売掛金と売上の関係性とは?管理上の課題や効率化させる方法なども解説
企業は全ての取引を種類ごとに仕訳をして管理する必要があります。仕訳の基準は勘定科目と呼ばれる分類項目に従って決められており、資産、負債、純資産、収益、費用の5つに分類されています。このなかで、会社の収益に直結するのが資産に分類される「売掛金」と、収益に分類される「売上」です。
この2つは掛け売りや掛け取引を行う会社にとって、収入の状況を表すものとして会社運営上重要な役割を果たします。本記事では売上の概要、売上と売掛金の関係性、売掛金・売上金の管理などについて解説します。
売上とは
ここでは売上という言葉の意味を理解するために、売上の回収方法と利益・収益との違いについて解説します。
関連記事:「仕訳の科目「売上」とは?売上計上基準の種類や記帳方法も解説!」
売上の回収方法
取引先に商品やサービスを提供した時は、売上として帳簿に計上されます。計上する時期は、販売業は商品を提供した時点、サービス業はサービスの提供が完了した時点です。そして、売上を計上したら売上代金の回収を行います。回収方法は以下の3種類です。
・商品・サービスの引き渡しと同時に現金や小切手で代金を受け取る方法
・後日請求書を発行して代金を銀行に振り込んでもらうなどして受け取る方法
・事前に売上高となるべきお金を見越して前金や内金、手付けなどの名目で前受け金として受け取る方法
これからも分かるように、商品・サービスの引き渡し時期と代金の受取時期が同じこともあれば異なることもあります。
利益・収益との違い
企業の成長には、売上、利益、収益の3者をバランス良く伸ばすことが欠かせません。これらは混同しがちですが、定義が異なります。
まず、売上と利益の違いについて述べます。例えば原価が900円の商品を1,000円で販売した場合、会社は100円の儲けを得ます。つまり売上は1,000円、利益は100円です。売上は取引を通していくらで売ったのかを指し、利益は取引を通していくら儲けたのかを指すものです。
次に、売上と収益の違いについて述べます。収益はその会社が取引を通じて得た全ての収入を指します。例えば900円の商品を販売し、利息で100円を獲得し、合計で1,000円を獲得した場合、売上は900円、収益は1,000円です。つまり売上は収益の1つに含まれるものとして捉えることができます。
売上と売掛金の関係性
決算書を理解するためには、売上と売掛金の関連性を理解する必要があります。以下に売上と売掛金の違い、それに「売掛金残高が多い」とはどのような状態かを解説します。
売上と売掛金の違い
売上とは、取引先に商品やサービスを提供した見返りとして入ってくるお金を計上するための会計処理を指します。前述の通り、売上を計上するタイミングは業種によって異なりますが、大抵の場合は商品やサービスを提供した時点で計上します。
一方、売掛金とは、企業や個人事業主が商品やサービスを提供し、その対価として将来受け取る権利のことを指します。簡単にいうと、「まだ回収できていないお金」のことです。売上を計上してはいても、代金が支払われていない状態といえます。
継続的に取引を行う会社同士のやりとりにおいて、その都度代金を支払うのは非効率的です。そのため、後でまとめて支払うことを約束して商品の授受を先に済ませる掛け取引を行います。この際に発生するのが「売掛金」というわけです。
「売掛金残高が多い」が意味する状態
ある月の決算を評価する際、その月に計上した売上に対して売掛金残高が占める割合が高いと、不良債権を抱えていると思われる可能性が高くなります。不良債権とは、売上収入として帳簿に記されているもののその代金、すなわち売掛金の回収が難しいと判断された債権を指します。売掛債権というのは未だ入って来ていないお金を徴収する権利であり、債権者から代金が入金された後にようやく利益として計上するのが通常の流れです。
月の売上に対して売掛金の額が見合わないものになっているということは、回収が困難になっている売掛金債権があることになり、そのような売掛金の残高が高いと不良債権があると見なされます。企業が銀行などから融資を受ける際には決算書をチェックされますが、売上に対して売掛金残高が高いと決算書の評価が下がってしまう恐れがあります。
売掛金・売上金の管理について
売掛金や売上金を管理するにあたっては、管理上の課題と効率的な管理方法を検討する必要があります。以下にそれぞれについて解説します。
管理上の課題
掛け取引では、取引の売上を計上した時点で売掛金が発生し、後日取引先からその代金を回収するのが通常の流れです。売上金額と売掛金額が同じなら代金を回収した後の消し込み作業は容易ですが、売掛金を分割して回収するケースもあるため、売上計上と売掛金の回収が煩雑になる可能性があります。
例えば、大規模な開発事業を受託契約した場合などでは、売掛金回収と売上金計上を1対1で管理するのは現実的ではありません。このような場合では売掛金を分割して回収することになり、売掛金と売上金の管理が複雑になります。
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▼請求管理ロボで出力できる売掛金残高一覧表と売掛金年齢表の例
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