どう違うの?約束手形と為替手形
「手形」とは、未来の特定の日に特定の金額を支払う旨を約束した有価証券のこと。この手形を使った取引には、約束手形と為替手形の2つがあります。日常生活では見ることの少ないこの2種類の手形について解説します。
そもそも手形ってどんなもの?
手形とは、小切手と同様にお金に代わる働きをします。支払いサイトの長い仕事で使われることが多いので、例として建物を建てた場合で考えてみましょう。建物の建築には数ヶ月〜数年の時間が必要ですが、そもそも建物を建てるためには材木などが必要になります。ただ、施工主からの支払いが建物完成後の場合、施工開始時にはお金が手元にないことになりますね。そういった場合に、施工主からの入金日以後に支払う約束手形を発行するのです。
このように、約束手形は「今はお金がないけれど、近い将来に相応の入金があってから支払いができる」という場合に使われます。約束手形は下記のような扱いやすさがあります。
- ・大きな金額でも1枚の紙で済むので持ち運びに便利
- ・お金を数える必要がないので支払う人も受け取る人も手間が省ける
- ・紛失や盗難などあった場合にも被害を免れやすい
- ・銀行が窓口となって決済されるので、記録が残り経理処理が楽
現金のように数え間違えたりすることがないことから、約束手形は便利なシステムだといえるでしょう。
手形取引のメリットとデメリットを知ろう
利用したことがない人には、お金の代わりになる約束手形の利便性やリスクなどわかりにくいかもしれません。むしろ、約束手形というと「不渡手形で倒産」というドラマのようなフレーズがピンとくるのではないでしょうか。では、約束手形で取引をする際のメリットとデメリットは何でしょうか。
メリット
- ・資金コントロールがしやすい
- ・支払いまでの期間が長くても金利がかからない
- ・銀行の与信通過という社会的信用
約束手形の振出しをすると、支払期日を延ばすことができるので、時間の猶予が与えられます。入金と支払の時間的差異を調整、資金繰りのコントロールをできるのが大きなメリットです。支払いサイトを約束手形で延ばせない場合には、融資を受けて支払いにあてることになるでしょう。そうなると、支払利息を払わなければなりませんが、約束手形には金利がかかりません。
また、約束手形を発行するには銀行の与信がとれなければできないので、審査に通ったという社会的信用も増します。
デメリット
- ・不渡りを出すと、その後の銀行取引や融資に大きな影響がでる
- ・印紙税がかかる
約束手形を振り出す最大のリスクは支払期日に手形通りの支払ができないこと、つまり不渡りを出すことです。一度不渡りを出すと、手形交換所の規則に基づいて「不渡り処分」を受けます。すべての金融機関に通知され、6か月以内に2回目の不渡りを出すと銀行取引停止、当座預金取引と融資が2年間受けられなくなり、事実上の倒産となります。
また、約束手形は額面金額に応じて印紙代がかかります。金額が大きかったり、約束手形の枚数が増えたりすると印紙税がかさむことになります。
約束手形と為替手形の違いとは
約束手形と為替手形の違いは登場人物が2人か3人かの違いです。約束手形が払う人と受け取る人の2人の取引であるのに対して、為替手形は払う人、払うことを指図する人、受け取る人の3人が登場します。これは、簿記の3級の問題で出てくるのですが、実は一番難解で苦労する人が多い項目です。
例えば、ABCの3人の間で個別にそれぞれ取引がある場合に、AはBから受け取ったお金をCに払うことになっていたとします。Bを飛ばしてAからCに直接お金を移動してもらえることが資金の流れ的には効率がいいです。そのため、BはAに指示をしてCに代わりに払ってもらうという手形を発行することにしました。この場合の手形が為替手形です。
為替手形は商業取引では使われることは少なく、輸出入や資金の取立てで使われることが多いようです。為替手形は銀行を介しますし、手形交換所や不渡りなど起きた時の社会的責任も重く、請求書を何回も送付したり、資金回収ができなくて困ったりするといった当事者同士の話ではすまなくなります。
請求業務の効率化は「請求管理ロボ」にお任せ!
「請求管理ロボ」は、毎月の請求業務を最大80%削減する請求管理・債権管理システムです。請求書の発行や送付、集金、消込、催促などの売掛金管理を全て自動化し、人的作業を減らしてミスを防ぐとともに、経理業務の効率化を実現します。
加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。
なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに700社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。