個人事業主が利用できる資金調達9選!おすすめの融資や借入時の注意点【融資以外の方法も】

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個人事業主が利用しやすい資金調達を、融資とそれ以外の方法に分けて紹介します。日本政策金融公庫や銀行融資、信用金庫など、個人事業主への融資を提供する金融機関それぞれの特徴も紹介。審査や借入時の注意点も解説します。資金調達と当時に事業のPRもできるクラウドファンディング、突然つなぎ資金が必要になったときに適したファクタリングなど、状況に応じて資金調達の方法を選びましょう。

個人事業主が利用しやすい融資・金融機関

資金調達と聞いて、まず思い浮かぶのは融資でしょう。融資は個人事業主でも利用しやすく、比較的大きな金額を調達できる手段です。

ただ、初めての資金調達の場合、どの金融機関を選べば良いか迷う方も多いのではないでしょうか。そこで、個人事業主が利用しやすい代表的な融資先を4つ紹介します。

1.日本政策金融公庫

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、個人事業主にとって最も身近な存在といえるでしょう。 創業時や事業拡大時など、さまざまなタイミングで利用できる融資制度が用意されています。

特に、新規開業資金や小規模事業者経営改善資金(マル経融資)は、個人事業主にとってハードルの低い融資制度として知られています。 また、女性や若者、シニアの方々を対象とした、より有利な条件の融資制度も用意されています。

日本政策金融公庫の融資は金利が低く、保証人も原則不要なため、個人事業主にとって大きなメリットがあります。さらに、全国に支店があり、相談しやすいのも魅力の一つです。

2.銀行融資

銀行融資は、資金調達の選択肢として幅広い可能性を秘めています。 大手都市銀行から地方銀行、ネット銀行まで、さまざまな銀行が個人事業主向けの融資商品を用意しています。

銀行融資のメリットは、低金利でまとまった資金を調達できる点です。 事業拡大や設備投資など、まとまった資金が必要な場合に適しています。また、取引実績や信用力に応じて、金利や融資限度額が優遇されることもあります。

ただし、銀行融資は審査が厳しく、必要書類の準備や面談など、手間がかかる場合が多いです。また、担保や保証人を求められることもあります。初めての資金調達の場合、ハードルが高く感じるかもしれません。

3.信用金庫

地域密着型の金融機関である信用金庫は、個人事業主にとって心強い味方です。 地域の経済活性化を目的としているため、地域で事業を営む個人事業主に対して積極的に融資を行っています。

信用金庫の融資は審査が比較的柔軟で、スピーディーな対応が期待できるのが特徴です。担当者との距離が近く、親身になって相談に乗ってくれるため、初めて資金調達をする方でも安心です。

さらに、信用金庫は地域に根ざした情報網を持っているため、経営に関するアドバイスやビジネスマッチングなどのサポートも期待できます。地域で事業を営む個人事業主にとって、頼りになる存在といえるでしょう。

ただし、信用金庫からの資金調達は、その地域で事業を営む事業主でなければ利用できません。まずは自分が事業を営む地域にどのような信用金庫があるのか洗い出すことから始めましょう。

4.制度融資

制度融資とは、自治体・金融機関・信用保証協会が連携して提供する融資制度です。利用者の負担を抑えて資金調達ができる制度として、開業資金やつなぎ資金などの調達に適しています。

制度融資のメリットは低金利保証料の減免など、通常の融資よりも有利な条件で資金調達できる点です。 また、利用する制度により異なるものの返済期間が長めで、最長10年以上ということもあります。

ただし、制度融資では複数の機関が連携しているため、申請から融資実行までにかかる時間が長いです。資金調達には3ヵ月ほどかかると見積もっておくといいでしょう。

個人事業主が利用しやすい、融資以外の資金調達

資金調達には、融資以外にもさまざまな方法があります。返済不要な資金を得られる補助金・助成金、インターネットを通じて資金を集めるクラウドファンディングなど、状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。ここでは、個人事業主が利用しやすい、融資以外の資金調達方法を5つ紹介します。

5.補助金・助成金

補助金・助成金は、国や地方自治体から交付される返済不要の資金です。 創業支援や設備投資、新技術開発など、さまざまな目的の補助金・助成金が存在します。

個人事業主にとって、補助金や助成金は事業の成長を後押ししてくれる心強い存在です。資金調達の負担を軽減できるだけでなく、審査に通ることで事業の信用力を高める効果も期待できます。

ただし、補助金や助成金は申請手続きが複雑で、審査基準も厳格です。交付決定までに時間がかかることも珍しくありません。利用を検討する際は、事前に申請要件やスケジュールをしっかりと確認し、余裕を持って準備を進めるようにしましょう。

また、補助金には定員があり、要件を満たしても受給できないことがあります。助成金は要件を満たしていればほぼ確実に受給できます。

6.クラウドファンディング

インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を集めるクラウドファンディングは、近年注目を集めている資金調達方法です。 新商品の開発やイベント開催、社会貢献活動など、さまざまなプロジェクトで活用されています。

個人事業主にとって、クラウドファンディングは資金調達だけでなく、事業のPRやファン獲得にもつながる魅力的な手段です。 プロジェクトへの共感を通じて、多くの人々に事業を知ってもらえます。

ただし、クラウドファンディングでは目標金額を設定しますが、それを達成できない場合は集まった分の資金も得られません(All or Nothing)。

「All In」といって、目標の達成したかどうかにかかわらず集まった分の資金は確実に得られるタイプもありますが、こちらはプロジェクトを確実に実施しなければなりません。資金不足でプロジェクトを強行することになるリスクがあります。

また、プラットフォーム手数料やリターン品(資金提供してくれた支援者への返礼品)の準備など、費用がかかる場合もあります。利用を検討する際は、事前にしっかりと計画を立て、準備を進めることが重要です。

7.ファクタリング

ファクタリングは、取引先への売掛金をファクタリング会社に売却し、早期に資金化する方法です。 通常の入金よりも早く資金を回収できるため、資金繰りの改善に役立ちます。

個人事業主にとって、ファクタリングは審査が比較的緩く、スピーディーに資金調達できる点が魅力です。 担保や保証人も不要なため、初めての資金調達でも利用しやすいでしょう。

ただし、ファクタリングでは融資の金利よりも割高な手数料が発生することが多いです。また、ファクタリング会社を装った悪質な業者も存在するため、信頼できる会社を選ぶことも重要です。利用を検討する際は、複数のファクタリング会社を比較し、手数料やサービス内容をしっかりと確認するようにしましょう。

8.資産や設備の売却

不要になった資産や設備を売却することも、資金調達の一つの手段です。 使用頻度の低い機器や車両、遊休不動産などを売却することで、まとまった資金を確保できます。

資産や設備の売却は資金繰りの改善だけでなく、事業の効率化にもつながることもあります。 不要な資産を抱えることで、維持管理費や保管スペースなどのコストが発生するため、売却することでこれらのコストを削減できます。

ただし、市場価格や売却にかかる時間など、慎重に検討する必要があります。また、売却した資産や設備が、今後の事業に必要になる可能性も考慮しなければなりません。

9.リースバック

リースバックは所有する不動産を売却し、同時にその不動産を賃貸として借り受けることで、資金調達と住み続けることを両立させる方法です。 自宅や事務所など、事業に必要な不動産を売却して資金を調達しつつ、そのまま使い続けることができます。

リースバックはまとまった資金を調達できるだけでなく、引っ越しや移転の手間を省ける点が魅力です。 事業の継続性を保ちながら、資金繰りの改善を図れます。

ただし、リースバックは不動産の所有権を失うため、将来的な売却益や相続などのメリットがなくなってしまいます。また、賃料の支払いが発生するため、長期的なコスト負担も考慮しなければなりません。

個人事業主で資金調達が必要になるケース

個人事業主が資金調達を検討する理由はさまざまです。事業を始めるために必要な資金を確保したい、事業を成長させるために設備投資を行いたい、予期せぬ事態に備えて運転資金を確保したいなど、状況によって資金調達の目的は異なります。

開業・新規事業の立ち上げ時

事業を始める際、オフィスや店舗の賃貸費用、設備の購入費用、運転資金など、さまざまな費用が発生します。 これらの費用を自己資金だけで賄うことは難しいため、資金調達は必須といえるでしょう。

開業資金は事業計画に基づいて必要な金額を算出し、余裕を持って準備することが大切です。 不足した場合、事業の運営に支障をきたす可能性があるため、慎重に計画を立てましょう。

開業資金の調達方法としては、日本政策金融公庫の新創業融資制度や、銀行の創業融資などが利用できます。また、補助金・助成金を活用することも有効です。これらの制度をうまく活用することで、資金調達の負担を軽減できます。

事業を拡大したいとき

事業が軌道に乗り、さらなる成長を目指す際には、設備投資や人材採用、広告宣伝など、さまざまな費用が必要になります。 事業拡大は、企業の成長にとって重要なステップですが、同時に資金調達の必要性も高まります。

事業拡大のための資金調達は、将来の収益を見据えて計画的に行うことが大切です。 無計画な投資は資金繰りを悪化させ、事業の継続を危ぶませる可能性もあるため、慎重に進めましょう。

事業拡大資金の調達方法には、銀行融資や信用金庫融資、日本政策金融公庫の事業資金融資などが考えられます。また、クラウドファンディングやファクタリングを活用することも有効です。これらの資金調達方法を組み合わせることで、より柔軟に資金を確保できます。

不測の事態に対応するとき

自然災害や事故、取引先の倒産など、事業を営むうえで予期せぬ事態は常に起こり得ます。 こういった不測の事態に備えて、運転資金を確保しておくことは、事業継続のために非常に重要です。

不測の事態が起こった際、資金繰りが悪化し、事業継続が困難になるケースも少なくありません。 資金調達の準備を怠ると、最悪の場合、廃業に追い込まれる可能性もあります。

不測の事態に対応するための資金調達方法には、ファクタリングや各種融資などが考えられます。また、事業や状況によっては国や地方自治体による災害復旧融資などの制度を利用できる場合もあります。平時からこれらの資金調達方法について調べておき、いざという時に備えておくことが大切です。

個人事業主の資金調達で気を付けたいこと

資金調達は、事業を成功させるための重要なステップですが、同時にリスクもともないます。無計画な資金調達は、返済負担や金利負担を増やし、事業の継続を困難にする可能性もあります。そこで、個人事業主が資金調達を行う際に気をつけたいポイントを4つ紹介します。

資金の使途を明確にする

資金調達を行う際は、その資金を何に使うのか、明確な目的を持つことが重要です。融資の場合、金融機関は資金使途を審査の重要な要素として考慮します。また、補助金・助成金もそれぞれの制度の目的に合致した使い道でなければ、交付を受けられません。

資金使途が曖昧なまま資金調達を行うと、無駄な支出が増えたり、返済計画が狂ったりする可能性があります。事業計画に基づいて、必要な資金の額と使途を明確にし、計画的な資金調達を心掛けましょう。

適正な額を調達する

資金調達を行う際は、必要な金額を正確に見積もり、過剰な借入を避けることが大切です。必要以上の資金を調達してしまうと、返済負担が大きくなり、事業の安定性を損なう可能性があります。

資金調達の額は、事業計画に基づいて慎重に検討しましょう。売上予測や費用項目を細かく洗い出し、現実的な資金計画を立てることが重要です。また、金融機関からの融資を受ける場合は、返済能力を考慮し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

融資の場合、返済期間を慎重に考える

融資を受ける際、返済期間は慎重に検討する必要があります。「とりあえず最長期間で」と安易に考えるのは危険です。返済期間が長ければ毎月の返済額は少なくなりますが、利息の分、総返済額は増えてしまいます。

返済期間は事業の収益状況や将来の資金計画を考慮して決めましょう。無理のない返済計画を立てることが、事業の安定的な成長につながります。

早めに準備に取り掛かる

資金調達にはさまざまな手続きや準備が必要です。特に融資を受ける場合は、金融機関の審査を受ける必要があります。審査には時間がかかるため、資金が必要になる時期を見越して、早めに準備を進めることが大切です。

必要書類の準備、事業計画書の作成、面談の練習など、やるべきことはたくさんあります。また、開業届の提出や確定申告の準備も必要です。これらの準備を後回しにしてしまうと、資金調達が間に合わなくなる可能性もあるため、余裕を持って準備に取り掛かりましょう。

開業・事業拡大の費用には融資が、運転資金の調達にはファクタリングがおすすめ

個人事業主にとって、資金調達は事業を成功・成長させるための重要な鍵です。開業資金や事業拡大資金が必要な場合は、日本政策金融公庫や銀行融資など、低金利でまとまった資金を調達できる融資制度の利用を検討しましょう。運転資金の調達には、ファクタリングがスピーディーかつ柔軟に対応できるためおすすめです。

資金調達を行う際は資金使途を明確にし、返済計画をしっかりと立てることが大切です。また、さまざまな資金調達方法のメリットとデメリットを理解し、自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。