経理業務のアウトソーシングの失敗例5選!成功を叶えるポイントを解説
経理の仕事は他部門から見ると、帳簿の記帳や旅費精算などの経費管理が主な仕事と思われがちです。しかし、経理とは経営管理を略したものになります。企業の経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を管理し、組織の現状や実績を決算書にまとめて経営層に伝える重要な役割です。
そのため、経理本来の役割は組織の目標達成を図ることとなります。経営層の意思決定をサポートする役割を担っており、健全な企業経営には欠かせない仕事といえるでしょう。
また、経理の仕事は決算時期に多忙を極めています。高度な専門知識を要し、担当範囲は広範に及ぶうえに高い集中力が求められる仕事でもあります。
このような経理部門の高い負荷を軽減するために、多くの企業は経理の仕事をアウトソーシングしています。しかし、注意深くアウトソーシングしないと思わぬ失敗が起きやすいことも事実です。
本記事では、経理の仕事をアウトソーシングする際に失敗しがちなことや注意すべき点などについて解説します。
経理業務とアウトソーシング
ここでは経理の業務内容とアウトソーシングできる業務について解説します。
経理業務とは
経理業務とは、会社経営に欠かせない利益や資産を稼ぎ出すためにお金の流れを可視化して管理することです。
会社は日々、さまざまな活動を行って利益を上げています。そして会社を運営するためには「どのくらい儲かっているのか」「どのくらいの資産を持っているのか」といったお金の流れを正確に把握することが不可欠です。お金の情報を必要とする立場の人に、タイムリーな情報提供をしていくことが経理業務の要と言えるでしょう。
経理業務は、日次業務・月次業務・年次業務の3つのサイクルに分けることができます。日次業務は日々の取引を数値化し記録すること、月次業務はその月に発生した売上や経費をまとめること、年次業務は主に決算書を作成することです。
アウトソーシングできる経理業務
経理業務のアウトソーシングを決めるには、ルーティンワークになっているかどうかが一つの判断基準となります。
アウトソーシングできる業務の一例としては、請求書の作成・管理、給与を含む経費の計算、資産管理、財務諸表のデータ入力、試算表や総勘定元帳作成などがあげられます。さらに難易度を上げると、売上債権の回収・督促、経営資料・決算報告書の作成などもアウトソーシング可能です。
ただし、経理業務のアウトソーシングを請け負う業者によって、引き受け範囲は異なるため注意しましょう。一部だけを依頼したいのか、経理業務全般を依頼したいのかによって業者を選ぶ必要があります。依頼内容によっては、アウトソーシング先からスタッフが派遣され、社内に常駐して広範な経理業務を行うこともあります。
経理業務のアウトソーシング失敗例5選
ここでは、経理業務のアウトソーシングで失敗しがちな例について解説します。
コスト削減につながらなかった
アウトソーシングの失敗で最も多いとされているのが、コスト削減できなかったというケースです。依頼したい業務内容や業務範囲が明確になっていないと、効率が悪くかえってコストが高くなるケースが散見されます。
経理業務の中には会社独自のルールで処理されるものも含まれるため、すぐには期待通りのレベルで対応できないケースも多いでしょう。逆に確認・修正に余計な工数が掛かり、コスト削減につながらないケースも多くみられます。
アウトソーシングをコスト削減につなげるためには、現場社員とアウトソーシング業者の間でコミュニケーションを十分に取る必要があります。お互いに業務内容・業務範囲を確認しやすい適切な環境を整える工夫が必要です。
対応に柔軟性がない
業者とアウトソーシングの契約を結ぶ際、依頼内容や業務の範囲を明確にしようとするあまり、細かい規定を含めた契約を結ぶことがあります。この場合に、契約書の記載事項以外のことには対応してもらえないといった問題が生じ、契約書内容以外の業務には別途費用がかかる場合もあります。
ルーティンワークを中心にアウトソーシングするとしても、イレギュラーなことは必ず発生するものです。契約書に書いていないことでも、例外的に対応してもらえる柔軟性が必要というお互いの認識が必要になります。
業者と契約を結ぶ際には「突発的な業務を依頼することはできるのか」「どのような業務であれば突発的に依頼できるのか」などについても、確認することをおすすめします。あわせて、柔軟な提案をしてくれる業者かどうかも見極めるべき重要なポイントです。
税理士・社労士とのコミュニケーション不足
経理業務をアウトソーシングする際には、自社とアウトソーシング先とのやりとりに加え、税理士・社労士を含めたコミュニケーションが発生します。自社とアウトソーシング先、税理士・社労士の間のコミュニケーションが不足すると、余計な工数を要する場合があります。
特に、アウトソーシング先と税理士・社労士とのコミュニケーションがうまくいかないことで、税理士事務所との情報共有に要する時間が増えてしまうでしょう。税理士・社労士との業務上の連絡は多くあるため、アウトソーシング先にも連携してもらい、コミュニケーション不足によるトラブル発生を防ぐことが大切になります。
お互いの認識の行き違いをなくし、情報共有の方法や業務の進め方を擦り合わせておきましょう。
経営方針や理念を理解してくれない
企業によるお金の使い方は、経営方針や理念によって異なります。経理業務をアウトソーシングする際には、委託先業者に自社の経営方針や理念を理解してもらうことが大切です。経理業務において、経営方針や理念の理解が不十分であることは重大なミスに繋がりかねません。
また、委託先業者においても企業の目指すべき未来像に沿ったフレキシブルな対応が望まれます。委託した業務を遂行するだけでなく、より良い経営のためのアイディアを提示してくれるアウトソーシング先を見つけることができれば、さらなる事業の発展につながることでしょう。
自社にノウハウが共有されにくい
経理業務の大部分をアウトソーシングする場合、社内で頭と労力を使って経理業務を行う機会が減少します。そのため、自社内にノウハウが共有されにくくなるでしょう。
経理業務のアウトソーシングが長期間続くと、経理人材の育成が立ちいかなくなる可能性が高くなります。また、経理に関する専門知識を持った人材の不足により、企業活動そのものが滞ってしまうことも考えられます。
アウトソーシングをする際には、自社の社員が経理業務のノウハウを学ぶ機会を保てるような環境作りを考える必要があるでしょう。社内でノウハウを共有するためには、会社の経理状況やお金の流れを把握している担当者を残し、そのうえで会社の課題に一緒になって取り組んでくれるアウトソーシング先を選ぶことが大切です。
経理業務アウトソーシングのメリットとデメリット
ここでは、経理業務アウトソーシングのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
経理業務をアウトソーシングする主なメリットを2点ご紹介します。
1つ目は、コア業務に集中できることです。企業にとっては、利益を生み出し事業目的を達成することが集中するべきコア業務です。業務をアウトソーシングすることで、社内の経理担当者はより重要な業務に集中することができるようになるでしょう。
2つ目は、経理業務が効率化・合理化されることです。アウトソーシングを請け負う業者は、それぞれの企業に合わせて最適な業務フローで行うため、正確性・生産性の高さが期待できます。特に、起業したばかりの会社などではアウトソーシングの活用が効果的です。経理人材が不足していても、安心してコア業務に集中することができます。
デメリット
次に、経理業務をアウトソーシングする主なデメリットを2点ご紹介します。
1つ目は、業務の説明や引き継ぎに手間がかかることです。社内で経理業務をすべて行っている場合、業務の属人化が目立ちます。業務手順がマニュアル化されていないことも多く、経理業務の引き継ぎがスムーズにいかない場合が多くみられます。担当者の手間が増加しないよう、業務マニュアル化の検討も必要です。また、経理業務はお金に関する業務であるため、レギュレーションなどの共有は余裕をもって進めるのがおすすめです。
2つ目はセキュリティ上のリスクがあることです。経理業務のアウトソーシングとは、社内のお金に関する秘匿性の高い情報を外部に持ち出すことを意味します。アウトソーシング先のセキュリティ体制が万全ではないと、思わぬところから情報が漏洩する可能性があるでしょう。アウトソーシング先を選ぶ際には、セキュリティ体制についてもしっかりと確認しておくことが大切です。
経理業務アウトソーシングを選定する際の3つのポイント
経理業務のアウトソーシング先を選定する際に押さえるべきポイントについて解説します。
アウトソーシングの目的の設定
「特定の担当者に業務が集中しているのを軽減したい」「人材不足を解消したい」「業務を効率化したい」など、アウトソーシングの目的を明確にすることが最初のステップです。まずは業務を洗い出して課題を顕在化することで「何を・どこまで・いつまで」アウトソーシングしたいのかを明確にしましょう。
目的の設定が難しければ、日次業務、月次業務、年次業務の中から優先度の高いものや、多くの工数を要するもの、高い専門性を要するものなどをピックアップするのもよいでしょう。
目的を明確に設定せずに経理業務を丸投げしてしまうと、成果物の定義が曖昧になるため、望むような効果は得られません。目的を社内とアウトソーシング先で共有できれば、スムーズな業務連携が期待できるでしょう。
経理業務の整理と可視化ができるか
経理業務をアウトソーシングする際には、ルーティーン化している業務フローや業務内容を再確認し、可視化しておくことが大切です。現在行っている作業を見直して可視化できれば、問題点や改善点が表面化し業務範囲や責任範囲も明らかになります。適切にアウトソーシングをするには業務の可視化が重要です。
また、経理業務はもともと属人化しやすいという特徴があります。担当者ごとに業務の手順や進め方、時間配分などが異なるため、非効率的な方法やミスが生じやすい進め方になっているケースも多くみられます。
まずは、経理業務を一つずつ整理して可視化することで、現状や全体像を把握しましょう。それにより、アウトソーシング先と共通認識を持つことが可能になります。
引き継ぎとコミュニケーションの問題はないか
経理業務には会社ごとに独自のやり方やルールがあり、アウトソーシング先と認識のずれが生じる場合があります。アウトソーシング先が滞りなく経理業務にあたれるようにするためには、社内ルールのマニュアル化が有効です。マニュアルを作成し、委託業務に抜け漏れのないようにしておきましょう。
また、業務委託後も適宜コミュニケーションを取り、業務に支障がでていないかの確認を忘れないことが大切です。
アウトソーシングでは、委託先を選定したら終わりではありません。業務内容や業務範囲について順調に進めているか、進捗はどうかなどのコミュニケーションを忘れないようにしましょう。アウトソーシング先の担当スタッフの理解は自社と共通しているか、担当スタッフのレスポンスはいいか、円滑に意思疎通ができるかなどは、押さえておきたいポイントです。
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