ファクタリングの手数料について徹底解説!手数料の基準や抑えるコツも紹介

後払い


ファクタリングは、事業者が資金調達をするための手段の1つとして知られています。ファクタリング会社の統括組織であるFCIの統計によると、日本のファクタリング市場は2017年から4年連続で拡大し続けています。手軽に資金調達をできる点が、日本でも人気を集めている要因です。

しかし、ファクタリングには手数料がかかるため、高額な手数料を取られて資金を無駄にしてしまわないように注意が必要です。本記事ではファクタリングの手数料、手数料を抑えるコツ、ファクタリング以外の資金調達方法などについて解説します。

ファクタリングとは


ファクタリングとは、事業者が所有している売掛債権である売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらい、資金を調達する方法です。
売掛債権とは、製品やサービスを販売した会社が、購入者から代金を支払ってもらう権利のことです。そして売掛債権の一種である売掛金は、製品やサービスを販売したその日ではなく、後日支払いを受ける権利を指します。売掛金が発生する通常の掛取引では、売上げが立ってから実際に入金されるまでに時間がかかりますが、ファクタリングを利用すればすぐに売上げの現金化が可能です。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングは、やり取りする事業者が2社間か3社間かで仕組みが異なります。
2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社が契約を交わします。利用者は売掛金を売却したことを取引先に知られずに進められるため、取引先との信頼関係を損ねる心配がありません。

3社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社に加えて取引先も契約に参加します。ファクタリングを利用することを取引先に承諾してもらわなければならないため、契約までに時間がかかる傾向があります。その分、売掛債権の未回収リスクを下げられる点がメリットです。

ファクタリングの種類


ファクタリングは大まかに買取型と保証型の2タイプに分けられます。以下にそれぞれについて解説します。

買取型

買取型は売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらう手法です。売掛金を早期に現金化して資金を調達したい場合に利用されます。取引先からの当初の支払い期日を待つことなく、手数料を引いた代金が買取金額としてファクタリング会社から利用者に支払われる仕組みです。
しかし一般的には銀行融資よりも手数料が高額になるため、利益は減少します。不急の資金繰りは銀行融資を利用し、急を要する場合はファクタリングを利用するなどして使い分けると良いでしょう。

保証型

保証型ファクタリングは、売掛金の回収をファクタリング会社に保証してもらう手法です。資金調達ではなく、売掛債権に保険をかけることを目的としている場合に利用されます。ファクタリング会社に保証料を支払う代わりに、取引先の倒産などによって売掛金の回収が困難になった場合には、ファクタリング会社から保証金が支払われる仕組みです。保証料は取引先の信用度によっても異なりますが、一般的な相場は保証額の3%~8%程度です。
初めて取引を行う会社など、相手が信用に足るかどうか判断するのが難しい場合でも、保証型ファクタリングを利用すれば安心して取引を行えます。
ただし、売掛金の回収が不可能と判断されなければ代金が受け取れない点や、入金の遅延は保証の対象外である点には注意が必要です。

ファクタリングを利用するタイミングとは


ここからは、ファクタリングを利用するタイミングについて解説します。

現金不足により資金繰りに困った場合

取引金額が高額になりやすい企業間取引では、掛け取引が主流です。しかし、売掛金は回収までに1ヶ月から2ヶ月程度かかるため、売上げがあっても現金を用意できない時期もあるでしょう。

手元に現金がないために資金繰りに困った際には、ファクタリングが有効です。売掛債権の信用度が高ければ、最短で即日現金化も可能なので、急な出費があった際やまとまった資金が必要になった場合にも対処できます。

銀行融資の審査が通らない場合

自社の信用力に不安がある場合や保証人や担保の用意が困難な場合には、ファクタリングを利用しましょう。
銀行融資は、計画的な資産繰りとして有効な手段です。しかし、社会保険料や税金の滞納、債務超過、赤字決算などの経歴がある企業は、信用力不足で銀行融資の審査を通過できない可能性があります。また、過去にトラブルがなかったとしても、創業期などで取引実績がない場合には融資を受けられないケースも少なくありません。
一方、ファクタリングでは基本的には自社ではなく取引先の信用力が審査対象となります。健全な取引先であれば、審査を通過できる可能性は高いでしょう。

ファクタリングの手数料について


ファクタリングの利用には、高い手数料がかかる場合もあります。契約を有利に進めるためには、手数料の詳細を把握しておきましょう。

手数料の内訳

ファクタリング手数料に含まれる主な費用の内訳は以下の通りです。

●基本手数料
●振込手数料
●掛け目
●印紙代
●債権譲渡登記費用:
●事務手数料

ファクタリング会社を選ぶ際に特に重要なのが、基本手数料・掛け目・事務手数料の3つです。
基本手数料は、売掛債権から買取金額を引いた額です。ファクタリング会社は、手数料によって利益を得ます。
掛け目は、自社の売掛債権を最大いくらで買取可能かを表す割合です。売掛債権の75~90%が目安といわれています。
事務手数料には、審査手数料、登記簿謄本の請求費用、交通費などが含まれます。
これらはファクタリング会社や取引先によっても変動するため、事前によく調べておかないと損をしてしまうかもしれません。
また、事務手数料と称して用途不明の高額な経費を支払うよう求めてくる事業者もいるため、注意が必要です。事務手数料にかかわらず、用途不明の手数料を求められた場合は、何にかかった経費なのかを事業者に確認するようにしましょう。

手数料を設定する要素

手数料の決め手となり得る要素には以下があります。

●債権譲渡登記の有無
●ファクタリングの利用履歴
●取引先の信用度
●売掛金の金額

基本的には返済の確実性が高いほど、手数料は低くなります。債権譲渡登記がある場合や、過去にファクタリングを利用した際に売掛金を回収してきちんと支払ったといった肯定的な履歴がある場合は、手数料を抑えられるでしょう。自社だけではなく、取引先の信用度も手数料に大きく影響します。

また、返済の確度が高い場合は売掛金の金額が大きいほどファクタリング会社にとっては利益が出やすくなるため、高額な取引ほど手数料が安くなる傾向があります。
 

ファクタリングの手数料を抑えるコツ


ファクタリングの手数料はいくつかの策を講じることで抑えることが可能です。以下に、抑える方法について解説します。

三社間ファクタリングを選ぶ

2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が債権者から売掛金を買い取ることで回収リスクを背負うため、その分手数料も10~30%と高めに設定されています。

3社間ファクタリングであれば、取引先の承諾を挟むことにより未回収リスクを下げられるため、その分手数料も1~9%と低めに設定されています。ファクタリング手数料を抑えたいのであれば、3社間ファクタリングがおすすめです。
しかし、ファクタリングの性質上、承諾を得る段階で取引先の心証を害してしまう可能性や不信感を抱かれてしまう可能性もあります。取引先との関係性を考慮した上で、慎重に判断しましょう。

取引先の信用力を示す証拠を揃える

先述したように、ファクタリングでは取引先の信用力が重点的にチェックされます。ファクタリング会社が、買い取った売掛金を期日までに回収できるかどうかは、取引先の返済能力に左右されるからです。

信用力が高ければ未回収リスクも低くなるため手数料も低くなります。そのため取引先が信用に足る会社であることを示す証拠を揃えることが大切です。取引先の企業情報が全国商工会議所などのデータベースに載っていれば理想的ですが、そうでない場合は過去の取引実績を示す資料を揃えると良いでしょう。

債権譲渡登記有りの契約にする

債権譲渡登記は2社間ファクタリングにおいて売掛債権の二重譲渡のリスクを防ぐもので、債務者以外の第三者が介入することへの対抗要件となります。ファクタリング会社が承諾するのであれば、債権譲渡登記有りの契約にすれば手数料を安く抑えられる可能性があります。ただし、債権譲渡登記を行うと法務局で誰でも登記の事実を確認できるようになってしまうため、取引先にファクタリングの利用が知られてしまう可能性がある点には注意しましょう。

債権譲渡登記を行う際、ファクタリング会社を介して司法書士に依頼する場合は約5万円から15万円の費用が発生しますが、自社で行えばこの費用はカットすることが可能です。

複数のファクタリング会社を比較する

ファクタリング手数料は、ファクタリング会社によっても異なります。ファクタリングで得られる金額は売掛金から手数料を差し引いた額になるため、手数料は低い方がベターです。

しかし、手数料が低くても、その他の事務費用などを多く請求される場合もあります。そのためファクタリングを利用する際は、複数のファクタリング会社から相見積もりを取って、比較・精査することが重要です。手数料だけではなく、入金までの速さ、買取可能額、会社の信頼性なども含めて多面的に判断しましょう。

ファクタリングを利用するメリット・デメリット


ここでは、ファクタリングを利用するメリットとデメリットについて改めて整理して解説します。

スムーズに現金化できる

1つ目に挙げられるメリットは、売掛債権をスムーズかつスピーディーに現金化できることです。金融機関から融資を受けるには、多大な資料と保証人や担保を用意して、厳しい審査を通過しなければなりません。そのため申し込んでから実際に融資が受けられるようになるまでのタイムラグが長く、時には数ヶ月以上かかる場合もあります。

その点ファクタリングであれば、融資ではなく売掛債権の買取を依頼するものであるため、審査は短期間で済みます。保証人や担保も不要です。

返金リスクが少ない

売掛債権を回収できなかった場合に、債務者(ファクタリング利用者)に支払いを請求できる権利を償還請求権といいますが、日本のファクタリングではこの償還請求権がないのが主流です。つまり、債権者(取引先)が倒産などで支払い不能になっても、ファクタリング利用者がファクタリング会社に対して支払い責任を負うことはなく、売掛金を返金する必要はありません。
ファクタリングの契約を一旦結べば、未回収リスクはファクタリング会社が負うことになるため、貸し倒れに対するリスクヘッジとしても有効といえるでしょう。

利用範囲が限定的である

ファクタリングのデメリットとしては、利用範囲が限定されることが挙げられます。ファクタリングは、売掛金や受取手形などの売掛債権がなければ利用できません。

また、ファクタリングは売掛債権を売却することで資金調達をするものであることから、調達できる金額は自社が保有している売掛金の範囲内に限られます。さらに、手数料かかかるため実際に調達できる金額は売掛金の額よりも少なくなる点は注意が必要です。
買取額の下限と上限が設定されていることもあるため、調達したい金額がその範囲内であるかを確認しましょう。

補助金制度を利用して資金調達する方法もある


ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、場合によっては利用できないこともあります。
ファクタリングや銀行融資以外の資金調達方法として、補助金を利用するという手段も有効です。中小企業や小規模事業者向けの補助金制度を把握して、いざというときのために備えておきましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、正式にはものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金といい、中小企業や小規模事業者のためのものです。働き方改革の推進、賃金上昇、インボイス制度の導入などによる環境の変化が原因で、さまざまな対応を強いられる事業者を支援するために設けられました。
具体的には、事業者が今後取り組んでいく革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善などを行うにあたって必要となる設備投資などを支援します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金が対象に据えるのは、自社の経営を見つめ直して将来へ向けた経営計画を作成した上で、販路の開拓などに取り組む小規模事業者です。
販路開拓の経費を一部補助することで、地域社会の雇用や産業に貢献している小規模事業者の生産性を向上させて、持続的に発展できるように後押しすることを主旨としています。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が自社の課題解決や市場需要への対応に合ったソフトウェアなどのITツールを導入する費用を一部支援するものです。事業者のIT化を支援することで、業務効率化や売上げの向上を実現することを目的としています。

IT導入補助金は通常枠とデジタル化基盤導入枠の2枠があり、前者は生産性向上に寄与するITツール全般、後者はITツールに加えてパソコンやタブレットなどのハードウェアも対象です。補助金を受けるには、IT導入支援事業者のサポートを受けながら電子申請する必要があります。

慢性的な資金不足に困ったら「ファクタリングロボ」

ファクタリングは、売掛金をすぐに現金化したい場合や未回収リスクを防ぎたい場合に有効な手段です。しかし、手数料が高額になりやすい点には注意が必要です。

資金繰りにお困りの企業のご担当者様は、ROBOT PAYMENTの「ファクタリングロボ」の導入をご検討ください。

ファクタリングロボ」は、企業が保有する売掛債権を支払期日前に現金化するサービスです。最短5営業日で債権を現金化できるため、キャッシュフローの改善に役立つ画期的な資金調達手段です。担保や保証人が不要なので、銀行融資より手軽に利用できることが特長です。また、与信・請求・代金回収・督促まで請求業務の代行も請け負います。

なお、提供元の株式会社ROBOT PAYMENTは決済代行会社として取引先と接するため、ファクタリングの利用を知られる心配はありません。継続的なファクタリング専用で、通常難しい少額の売掛債権もまとめてファクタリングできるため、資金繰りにお困りの企業のご担当者様は、お気軽に「ファクタリングロボ」にご相談ください。
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。