電子帳簿保存法の改正で何が変わる?電子取引と見積書の取り扱いについて解説
電子帳簿保存法の改正で、電子取引データは一定の条件を満たし、電子データのまま保存することが義務付けられました。では見積書の取り扱いについては、どのような対応が必要となるでしょうか。この記事では、電子帳簿保存法の改正に伴う見積書の取り扱いや対応方法について解説します。
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電子帳簿保存法対応と見積書
見積書の取り扱いについて、電子帳簿保存法からはどのような影響があるでしょうか。ここでは、見積書も電子帳簿保存法の対象であることや、保存要件などについて解説します。
見積書も電子帳簿保存法の対象
見積書は証憑書類と呼ばれ、法人税法によって保存が必要とされる書類です。また、電子帳簿保存法では、電子データで受け取ったデータは電子のまま保存しなければなりません。
つまり、電子データとしてやり取りした見積書やその控えは、電子データのまま保存する必要があります。
電子帳簿保存法について、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
「電子帳簿保存法 対応ガイド」
見積書の保存要件
電子データで発行・受領した見積書は、必ず電子データのまま保管しておかなければなりません。電子取引データ保存における要件は以下のとおりです。
真実性の確保 | 改ざん防止のための措置 (いずれか1つ以上) |
タイムスタンプが付与されたデータを受け取る |
---|---|---|
データ受領後、速やか(最長約2か月と7営業日以内)にタイムスタンプを付与 | ||
訂正削除を行った場合に履歴が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムでデータを授受・保存 | ||
改ざん防止(正当な理由がない訂正削除)に関する事務処理規程の作成・運用 | ||
可視性の確保 | パソコン・プログラム・ディスプレイ・プリンタ・操作説明書等の備付け | |
電子計算機処理システムの概要書の備え付け | ||
検索機能の確保 (ダウンロードの求めに応じられる場合、②③は不要) |
①取引年⽉日、取引金額、取引先で検索できること | |
②日付又は金額の範囲指定して検索できること | ||
③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること |
「電子帳簿等保存制度特設サイト」(国税庁)を加工して作成
また紙でやり取りした見積書をスキャンして保存する場合は、電子帳簿保存法における一般書類のスキャナ保存要件を満たす必要があります。スキャナ保存における要件は以下のとおりです。
要件 | 重要 | 一般 | ||
---|---|---|---|---|
真実性の確保 | 入力期間(最長約2か月と7営業日以内)の制限 | ○ | - | |
一定の解像度(200dpi以上)による読み取り | ○ | ○ | ||
カラー画像(RGB256階調以上)による読み取り(※白黒可) | ○ | ※ | ||
改ざん防止のための措置 (どちらか1つ以上) |
タイムスタンプの付与 | ○ | ○ | |
ヴァージョン管理(スキャナデータの訂正削除を行った場合に履歴が残るシステムまたは訂正削除ができないシステム) | ○ | ○ | ||
可視性の確保 | 帳簿との相互関連性の確保 | ○ | - | |
見読可能装置等(14インチ以上カラーディスプレイ、カラープリンタ、操作説明書)の備付け(※白黒ディスプレイ、プリンタ可) | ○ | ※ | ||
整然・明瞭出力(拡大又は縮小して出力できる 、4ポイントの大きさの文字を認識できる等) | ○ | ○ | ||
システム概要書等の備付け | ○ | ○ | ||
検索機能の確保 (※ダウンロードの求めに応じられる場合、②③は不要) |
①取引年⽉日、取引金額、取引先で検索できること | ○ | ○ | |
②日付又は金額の範囲指定して検索できること | ※ | ※ | ||
③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること | ※ | ※ |
「電子帳簿等保存制度特設サイト」(国税庁)を加工して作成
見積書の保存期限
見積書の保存期間は、法人と個人事業主で異なります。
法人の場合、法人税法によって、原則7年間の保存が義務付けられています。脱税が発生した際にさかのぼって追徴課税できる期間が7年間であるため、その期間に合わせて定められています。なお見積書の発行日の7年後ではなく、次の確定申告期限の翌日から7年のため、注意しましょう。例外として、赤字決算の場合の保存期間は10年間です。こちらは繰越欠損金制度を利用できるのが10年間であるため、その期間に合わせて定められています。
個人事業主の場合は、消費税の課税対象か否かで保存年数が決まります。免税事業者の場合は5年間、課税事業者の場合は7年間です。
契約に至らなかった見積書
契約に至らなかった見積書の保存方法は、電子帳簿保存法のなかに明文化されていません。しかし、契約に至っていないことを証明することは困難なため、すべての見積書を保管したほうが良いでしょう。
紙媒体・電子データ混在の場合
紙媒体は、紙の原本をそのまま保存して構いません。スキャンによる電子データ保存を利用しても良いでしょう。
電子データの場合、電子帳簿保存法にもとづき、タイムスタンプなどを付与し、取引年月日や取引金額、取引先で検索できるようにしなければなりません。また、パソコンやディスプレイ、プリンターを備え付ける必要があります。
見積書を電子帳簿保存法に対応させるための条件
見積書を受け取る側の場合、紙で受領して電子データにする場合は「スキャナ保存要件」、電子ファイルで受領した場合には「電子取引データ保存要件」を満たす必要があります。また見積書を発行する側の場合、電子データで作成した見積書は「電子帳簿等保存要件」を満たさなくてはなりません。このように、状況によって条件や対応の仕方が異なるため注意しましょう。
それぞれの保存要件について、以下の記事で詳しく解説しています。
「電子帳簿保存法で企業がすべきこととは?対応スケジュールから保存方法まで」
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この記事では電子帳簿保存法に関連して見積書に必要な対応を解説しました。PDFなどでやり取りした見積書は、電子データのまま、保存要件を満たしたうえで保存しましょう。
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