代金回収代行サービスとは?利用するメリットとは?

経理

BtoBにおいて代金(売掛金)の回収は経営の健全性を保つうえで重要な業務です。代金回収が滞ってキャッシュフローが悪くなってしまうと様々な経営課題が生じてしまうため、確実に回収業務を行えていることが理想です。

しかし、代金回収は手間・コスト・時間を要する業務なため、時にはコア業務の業務効率や生産性を低下させてしまうといった課題があります。そこで、この記事では煩雑化しやすい代金回収業務を代行する「代金回収代行サービス」について、基本情報からメリットまで詳しくご紹介します。

代金回収代行サービスとは

代金回収代行サービスとは、製品・サービスの提供企業とその取引先の間に介在して、毎月の代金回収を代行するサービスのことを指します。

通常、企業間では後払い決済である与信取引が交わされるため、資金繰りの悪化に繋がる未回収リスクが常に伴います。そこで未回収リスクの回避・低減に欠かせないのが債権管理です。

与信調査に始まり請求・代金の回収、さらには未収時の督促まで、代金回収の全プロセスを滞りなく管理していくことはとても手間がかかります。また、取引先の増加や製品・サービスの変更などで作業量が増えればミスが起きやすくなります。

代金回収代行サービスは、債権管理の現場で生じがちなこのような課題の解決を図るものとして登場してきました。

代金回収代行サービスの種類

代金回収代行サービスは、特徴によって「集金代行」「ファクタリング」「決済代行」「債権保証サービス」に大別することができます。
ここからは4つの代金回収代行サービスの特徴について詳しくご紹介します。

集金代行

集金代行は主にBtoC取引に利用されている代金回収代行です。賃貸住宅の家賃など毎月毎といったように定期的に支払いが発生する商取引に用いられています。

こうした取引は請求先が膨大な数になることが多く、請求業務に時間と手間が必要になります。振込明細データを1件1件照合したり、その都度請求書を作成したりするのは業務効率が良いとは言えないでしょう。

そこで、集金代行を利用すれば、代行サービスによって請求された代金がまとめられて毎月決められた日に入金されます。手数料は発生するものの、請求業務にかかるコストや手間をカットして業務効率化を図ることが可能となります。

ファクタリング

ファクタリングは入金待ちの請求書を買い取ってもらい、決済日を待たずに現金を受け取ることができるサービスです。なお、請求書の買取金額は手数料を差し引かれた金額となるため、本来の取引で入金されるはずだった金額より少なくなってしまいます。

ファクタリングには、「最短で即日現金化が可能」「信用情報に悪影響を及ぼさない」「審査が銀行と比べると簡単」「担保なしで利用可能」などのメリットがあります。そのため、急きょ現金が必要になったり、融資が受けられなかったりした企業にとっては代金回収の手間を省いて現金を調達できる手段として活用されています。

決済代行

決済代行は、クレジットカード会社や電子マネー決済などの決済手段を提供する金融機関と、クレジットカード決済を導入したい加盟店を仲介する代行サービスです。複数の決済方法を導入することはBtoC・BtoB問わず重要なポイントであり、ユーザーの幅広い決済ニーズに応えられることから、ECサイトや店舗の売上をアップしたいといった場合にまず取り入れられる方法です。

複数のクレジットカードブランドや電子マネー決済はもちろんのこと、従来の口座振替やコンビニ収納代行など複数の決済方法から最適な決済方法を組み合わせて導入することが可能です。

債権保証サービス

取引先の倒産や資金難によって代金の貸し倒れや回収遅延が起こってしまった際に、契約に応じて回収予定額のすべてもしくはその一部について保証するものが債権保証サービスです。

サービスの種類は「取引信用保険」「保証ファクタリング」「個別債権保証」があり、費用とリターンでそれぞれにメリット・デメリットがあります。自社の経営方針や取引先の与信リスクなど、状況によって正しくサービスを選択することが重要です。

・取引信用保険
取引先の企業が倒産などの理由で代金の回収が難しくなった際、保険金によって回収不能になって生じた損害を補う保険です。取引信用保険は売掛金全体が対象とするのが基本です。

・保証ファクタリング
ファクタリング会社が貸し倒れや回収遅延による損害をカバーするものです。数社単位でまとめて契約を行うことが基本となります。

・個別債権保証
保証会社が貸し倒れや回収遅延による損害をカバーするものです。1社単位で契約が可能な場合が多いです。

代金回収代行サービスのメリット

代金回収代行サービスを導入する主なメリットは、「集金コストを削減できる」「回収率を高くできる」「業務効率の向上が見込める」「サービスの品質向上が図れる」という4つです。
以下で詳しくみていきましょう。

集金コストを削減できる

集金は収益確定の根幹をなすもので、経営の安定化に向けて欠かせない業務の1つです。代金回収サービスに集金業務をアウトソース化すれば、請求書発行から債権回収までに要していた事務作業の手間と時間を省くことができます。

たとえば、口座振替による集金サービスを利用すれば、何件でも1度にまとめて回収できるので、手数料にかかるコストを抑えられます。また、振替結果の通知により回収ステータスが一目瞭然になるので集金管理事務の効率化が図れますし、効果的なキャッシュフロー予測も可能になります。

回収率を高くできる

企業間取引では、取引先の倒産によって代金回収が不可能になると自社の資金繰りが滞り、黒字倒産する危険があります。そのため、企業は未回収リスクにより新規顧客の開拓に思い切って踏み切れないといった課題を抱えています。

しかし、代金回収代行サービスを導入することで、未回収案件の督促を含めた回収業務を任せることができます。また、契約内容に応じた手数料を負担することで、未回収が発生した時であっても代金の一部または全額の支払いが保証されます。

結果として、自社で行うよりも回収率を高くすることができ、未回収リスクを気にせずに取引先を拡大できます。

業務効率の向上が見込める

代金回収代行サービスを導入すれば、確実な代金回収に欠かせない債権管理を丸ごとアウトソーシングできるので、業務効率の向上が見込めます。

未回収リスクの低減に欠かせない与信管理では、新規取引先に対する与信評価のさじ加減が難しく、時間がかかる作業です。しかし、代金回収代行サービスを活用すれば、これまで難しかった個人事業者などの小規模事業者を新たな取引先にしやすくなるだけでなく、販売機会を捉えた迅速かつ無駄のない取引が期待できます。さらに、重要度が高い一方で手間がかかりがちな、既存取引先に関する定期的な与信の再評価を任せることもできるでしょう。

また、請求業務では、支払い期日ごとの入金確認や未回収時の督促など、煩雑化しやすく手間と時間、さらには神経を使うフローが続くことになります。そして、取引先の増加に比例して、こうした作業量もまた増大していくことになります。

請求業務を代金回収代行サービスに委ねれば、手間のかかるこうした作業をすべて代行してもらうことができます。月末の請求業務のプレッシャーから担当者を解放し、本業への注力を促すことが可能になるでしょう。そして、債権管理全体の業務効率が上がるだけでなく、手間や費用がかからなくなることによるコストダウンも見込めるので、生産性の向上が見込めます。

サービスの品質向上が図れる

オンラインビジネスの発達もあり、顧客の決済手段に関するニーズは多様化傾向にあります。これまでのように銀行振込に限るのではなく、口座振替やクレジットカード決済など、複数の決済手段を設定することが欠かせません。

企業間取引は、後払い方式である掛け取引によるのが一般的であり、決済手段の拡充は業務量とコストの増大を招くことにもなるでしょう。こうした対応は、社内リソースが潤沢でない企業にとっては簡単なことではありません。

そこで代金回収代行サービスを活用すれば、複数の決済方法への一括対応が可能になります。債権管理にかかる業務の効率化を図れるだけでなく、コア業務へ集中できる環境を創出することで顧客対応の品質を向上させる取り組みにも着手できるようになります。

代金回収サービスを利用する際の注意点

代金回収サービスの見極めのポイントはいくつかありますが、特に以下にご紹介する3点は導入前にチェックしておきましょう。

導入目的を明確にする

まずは、代金回収代行サービスを導入する目的を明確にしましょう。
導入目的に適ったサービスに依頼することではじめて、代金回収の効果を最大化することができます。

たとえば、煩雑になりやすい請求業務を代行したいのであれば、請求に要する手間と時間の削減が見込める集金代行サービスが適しています。

一方、早期の資金調達を図りたい時には、売掛債権の売却により即時にキャッシュが得られる買取型のファクタリング、未回収リスクを防ぐことを優先するのであれば、回収保証型のファクタリングの利用が考えられるでしょう。

決済手段の充実化により顧客の利便性向上と未回収リスクの低減を狙うのであれば、与信管理業務の代行も担う代金回収サービスの活用が有効です。

ただし、実際に導入してみないとどのような効果が得られるのかが分かりづらいものです。そのようなときには、同業種や自社と似た課題を抱える企業の導入事例などを参考にしましょう。

コストを確認する

代金回収代行サービスを利用するあたり必要となるコストは、初期費用・基本料金・決済費用・請求書発行費用などです。これらの料金や手数料は代金回収代行サービスを活用するうえで最も重要なポイントと言っても良いでしょう。

利用料金は毎月固定の場合もあれば、件数あたりの変動性の場合もあるなど様々です。毎月決まった請求業務が発生しないのであれば、件数ごとに料金・手数料が発生する従量課金制を提供しているサービスを利用しましょう。
一方で、毎月数十件〜の請求業務を行っている場合は、毎月固定料金のサービスが最適な選択です。

決済手段を確認する

代金回収代行サービスの種類によって扱っている決済手段は異なります。

集金代行やファクタリングサービスの多くが口座振替を決済手段とするのに対して、代金回収代行サービスは口座振替以外にもクレジットカード決済や各種電子マネー決済など、幅広い決済方法に対応しています。

決済手段に対する顧客ニーズの多様化への対応が、代金回収業務の効率化と販路拡大のチャンスを生むことに繋がります。自社の代金回収サービスの導入目的と決済手段に対する顧客のニーズに応じて、サービスがふさわしい決済手段を展開しているか確認しておきましょう。

良質な代金回収代行サービスを見分けるポイント

ここからは、良質な代金回収代行サービスを見分けるポイントをご紹介します。

手続きのしやすさ

代金回収代行サービスは言うまでもなく継続して利用していくものですから、費用ばかり安くても、毎月の業務負担が軽くならなければサービスを導入しても意味がありません。そこで、価格以上に重要なのが手続きのしやすさであると言えるでしょう。

難しく時間がかかる与信評価、煩雑化しやすい請求業務、さらには顧客ニーズに対応した多様な決済作業まで、代金回収に関わる手続きを1つのソフトで完結することができるサービスが好ましいでしょう。

システムの扱いやすさ

口座振替手続きでは請求データの作成や送信が必要ですが、こうした振替作業用のシステムがサービス側で整えられているかを確認しましょう。また、管理画面をはじめとするUIの洗練度、サポート体制の対応や充実度なども扱いやすさに直結しますから、導入前に比較検討しておくのがおすすめです。

セキュリティ対策

自社の信用力低下に繋がる情報漏洩のリスク回避の観点からは、セキュリティ対策がきちんと施されたサービスを選択することがとても大切です。

国際セキュリティ基準であるPCIDSSやISMSへの準拠はもちろんのこと、サービスが日頃から行っているセキュリティ対策の内容や、システムをメンテナンスする頻度なども調べておくとよいでしょう。導入実績を参考に、個人情報の管理が徹底されているかを見ておくこともおすすめです。

実績の有無

利用する代金回収代行サービスがどれだけの企業と取引しているかを示す事例などの実績が信頼の度合いを表し、セキュリティ面に関しても良し悪しを判断する材料になります。

また、過去の取引実績や導入事例などの情報は、実際にサービスを導入したときのイメージを具体化するのに有用です。代金回収代行サービスを選ぶ際には必ず実績について確認しておくことをおすすめします。

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これまで弊社は、決済代行業として20年以上にわたり、事業を行ってまいりました。その実績に基づき、弊社審査において適格債権と判断され、かつ与信通過した債権については、入金遅延・貸し倒れが起きた場合にも、売掛金を100%保証しております。
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※一部サービス提供元の運営記事です/PR
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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