入金消込をエクセルで管理する方法とは?自動化についても解説します!
企業間の取引では、商品やサービスの提供と同時に取引先から直接代金を回収するというパターンはあまりなく、掛取引が一般的です。入金消込は、掛取引で発生した売掛金をはじめとした債権の残高を、入金履歴を確認したうえで消去していく作業のことを指します。
この一連の作業は企業が安定したキャッシュフローを得るために非常に重要な役割を果たしますが、事業規模が拡大して取引先が多くなると管理が煩雑になりがちです。また、請求期日通りに支払いが行われない、支払い金額が間違っている、同じ金額の売掛金が存在していて紛らわしいなど、イレギュラーな事態にも対応しなければなりません。入金消込の遅延は、月次決算の締めが遅延してしまう要因ともなるため、手作業で遂行するには骨の折れる作業のひとつです。
そこで、この記事ではエクセルで入金消込を管理する方法や、システムを導入して自動化する方法と導入のポイントなどを解説します。消込業務にこれ以上リソースを割けない、ヒューマンエラーをなくしたいとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
入金消込で負担の大きい作業とは
最初に、入金消込を行うにあたってどのような部分で負担がかかってしまうのか確認してみましょう。
目視による照合作業
取引先からの入金確認が取れたら売掛金を照合して消込の作業に入りますが、このプロセスを目視で行うのは非常に手間がかかります。取引内容が月に数件程度であれば業務を圧迫するほどの負担にはなりませんが、数十件・数百件と企業の規模が拡大すればするほど作業量は膨大になっていきます。
さらに手作業による照合は、ヒューマンエラーのリスクと常に隣り合わせの状況です。ミスを起こさないように何度も確認作業を行う必要があり、効率良く業務がこなせないばかりか担当者の精神的な負担も大きい作業です。
エクセルなどへの転記作業
入金消込をエクセルで管理している場合は、転記する工程を踏まなければなりません。取引で利用している通帳やネットバンクなどの入金明細を用意し、入金日・入金名義・入金金額などの情報を細かく確認しながら入力する必要があります。売上伝票や明細ごとに細かくシートを分けて管理している企業の場合、さらに業務フローが増えてしまうでしょう。
こちらも入力ミスや漏れがないよう、1件ずつ丁寧にこなさなければならないため非効率な作業になりがちです。
手入力での入金伝票登録
伝票処理を手作業で行っていることも、入金消込を効率化できない一因です。伝票の登録作業自体は、数が多くなければそれほど大きな負担ではありません。しかし、取引数が増えるのに比例して他の作業に費やすべき時間が圧迫されてしまうと、伝票処理に充てる時間の削減を検討しなければならないでしょう。
手作業による入金消込は負担となるだけでなく、管理が行き届かずミスに繋がるという恐れもあります。入金消込にミスが生じると、売掛金の回収ができなくなるばかりか、自社の信用を失う可能性もありますので、大きな損失が出る前に早めに手を打たなければなりません。
エクセルをはじめとした入金消込を自動化する方法
ここからは、エクセルを用いて入金消込を自動化する方法や会計ソフト、自動化サービスなどを活用する方法についてご紹介します。
エクセルの関数を活用する
エクセルの関数を利用した自動化は最も一般的な方法です。関数は特定の条件や値を求めるための計算式のことで、セルに関数を入力することで自動的に計算してくれます。以下では経理業務で用いる基本の関数を3つご紹介します。
・SUM、SUMIF
指定したセルの範囲内の合計値を算出し、数値の合計を確認する時や売掛金の残高を算出する時など、最も使用頻度の高い関数です。SUMIFの場合は、ある特定の条件下でのみ計算が行われるよう、範囲や条件を指定できます。
・VLOOKUP
特定の条件に該当するものを指定した範囲からピックアップするための関数です。実際の業務ではバラバラに管理している情報を企業名や請求番号などの値を基準にしてデータを取り出して、1つのテーブルやシートにまとめることができます。
・IF
設定した条件を満たしているかどうかで表示させる値を変化させたい場合に用います。式には値が真の場合、偽の場合と2つの条件を指定します。他の関数と組み合わせて用いられることも多く、例えば範囲や条件を付与するCOUNTIFという関数と同時に使った場合、「表Aに記載があれば表Bに○と表示する」といった処理ができるようになります。
エクセルのマクロ機能を活用する
業務では入金済みと未入金の取引内容の差別化を図るために色分けをしたり、特定のデータを抽出したりする作業が発生します。これらの作業は毎回発生する作業であり、アナログで行うと非常に時間がかかってしまいますが、「マクロ機能」を活用することで作業時間の削減が図れます。
マクロとは、エクセルで生じた作業を記録して作業を自動的に実行させる機能です。記録したい作業を一度行うだけで記録が完了するので、複雑な動作でなければ専門的な知識は必要ありません。
また、シート上にボタンを配置し、そのボタンを押すだけで記録された動作処理を実行することも可能です。この機能を組み込むと、入金と取引先の突き合わせや名義の一括変更など、幅広い工程を自動化できます。
会計ソフトの機能を活用する
会計ソフトは帳簿を電子化したもので、必要な項目を条件ごとに呼び出したり、計算したりといった会計に必要な機能を持つソフトです。自動で勘定科目を選んで仕訳を行ってくれるため、企業の財務状況が常にスムーズに把握できます。
会計ソフトの中には、入金消込がオプションとして利用できるものが多くあり、消込用のデータを転記する必要がなくコストも抑えられるというメリットがあります。しかし、あくまでオプションサービスであり、メインの作業領域ではないため入金消込に特化した自動化システムほどの効率化はできない場合があります。
決済代行サービスに業務を委託する
決済代行サービス(掛け払い決済)に委託するというのもひとつの方法です。請求金額の支払い先が代行サービスの業者になるため、取引先からの入金状況の確認の手間が省けるうえに、取引内容と入金の照合作業に時間を取られることもありません。
また、取引先からの支払い方法に制限をかけることなく銀行振込やカード決済などさまざまな決済方法に対応できます。
自動化システムを導入する
自動化システムは、入金の確認や複雑な照合作業を自動でこなし、精度の高い消込を実現してくれるシステムです。消込作業だけでなく、請求から売掛金の回収までをサポートしてくれるシステムも多く、多様な選択肢から選べるのがメリットです。
導入コストは掛かりますが、自社内に新たにサーバーを設置しシステムを構築するタイプよりも、クラウド型のサービスを導入すればコストを抑えられます。
入金消込を自動化するメリット
ここでは、入金消込を自動化した場合のメリットとしてどのような点が挙げられるのかを解説します。
柔軟な決済方法に対応できる
決済代行サービスや自動化システムを導入した場合、決済方法の選択肢が豊富で自由度が高いというのが大きな利点です。複数の企業や機関と契約をしてそれぞれの入金管理する手間がなく、1つの画面にリアルタイムで情報が反映されるサービスやシステムであれば、スムーズに入金状況を確認できます。
また、決済方法の選択肢が広がるということは、希望する決済方法がないために取引ができずにいた顧客とも契約できるチャンスが生まれるということです。売上アップを図ることもできるため、これは企業にとって大きなメリットとなります。
人的ミスを削減できる
自動化システムは、入金情報を金融機関やカード会社から直接取得して自動で照合と消込の作業を行います。見間違いや思い込み、打ち込みミスなど手作業ではどうしても発生してしまうヒューマンエラーを引き起こす心配がありません。
人的ミスが自動化によって解消されれば、ミスを訂正するための工数が削減できるだけでなく、社員を「ミスをしてはならない」というプレッシャーから解放できます。
業務の属人化を防げる
入金消込に限ったことではありませんが、経理の業務は覚えることが多いうえに、イレギュラーが発生した際の対応方法も把握しておかなければなりません。業務の性質上、経験豊富な社員でなければ対応が難しい場面も多く、特定の社員だけに大きな負担がのしかかります。また、業務に追われる状況下では、引き継ぎのための十分な時間が確保できず、いつまでも業務量の平準化が行えません。
しかし、入金消込を自動化すればこれらの問題は解消します。ベテラン社員が不在の時でも毎月滞りなく業務が遂行できるため、他の社員に知識がなく処理を保留にしたり、ミスを引き起こしたりといったことがなくなります。
健全なキャッシュフローを構築できる
入金や売掛金が正確に把握でき、二重請求や請求漏れといったミスを防止できます。また、取引内容が可視化されることで、企業の経営状況や収支の流れのスムーズな把握が可能です。これらのデータを営業部門にも共有すれば、取引先へ取るべきアプローチも明確になり、効率的にフォローを行えるといったメリットもあります。
最終的には健全なキャッシュフローの構築に繋がり、安定した経営が行えます。
入金消込を自動化する際のポイント
ここからは、入金消込を自動化するシステムやサービスを導入する際のポイントを解説します。
業務フローの洗い出し
導入する前に、どこまでの範囲の業務を自動化させたいのかというイメージと導入の目的を明確に持ち、該当する業務フローをしっかりと洗い出しましょう。
自動化の範囲によっては異なる部署間を横断する仕組みを構築する必要があります。その際に周知が徹底できていないと、導入時に部門間の連携がうまく取れないという問題が生じてしまいます。
また、業務フローを整理したり、処理のルールを洗い出したりといった作業が不十分なまま自動化を進めてしまうと、システムやサービスでは対応できない処理が発生する可能性もあります。
業務に関わる社員と綿密な打ち合わせを行い、自動化するにあたってどのような機能が必要か、社員が行う業務との切り分けをどうすべきかなどを決めたうえでシステムやサービスを選定するようにしましょう。
既存システムとの連携可否を確認する
すでに導入しているシステムと連携が可能かどうかも選定時の重要な要素です。例えば顧客管理や決済管理のシステムと連携させたい場合は、連携の可否や連携方法を事前に確認しておきましょう。
また、連携が必要な場合、どこまでサポートしてもらえるかも確認しておくと安心です。
同業種の導入実績があるか確認する
Webサイトやパンフレットなどに導入実績の一覧が掲載されていますが、件数の多さだけではなく、同業種の企業への導入実績があるかどうかも確認しておきましょう。
また、継続率が高いシステムやサービスは、利便性やサポートが充実していると言えます。導入企業のインタビューや課題の解決事例を併せて確認しておき、導入後の具体的なイメージを掴んでおくようにしましょう。
請求業務の効率化は「請求管理ロボ」にお任せ!
入金消込の作業は、1件ずつ目視で入金確認をしたり、請求と入金のデータがバラバラで管理されていたりと、効率良くオペレーションを行うには限界があります。
しかし、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」なら日々の取引における入金確認を自動化し、月末にかかりきりになってしまう消込作業を最短10分に短縮できます。
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