代金回収代行って何?利用するメリットとは?

経理

BtoBにおいて代金(売掛金)の回収は経営の健全性を保つうえで重要な業務です。代金回収が滞ってキャッシュフローが悪くなってしまうと様々な経営課題が生じてしまうため、確実に回収業務を行えていることが理想です。

しかし、代金回収は手間・コスト・時間を要する業務なため、時にはコア業務の業務効率や生産性を低下させてしまうといった課題があります。そこで、この記事では煩雑化しやすい代金回収業務を代行する「代金回収代行サービス」について、基本情報からメリットまで詳しくご紹介します。

代金回収の手段は債権額によって異なる

金銭や労務などの一定の行為や給付を請求できる権利を「債権」と呼び、債権を持っている人を「債権者」と呼びます。対して代金の支払い請求をされている人から見ると、支払いや引き渡しは権利ではなく義務です。これを「債務」と呼び、債務を負担する人を「債務者」と呼びます。

債権には様々な権利があり、代金を請求する権利、商品の引き渡しを請求する権利、一定の行為を制限するように要求する権利などがあります。今回解説するテーマの「代金回収代行サービス」に関わるのが「代金を請求する権利」、つまり取引で発生した売買代金や売掛金などの金銭債権を請求する権利です。債権回収を効率良く進めていくには、債権額の正確な把握が欠かせません。なぜならば、回収ができていない場合、以下に示すように債権額の大きさによって請求・回収の手段が異なるためです。

・債権が50万円未満の場合
債権が50万円未満の場合は訴訟を起こすと却って損をしてしまう場合がほとんどです。法的手段を取るよりも債務者との話し合いや、内容証明郵便による支払い請求などで穏便な解決を目指すことが最善策です。

・債権が50万円〜140万円未満の場合
50万円を超える債権で相手が支払いに応じない場合は、少額訴訟(60万円以下の債権の場合)や簡易裁判所での訴訟(140万円以下の債権の場合)といった法的手段を検討する必要があります。

・債権が140万円〜1000万円未満の場合
140万円以上の債権で債務者が支払いに応じない場合は、訴訟で債務者と争うことになります。この際、債務者の財産を確保するための申立などの諸手続きが発生します。

・債権が1000万円以上の場合
債権額が1000万円以上の場合、まず債務者の財産確保が優先されます。訴訟に備えていくことは当然のことながら、債務者が破産などの倒産処理手続きを申し立てた場合などの緊急的な対策に対する備えも必要です。

債権回収が少額の場合には訴訟費用が大きくなり損をすることになり、高額の場合には訴訟に備えるための時間と費用が発生してしまいます。未回収になる前に適切な方法で回収業務を行うことが最も重要ではありますが、債権管理の手間や費用を鑑みて自社ではなく「外部に債権管理業務を代行してもらう」ことも有効な手段です。

代金回収代行とは?


代金回収を含む債権管理業務が滞ってしまうと主業務に悪影響を及ぼしてしまいます。これは未回収の代金が増えるとキャッシュフローが悪化し、経営の健全性を保つことが難しくなってしまうためです。

しかし、代金回収業務は非常に手間のかかる業務であり、見落としやミスによって未回収が発生してしまうリスクがあります。そこでおすすめなのが「代金回収代行サービス」の利用です。代金回収業務を委託することで債権管理業務を大幅に効率化し、コスト削減や未回収リスクの低減につなげることが可能です。さらに、債権管理業務をスペシャリストに委託することによって、担当者は煩雑な業務から開放されてコア業務に注力することができるメリットがあります。

代金回収代行は特徴によって「集金代行」「ファクタリング」「決済代行」「債権保証サービス」に大別することができます。ここからは4つの代金回収代行の特徴について詳しくご紹介します。

集金代行

集金代行は主にBtoC取引に利用されている代金回収代行です。賃貸住宅の家賃など毎月毎といったように定期的に支払いが発生する商取引に用いられています。

こうした取引は請求先が膨大な数になることが多く、請求業務に時間と手間が必要になります。振込明細データを1件1件照合したり、その都度請求書を作成したりするのは業務効率が良いとは言えないでしょう。

そこで、集金代行を利用すれば、代行サービスによって請求された代金がまとめられて毎月決められた日に入金されます。手数料は発生するものの、請求業務にかかるコストや手間をカットして業務効率化を図ることが可能となります。

ファクタリング

ファクタリングは入金待ちの請求書を買い取ってもらい、決済日を待たずに現金を受け取ることができるサービスです。なお、請求書の買取金額は手数料を差し引かれた金額となるため、本来の取引で入金されるはずだった金額より少なくなってしまいます。

ファクタリングには、「最短で即日現金化が可能」「信用情報に悪影響を及ぼさない」「審査が銀行と比べると簡単」「担保なしで利用可能」などのメリットがあります。そのため、急きょ現金が必要になったり、融資が受けられなかったりした企業にとっては代金回収の手間を省いて現金を調達できる手段として活用されています。

決済代行

決済代行は、クレジットカード会社や電子マネー決済などの決済手段を提供する金融機関と、クレジットカード決済を導入したい加盟店を仲介する代行サービスです。複数の決済方法を導入することはBtoC・BtoB問わず重要なポイントであり、ユーザーの幅広い決済ニーズに応えられることから、ECサイトや店舗の売上をアップしたいといった場合にまず取り入れられる方法です。

複数のクレジットカードブランドや電子マネー決済はもちろんのこと、従来の口座振替やコンビニ収納代行など複数の決済方法から最適な決済方法を組み合わせて導入することが可能です。

債権保証サービス

取引先の倒産や資金難によって代金の貸し倒れや回収遅延が起こってしまった際に、契約に応じて回収予定額のすべてもしくはその一部について保証するものが債権保証サービスです。

サービスの種類は「取引信用保険」「保証ファクタリング」「個別債権保証」があり、費用とリターンでそれぞれにメリット・デメリットがあります。自社の経営方針や取引先の与信リスクなど、状況によって正しくサービスを選択することが重要です。

・取引信用保険
取引先の企業が倒産などの理由で代金の回収が難しくなった際、保険金によって回収不能になって生じた損害を補う保険です。取引信用保険は売掛金全体が対象とするのが基本です。

・保証ファクタリング
ファクタリング会社が貸し倒れや回収遅延による損害をカバーするものです。数社単位でまとめて契約を行うことが基本となります。

・個別債権保証
保証会社が貸し倒れや回収遅延による損害をカバーするものです。1社単位で契約が可能な場合が多いです。

代金回収代行サービスのメリット

代金回収代行サービスの様々なメリットの中から、ここでは回収業務のリスクと手間を低減できる点についてご紹介します。

未回収を抑えられる

代金の未回収が増えてしまうと、たとえ事業で利益を上げていたとしてもキャッシュフローの悪化が原因となり、黒字倒産を招くリスクが大きくなります。しかし、未回収のリスクばかりを心配していては積極的に顧客と取引ができず、売上を増やすことができません。

代行サービスとの契約内容によっては手数料を負担することで、代金が未回収になってしまったとしても代金の一部もしくは全額が保証されるケースもあります。したがって、自社で行うよりも回収業務を効率化できるうえに、未回収のリスクを大幅に低減して業務拡大に集中することが可能になります。

手間とコストを削減できる

BtoB取引は掛け払いが基本で、代金は後払いで決済されることがほとんどです。請求管理業務では期日までに入金がなかった際には取引への連絡・確認からはじまり、督促状の作成などの業務が発生し時間と手間を要してしまいます。しかし、代行サービスを利用すれば取引先への連絡から督促まですべて外部委託することが可能になり、一連の手間とコストを削減することが可能です。

また、管理業で最も時間を要する業務が与信管理です。与信管理は代金未回収を防ぐために欠かすことのできないプロセスですが、評価査定が難しいため時間を要するケースがほとんどです。代行サービスによっては煩雑な与信管理も外部委託することができます。これまで与信管理に要した時間と手間が削減されたことで、これまで社内の与信規程で取引できていなかった小規模事業者などとの取引を実現することができます。

代金回収代行サービスの選び方


現在、様々な企業が代行サービスを提供しており、多種多様な特徴をもったサービスの中から自社に最適なものを選択する必要があります。ここからは代行サービスを選ぶ際のポイント「金額」「サービス内容」「実績」について詳しく解説します。

金額

代行サービスを利用するあたり必要となるコストは、初期費用・基本料金・決済費用・請求書発行費用などです。これらの料金や手数料は代行サービスを活用するうえで最も重要なポイントと言っても良いでしょう。

利用料金は毎月固定の場合もあれば、件数あたりの変動性の場合もあるなど様々です。毎月決まった請求業務が発生しないのであれば、件数毎に料金・手数料が発生する従量課金制を提供しているサービスを利用しましょう。一方で、毎月数十件〜の請求業務を行っている場合は、毎月固定料金のサービスが最適な選択です。

サービスの内容

代行サービスを導入する際は、自社の経理業務の何をカバーするためにサービスを導入するのか、つまり自社のニーズを明らかにしておく必要があります。自社のニーズを掘り起こすことによって、ニーズに応じた業務範囲を取り扱う最適なサービスを選択することが可能になるのです。

例えば、経理担当者の生産性を向上させたい場合は、回収業務をはじめとして網羅的に請求管理業務を代行してくれるサービスが最適でしょう。代金が未回収になってしまうリスクを防ぐことが目的の場合は、保証が充実しているサービスを選択します。

実績

代行サービスの利用では、債権管理や与信管理など経営において重要な情報が外部に流出するリスクがあります。そこで、利用する代行サービスがどれだけの企業と取引しているかを示す事例などの実績が信頼の度合いを表し、セキュリティの良し悪しを判断する材料になります。

また、過去の取引実績や導入事例などの情報は実際にサービスを導入したときのイメージを具体化できますので、代行サービスを選ぶ際には必ず実績に関しては確認しておくことをおすすめします。

代金回収代行は「請求まるなげロボ」にお任せ!

代金回収代行サービスの活用は請求管理業務の手間からの開放のみならず、コスト削減やキャッシュフローの改善など様々なメリットがあります。代行サービスに請求管理業務を外部委託して得られるメリットを最大化したいのであれば、料金や手数料と共に、信頼と実績で代行サービスを選択することも重要です。

請求まるなげロボ」は、BtoB・企業間で取引されている企業様が対象の請求代行サービスです。
与信審査から、請求書の発行送付集金消込督促を代行することで請求業務というルーチンワークの負担から企業を解放します。
一般的に請求業務にかかるとされる、与信審査の25時間、請求書発行の14.4時間、請求書送付の7.4時間、入金消込の18.8時間、債権管理の10.8時間の計76.4時間をゼロにし、経理業務の効率化とコスト削減を達成できます。

また、システム利用については、与信審査を通過した請求はもちろん、与信審査に落ちた請求についても、同じ1つのプラットフォームで請求管理が行えます。同じフォーマットでの請求書発行や、クレジットカード決済など複数の決済手段も利用可能です(決済のご利用はオプションとなります)。
加えて、入金情報についても、ダッシュボードで取引先の滞納・未収金状況をリアルタイムで確認できます。メール開封履歴・入金履歴など各取引先の状況についても確認ができ、社内での情報共有もスムーズです。

これまで弊社は、決済代行業として20年以上にわたり、事業を行ってまいりました。その実績に基づき、弊社審査において適格債権と判断され、かつ与信通過した債権については、入金遅延・貸し倒れが起きた場合にも、売掛金を100%保証しております。
請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、企業間決済・代金回収のプロである株式会社ROBOT PAYMENTの「請求まるなげロボ」までお気軽にご相談ください。
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
  • 請求管理クラウドサービス「請求管理ロボ」
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