【BtoB事業者必見!売掛金の回収について】料金回収方法を見直しで、約400万円の未入金を利益に変えた話
未入金が及ぼす会社への影響
サービス提供の対価としての料金を、自社では一体どの程度回収できているか、その数字を正確に把握できている方はどれくらいいるでしょうか?
企業間の取引などで発生する売掛金に対して、顧客から期日内に入金が無かった場合、それは未入金としてカウントされ、支払いが行われない限り、利益に結び付くことは永久にありません。たとえ企業が売上を伸ばしたとしても、その代金の回収率が悪ければ、利益は目減りし成果の足を引っ張ります。深刻な場合には、安全性の面で自社の評価を下げてしまい、必要な時に金融機関から融資を受けられないといったことにもつながるばかりか、資金繰りができずに倒産という最悪のケースに至る場合もあります。
業種によるものの、一般的には、売上の6%程度が未入金として残ると言われています。6%という数字は少なく感じますが、売上を毎月1,000万円と仮定すれば、そのうち約60万円が回収できない売上として毎月発生し、計算上では年間720万円もの損失を被っていることになるのです。
加えて、未入金を回収するための催促の作業なども現場担当者の負担になっており、下記のような不満が募り、労働環境を低下させる要因ともなっております。
「期限内に支払うべきものなのに、なぜ支払ってもらえないのか」
「督促しなくてはいけないが、手が回らない」
「毎日の消込作業がもっと楽にならないものか」
決済代行業者である当社ROBOT PAYMENTも、過去に同様の悩みを抱えていました。2016年度平均の未入金は売上の7.2%にのぼり、相場よりも多くの未入金を抱えている状態にありました。そこで、未入金の削減に取り組むことで、売掛金の回収率を5%近く改善し、業務負担を軽減することができました。今回は、未入金を防ぎたい経営層の方、および実務にまつわる悩みを抱く経理担当者の方に向け、当社が実践した改善プロセスをご紹介することで、料金回収の改善における一助になればと考えております。
未入金を防ぐために実践した3つの施策
➀料金回収フローの見直し
まず当社は、自社の料金回収フローが効果的・効率的に行われているか、改めて料金回収プロセスとそのタイミングについて洗い出し、見直してみることにしました。
・現状の料金回収業務フロー
明細発行→期限前通知メール→期限超過通知メール→督促メール→督促状→督促電話リスト→督促電話→強制解約→未払金催告状→デフォルト
・督促手段
電話連絡、メール連絡、通常郵便、内容証明郵便、訪問、法的手続
一通りの業務洗い出しの結果、料金回収フロー自体は他社と比較しても不備は見当たらず、業務の流れそのものに問題は無さそうに思われました。一方で、当社の未入金状況を考えると、まだまだ改善の余地があることは明白です。そこで、さらに調査を進めていったところ、未入金対応のタイミングが明確に定められていなかったことと、顧客が支払いに利用する決済手段が少ないことに要因がありそうだということがわかってきました。
➁未入金対応の迅速化
どのような督促手段をとるにせよ、売掛金の回収は期限を過ぎたら即座に行動することが第一原則であると言われています。通知が遅れれば遅れるほど、回収は難しくなり、目に見えて回収率が下がることを防ぐためです。
当社も迅速な連絡の重要性は認識していながら、期日切れ通知や督促が遅れがちになっていました。連絡が遅れた債権に限定して調査をすると、未入金の回収率は1%程度しかなかったことが明らかになりました。実際、過去にデフォルトになった数十店舗へ1年以上経過してから督促状を送ったことがありましたが、宛所無しで大量に戻ってきたり、そもそも契約を結んでいないといった認識相違が発生する始末です。結果的に未入金対策の中で最も効果的だったのは、各種料金回収業務の実施スケジュールを明確に定め、マニュアル通りに行動に移すというとてもシンプルなものでした。
図:料金回収スケジュール(当社マニュアルより一部抜粋
上記のマニュアルでは、メール⇒督促状(郵送)⇒未払金催告状(郵送)というフローを期限超過月数ごとに繰り返し行っています。メールをいちいち確認しないという顧客もいることを考慮して、連絡手段を毎回変えているところも工夫したポイントです。また、複数回督促をすることで、顧客に支払い義務の意識を持っていただくことにもつながっています。
決済手段(支払い方法)の拡充
決済手段別に顧客からの入金率を算出してみると、期限超過した売掛金は、そのほとんどが銀行振込(請求書払い)であることがわかりました。
図:決済手段別期日内入金率
今ではインターネットバンキングも普及していますが、従来の方法で銀行振込を行うには、振込先情報を控え、営業時間内に金融機関やATMに足を運び、時には順番待ちをし、画面操作をして、ようやく完了となります。滞納分を支払う場合には、会社の規定により個別で稟議が必要となるかもしれません。インターネットバンキングなど負担が軽いものについても、支払側がスケジュールを管理する必要があるため、振込忘れが発生する余地は残されてしまいます。こうした小さな負担の積み重ねが支払いに対する障害となり、入金が滞る大きな要因になるのです。
また、入金を確認する経理担当者にとっても、銀行振込は「誤った金額を入金されてしまったため、支払者へ連絡を取り、再請求や返金をしなければいけない」「振込人名義が顧客データに無く、誰からの入金か分からず処理ができない」といった、手間の掛かる作業が発生しています。
当社では、新たにご契約いただいた顧客への請求について、従来の口座振替払いに加え、クレジットカード払いを開始することにしました。とりわけ、同じ顧客に繰り返し請求を行う場合には、クレジットカード・口座振替によるお支払いを必ずお勧めするようオペレーションを徹底しています。そして銀行振込をしている既存顧客に対しては、支払方法の切り替えを行うよう、改めて案内を行いました。「切り替えが楽。」「手数料負担が無い。」「窓口に行く手間が無い。」「カードのポイントが付く」といったメリットを交えて、定期的に案内をした結果、クレジットカード決済への切り替えを検討してくださるお客様が多くいらっしゃいました。
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決済連動型請求管理クラウド「請求管理ロボ」
未入金削減プロジェクトを通しての変化
こまめな連絡を通じて顧客とのリレーションシップを高め、決済手段を増やして支払いの利便性を向上させた結果、当初7.2%あった未入金は現在2.4%程度にまで削減することができました。当社の事業規模を考えると、金額にして年間400万円程度の利益が自社にもたらされたことになります。
➁未入金対応迅速化の成果
料金回収フローを見直して督促のタイミングを早め、かつ、連絡回数を増やしたことで、請求先のリアクションが良くなった手応えを感じています。未入金対応の迅速化を通じてわかったことは、意図的に支払いを逃れようとする顧客は稀で、そもそも請求が発生していることを認識していないケースがほとんどであるということです。認識されていなかった理由としては、単純に支払を忘れていた、経理担当者が代わって支払いの引継ぎがされていなかった、請求書が届いていなかった、などが主だったものになります。
結論、期日を超過した未入金への対応は基本に忠実であるのが一番です。すぐに通知すれば支払ってもらえたものを、対応が遅くなったことで支払う機会を逃してしまう、といったことにならないため、また、速やかに支払わなくてはいけないという意識を持ってもらうためにも、期限超過後はタイミング良く、催促手段を変えて、複数回に渡ってコンタクトをとることが大切です。
図: 入金期日を超過した顧客へ自動通知
※請求管理ロボ:自動通知メールの詳細設定機能
➂決済手段(支払い方法)拡充の成果
顧客からの支払いはなるべく双方ストレスのかからない方法を選択しましょう。入金までのアクションを支払者に委ねるか、請求側で行うかの違いは、回収率の差に如実に表れてきます。
現在当社では、クレジットカード決済での集金を取り入れたおかげで、一部のエラーを除く95%以上の請求を入金期日通りに回収できています。また、クレジットカード払い・口座振替払いに切替えた分だけ、入金消込作業の負担も削減することができました。また、クレジットカード払いと口座振替払いは共に高い回収率を誇りますが、下記3つの使い勝手の良さから、特にクレジットカード払いがおすすめです。
・回収率が高く、他の決済手段に比べ、請求・管理に手が掛からない。
・支払者にとってもメリットが多く、切替えを検討してもらいやすい。
・請求タイミングに制限がなく、かつ速やかに請求ができる。
クレジットカード決済の利用には3~5%ほどの手数料負担が発生します。しかし銀行振込のために回収不能となる売掛金や督促対応に掛かっていたコスト、クレジットカード導入による利用者の増加などを鑑みれば、補って余るメリットを享受できることでしょう。
図:多岐に渡る決済手段も、一つの画面で集約管理
※請求管理ロボ:複数決済管理機能
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加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。
なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに700社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。