振込の入金確認を効率化するには?確認手順や効率化のポイントを丁寧に解説
入金確認は企業業務の中でも重要なものです。しかし、チェックする項目が多く煩雑な作業になりやすいため、取引先の増加に伴ってヒューマンエラーをはじめとしたミスの発生確率が高くなります。そのため、入金確認の効率化は、あらゆる企業の課題ともいえるでしょう。
この記事では入金管理の基本的な手順や種類、注意点、効率化する方法について解説します。
振り込み確認の手順
入金確認は基本的に以下の3ステップで行われます。
・入金確認
・入金確認メールの送信
・入金消込
中には聞いたことのない用語もあるかもしれません。
ここでは入金確認の手順について、ひとつずつ解説します。
入金確認
入金管理の基本ともいえる業務が入金確認です。指定した口座への入金の有無や入金内容、金額に間違いがないかを確認する業務になります。一見、単純な業務と思えるかもしれませんが、取引先の数に伴い業務量が増え、さらに正確性を求められます。
確認が必要な項目は、どの取引先からの入金なのか、どの案件に関する入金なのか、入金した日付に間違いはないか、請求した金額と相違ない金額が入金されているかなどです。
入金確認作業で注意すべきなのが振込手数料です。自社と取引先とでどちらが負担するかで入金金額が変わってきます。請求する側(自社)の負担となる場合は請求金額から手数料を引いた額が入金され、入金する側(取引先)が負担する場合は請求金額と同じ額が入金されます。
また、振込手数料の削減を目的に、複数の案件分をまとめて入金するというケースもあるため、どの案件分が合算されているかも確認しなければなりません。
入金確認メールの送信
入金確認ができれば完了というわけではありません。取引先に入金がされたことを報告する必要があります。指定した口座に振り込みがされているか、金額に間違いはないか、次の段階へと取引が順調に推移しているのかなどの確認ができたことを、入金確認メールを送信して取引先に伝えます。
銀行振込での入金のように直接現金の受け渡しを行わない場合は、きちんと入金できたか不安に思う取引先も少なくありません。入金を確認し取引が無事に進行している旨を伝える入金確認メールは、ビジネスにおいて必須です。
入金消込
入金消込とは、入金確認ができた後に売掛金として計上している金額と同額であるかをチェックして、帳簿上の売掛金を消し資産などへの仕訳を行うことです。例えば、商品やサービスの購入を契約したとします。その際、受注した段階で借方には売掛金として商品金額を帳簿に記入し、貸方は売上として商品金額を記入します。そして、入金確認ができ次第、売掛金を相殺して入金消込は完了です。
なお、上記と同様に手数料の負担はどちらがするのかで売上金と入金額に差異が発生することがある点は注意しなければなりません。取引先が増えると手数料に関する確認が煩雑になりますが、手数料はきりの良い金額になっていることが一般的です。
また、入金消込は通帳と帳簿の照らし合わせ作業になります。そのため、取引先の数に比例して確認作業にかかる時間も増えることを留意しましょう。
銀行振り込みのメリット・デメリット
使い勝手の良さから銀行口座を介して行う銀行振り込みを採用している企業がほとんどでしょう。口座さえ開設すれば、小規模経営の会社や個人事業主でもノーコストで導入できるためです。続いて、銀行振り込みのメリット・デメリットについて解説します。
メリット
銀行振り込みで入金をするメリットは、まず小規模な取引や事業規模が小さい場合でも簡単に導入できる点でしょう。また、入金までの所要時間が短く、売上金を即座に受け取れます。クレジットカードをはじめとする他の決済方法では、カード会社や決済代行会社を介するので入金まである程度の日数が必要です。
場合によっては入金が確認できるまで1〜2ヵ月かかることもあります。その点、銀行振り込みでは自社の口座に直接入金してもらうので、早急に売上金を受け取ることができるのです。
銀行振り込みで入金処理を行う場合は、前払いか後払いかを決める必要があります。取引開始前に入金してもらう方法が前払いで、取引終了後に振り込んでもらう後払いと比較して未回収のリスクを避けられます。前払いに設定した場合は、仮に期日までに入金がなかったとしても損失になりません。
銀行振り込みは定番の支払い方法のため、企業だけではなく自営業など個人での取引にも活用できます。
デメリット
容易に入金情報と顧客情報の紐づけができるクレジットカードなどとは異なり、銀行振り込みは入金に関する情報を手作業で入力し、管理しなければなりません。手作業のため、入力漏れや入金額の間違いなどのヒューマンエラーが起こりやすく、その都度、請求する側が問題なく入金されているかの確認が必要です。
消込作業も同様に、目視と手作業ではミスからトラブルにつながる可能性があります。誤って未入金を消込してしまい売掛金を回収できなくなることや、反対に消込を忘れ入金済みの案件であるにもかかわらず二重に請求をしてしまい、取引先とのトラブルに発展するというリスクもあるのです。
インターネットバンキングのメリット・デメリット
インターネットバンキングは、名称どおりインターネット上で銀行取引ができるサービスのことです。オンラインバンキングともいわれ、銀行によって違いはありますが、さまざまなサービスを利用できます。
銀行に行かずに社内で入金管理を済ませられるのが利点ですが、インターネット経由による課題もあります。ここでは、インターネットバンキングのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
銀行振り込みは入金に時間がかからないと前項で解説しましたが、インターネットバンキングであれば、さらなる時短が可能です。まず、わざわざ銀行まで足を運ぶ必要がありません。オフィスにいながらPC上で入金の確認や振り込みなどができるため、他の入金方法と比較して時間の節約ができます。
また、通帳への記帳をしなくても済む点もメリットといえるでしょう。銀行口座の場合は、過去の取引データを確認するために定期的な記帳が必須です。インターネットバンキングの場合では入金の履歴がネット上で確認できるため、記帳する必要がありません。さらに、通帳に記帳されるのは、記帳した日までの取引内容ですが、インターネットバンキングであれば基本的に照会した時点での最新の取引内容を確認できます。
デメリット
入金確認に使用する端末やパスワード設定、などの対策も行っているとはいえ、インターネットを利用した取引であるためサイバー犯罪へのリスクからは切り離せません。近年はサイバー犯罪も多様化しており、例外なくインターネットバンキングもターゲットとなります。サイバー犯罪のリスクはデメリットとなり得るでしょう。
また、インターネットバンキングに限らず、ネット上の取引ではセキュリティのためにIDとパスワードが必須です。万が一紛失してしまった場合は、ID・パスワード・専用カードの再発行をしなければなりません。セキュリティ上の措置ですが、どちらかでも忘れてしまったり、失くしてしまったりすると取引ができなくなります。
さらに、他人に知られてしまうリスクも考えられます。その場合、不正利用される危険性もあるため、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。
振り込み確認どきの3つの注意点
銀行振り込みで入金している場合は、一つひとつ手作業で入金情報を帳簿に記入して管理しなければなりません。人間の目視と手作業で行う入金管理は記入漏れや金額の誤りなど、ヒューマンエラーが発生しやすいものです。
ここでは、振り込み確認の際に起こり得るミスとその対処法をケースごとに解説します。
入金額に過不足があった場合
・入金額が請求金額より多かった場合
請求書に記載された金額を超える額が入金されていた場合は、ミスのチェックと取引先への速やかな連絡が必要です。
取引先のミスで多く入金された場合の対応方法として、まず、入金のやり直しがあります。入金された金額を一旦、全額返金し、改めて正しい金額を入金してもらうのです。少額の取引・単発の取引といったケースでは、多く入金してしまった分の伝票を新たに起こして返金するより手間がかからない方法でしょう。
もちろん、過入金分を返金するという方法もあります。多く入金されたこと・過入金分はきちんと返金したこと・再入金後は請求金額と入金金額に相違がないことなどお金の流れを記録に残したい場合に適した方法です。入金のやり直しと過入金分の返金は、新規の取引や一度限りの取引に適しています。
多く入金された差額分を次回取引時の請求金額から差し引いて相殺するという方法もあります。この方法では、再請求のための業務が発生せず、振込手数料もかかりません。継続的な取引がある相手の場合は、この方法が最適でしょう。
・入金額が請求金額により少なかった場合
入金された金額が請求書に記載した額より不足していた場合、まずは自社のミスかどうかの確認です。自社のミスではないことが確認できたら、取引先に速やかに連絡して入金額が足りていなかったことを伝え、不足分を請求します。
ミスが自社側にあった場合は取引先に請求書を破棄してもらい、正しい金額を記載した請求書を再送しなければなりません。新規の取引や一度限りの取引では、この方法が適しています。
継続的に取引をしている企業の場合でも確認・連絡は必ず行います。しかし、こちらも上記と同様に、不足分の入金依頼をするより次回請求分に不足額を繰り越して再請求した方が効率的でしょう。そうすることで振込手数料と再入金の手間を省けるためです。
なお、このケースでは不足分の請求書を改めて発行しなくても問題ありません。新しく請求書を発行してしまうと、2回にわたって同内容の取引があったと混同してしまう可能性があるため注意しましょう。
振り込み名義と口座名義が異なる場合
振り込み人名義と送付した請求書を取引先名を紐づけし、確認作業を行うのが入金管理の基本です。しかし、双方の名義が異なる場合や同名の取引先がある場合は、案件や請求書番号などから振り込んだ取引先を割り出さねばならず、手間と時間がかかってしまいます。
また、振り込み人名義はカタカナで記載されるため、ひと目でどの取引先からの入金かの判別が困難で、似た名義の取引先と間違えてしまうミスも起こり得ます。振り込みの名義と口座名義が異なる場合は、振り込み元の金融機関で「組戻し」という手続きをしてもらう必要があります。
なお、「組戻し」とは入金完了後に何らかのミスが発覚したなど、入金を取り消したい場合に、入金してしまったお金の返却をするための手続きです。組戻しにかかる手数料は請求された側が負担しなければならないうえ、振り込み先の金融機関を通して入金された側の同意が必要となるため、手続きに時間がかかります。
返還請求を受けた場合
請求した金額より多く入金された場合は、取引先が返還請求する権利を有するお金となります。この権利は「払金返還請求権」と呼ばれ、不当利益返還請求権の一環として民法で規定されています。
入金された側が何もしなかった場合は、支払いをした側が払金返還請求権を行使できる期間内に返還請求をしなければなりません。取引先とのトラブルを防ぐためにも、過入金が判明したら早急に取引先に連絡をし、返還しましょう。
民法では、2020年3月まで返還請求権を行使できる期限を権利発生から10年間としています。2020年4月以降は、返還請求権を行使できることを知った時点から5年間もしくは行使できる時点から10年間先に到達した方までです。ここでいう「行使できることを知った時点」とは入金金額が多いことが判明したときで、「行使できる時点」は取引が終了したときをいいます。
振り込み確認を効率化する方法
振り込み確認で最も大切なことのひとつとして、正確さを求められる点があります。そのため、効率化を図るとしてもミスが発生しない方法を選ばなければなりません。ここでは、ミスの可能性が低く効率化ができる方法について解説します。
クレジットカード決済を利用する
現金支払い以外の集金方法として多く用いられているのがクレジットカード決済です。クレジットカード決済では、一回登録して支払いを了承すると、次回以降は自動で集金できるというメリットがあります。支払処理が失敗する可能性も低く、継続して安定した集金が可能です。クレジットカード決済ではカード会社のポイントが貯められる点も、顧客側のメリットとしてあげられます。
一方で、利便性の高い反面、決済手数料が比較的高い点はクレジットカード決済のデメリットでしょう。一般的には、取引した額の3.5%ほどが手数料としてかかるため、手数料を負担する側にとっては負担となります。売上額に対しての手数料が毎回の決済時に引かれるため、企業レベルの集金をクレジットカード決済で行うと、利益額を下回る可能性もあります。
外部委託を利用する
請求書の発行・入金確認・入金消入をはじめとした、請求に関わる業務のすべてを外部企業のサービスに代行してもらうことで、集金業務を全自動化する方法です。外部に委託することで業務の負担を軽減できるため、自社のコア業務にリソースを多く割けるようになります。
また、外部の代行サービスが一括して管理するため、回収漏れや二重請求など管理上のミスが起こりにくい点もメリットです。期日までの入金がなかった場合も保証してくれるサービスがあるため、未回収リスクも予防できます。
入金管理システムを導入する
入金の管理を自動的に行うシステムを導入し、効率化を図る方法です。入金管理システムでは業務をコンピューターが代行します。この仕組みから、システム導入で得られる一番のメリットは、ヒューマンエラーを防止できる点といえるでしょう。
入金情報の入力・未払先への督促メール送信など、導入するシステムによって備わっている機能が異なります。どの業務までを自動化するかによって導入するシステムを選ぶ必要があるため、導入前に自社業務を見直しすることが大切です。
入金管理の効率化は「請求管理ロボ」にお任せ!
振り込み確認・入金管理を徹底しても、取引先からの入金が滞る可能性をゼロにすることはできません。そういった不測の事態に備えるために、株式会社ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。
「請求管理ロボ」は、毎月の請求業務を最大80%削減する請求管理・債権管理システムです。請求書の発行や送付、集金、消込、催促などの売掛金管理を全て自動化し、人的作業を減らしてミスを防ぐとともに、経理業務の効率化を実現します。
加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。
なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに700社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。