーザーに対して決済URLを送信するやり方が異なります。以下、順にみていきましょう。
メールリンク型
ユーザーのメールアドレスに決済画面のURLリンクを送付する方式です。メールはすでに生活に欠かせないコミュニケーションツールとして広く使われているため、幅広いユーザーへの対応が可能です。
SMS型
ユーザーの携帯電話やスマートフォンの電話番号にショートメッセージを送信する方式です。受信すると待ち受け画面にメッセージの内容が表示されることから、高い開封率が期待できます。
QRコード型
メールで送付したQRコードをユーザーにスマートフォンなどで読み取らせることで決済画面に導く方式です。タップによる画面遷移フローを少なくできるので、離脱率の低減効果が見込めます。
メール決済導入のメリット
メール決済サービスの導入により、さまざまなメリットが得られます。ここでは、3つの視点からみていきます。
導入が手軽にできる
メール決済サービスは、Webサイトを持たない事業者でも手軽に導入することが可能です。先にみたいずれの方式を採っても、新たにWebサイトを作ったり、既存のシステムを改修したりする必要がなく、思い立った時にすぐにオンライン決済を始められます。
また、決済チャネルの拡大はユーザーの利便性向上に繋がるだけではありません。ユーザーの決済フローを減らせるため、決済を完了するまでの手間を面倒に感じてユーザーが購入を諦めてしまうなどの機会損失リスクを減らせるでしょう。
ECサイトの決済手段を一括導入できる
価値観と行動様式の多様化によりユーザーの商品やサービスの選別基準が厳しくなった昨今、幅広い決済手段を用意して、購買意欲の高いユーザーを可能な限り離脱させないことが販売戦略上欠かせないものになりつつあります。
メール決済サービスの導入により、ECサイトで利用比率の高い決済手段を一括して導入できます。最も利用されているクレジットカード決済はもちろん、銀行決済・コンビニ決済・電子マネー決済などにも対応しており、多様なユーザーニーズを損なう心配が要りません。
ただし、決済サービスを提供している会社により導入できる決済手段が変わるため、事前に確認しておく必要はあります。
高いセキュリティ性を確保できる
オンライン決済では、現在最も使われているクレジットカード決済時のセキュリティ対策がとりわけ重要です。そのため、2018年6月の改正割賦販売法の施行に向けて打ち出された『クレジットカード・セキュリティガイドライン』では、クレジットカード加盟店に対して自社ネットワーク内での「クレジットカード情報の非保持化」、または世界的な統一規格である「PCI DSSへの準拠」を求めています。
メール決済サービスではこれらの施策に対応しているため、導入によりユーザーに向けた安全性に関する高い訴求効果が期待できます。
メール決済を導入する際のポイント
現在使われるメール決済サービスは多種多様ですが、導入効果の最大化に向けては自社にふさわしいものを選ぶことが欠かせません。ここでは、導入する際のポイントを2つご紹介していきます。
対応する決済手段の確認
キャッシュレス決済への移行が加速しています。利用率が高くインバウンド需要も取り込めるクレジットカード決済はもちろん、決済可能な店舗が特定地域に偏らず存在するため幅広いユーザーの獲得が見込める銀行決済やコンビニ決済、利便性が高く若年層をターゲットとしやすいキャリア決済など、決済手段に関するユーザーニーズも多様化しています。
クレジットカードのみに対応したメール決済サービスだと、クレジットカードを所持するユーザーしか取り込めず、機会損失の確率は高くなります。サービスを比較検討する際には、自社のビジネスモデルやターゲットとなるユーザー層のニーズに適った決済手段に対応しているかを確認しておくことが大切です。
費用対効果の確認
費用対効果の確認も必要です。メール決済サービス利用にあたっては、初期導入費用や運用コストはもちろん、取引ごとに決済手数料がかかってきます。まずはこれらのコストを正しく見積り、そのうえでサービス導入により見込まれるプラスの効果がコストを上回るかどうかを検討するとよいでしょう。
見込まれるプラスの効果は、代金の回収・管理にかかる時間や人件費の削減のように定量把握が比較的容易なものに限られません。回収漏れに繋がるヒューマンエラーの削減や担当者にかかる心理的負担の軽減など、人的要因に基づく効用についてもきちんと見極める必要があるでしょう。
メール決済以外でクレジットカード決済に使われる接続方式
クレジットカード決済においてユーザーと決済代行会社を繋ぐ接続方式は、メール決済以外にもいくつか存在し、特に「リンク決済」と「トークン決済」が主要な方式です。
それぞれの接続方式については、以下で詳しく解説しています。
■リンク決済(HTMLリンク方式・リンク型接続)
■トークン決済
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