会社の与信はアウトソーシングがおすすめ!利用による利点と弊害なども解説
信用を供与することで後払い決済を可能にする与信は、企業取引の円滑化に欠かせません。一方で、その管理は煩雑で従業員に負担をかけることにもなり得ます。信用取引の可否の判断には細心の注意が必要なうえに、いざ未回収金が発生すれば回収のための業務を通常の業務と並行して行わなければなりません。
そこで積極的に活用したいのが与信管理のアウトソーシングです。与信管理を外部に委託できれば、企業は経営資源をコア業務に集中できるだけではなく、与信によって発生する多くの問題から解放されます。
この記事は与信管理のアウトソーシング化による利点と弊害についての解説です。与信管理でお悩みの経営者の方はぜひご覧ください。
与信に関する基礎知識
具体的にどのような業務を外部委託できるのでしょうか。まずは基礎知識として「与信」と「与信管理」について解説します。
与信とはどのような業務
与信とは、取引先を分析・評価し、企業ごとに信用を供与することです。頻繁かつ継続的に取引を行う企業間では、売買成立のたびに清算を行うと取引業務が煩雑になってしまうため、支払日を定めて後払いで一括清算するのが主流です。
しかし、この取引には販売代金が回収できないなどのリスクが伴います。そこで、取引前に相手企業の経営状況や資産を分析・評価し、取引の判断基準とします。この信用のデータ化が与信です。
与信管理とは
与信管理とは、企業の経済状況を分析・評価することで与信を増減することです。好況な企業に対しては与信を高く評価し取引を拡大して収益増加を目指す一方、倒産する可能性が高くなっている企業に対しては与信を低く評価し、取引を縮小してリスクの回避・低減をします。
与信管理は、自社の利益に沿った与信のコントロールといえます。
与信はアウトソーシングがおすすめ
アウトソーシングとは企業がコア事業に注力するために、その他業務を外部に委託することです。中小企業が自社での与信管理を行うには多くの障害があります。そこで、ここでは自社での与信管理で生じる課題と、アウトソーシング活用によってもたらされる変化について解説します。
与信管理に生じる課題
中小企業が与信管理を行うのは困難です。理由としては以下の問題点が挙げられます。
・担当者が与信管理に注力できない
中小企業では担当者が与信管理に注力できない事態に陥りがちです。人手が足りない中小企業では、担当者が通常業務と与信管理を兼任することが大半といっていいでしょう。
しかし、与信管理は企業の存続に関わる業務です。慎重かつ継続的に行う必要のある業務だけに、兼任は望ましくありません。もしも担当者が通常業務に忙殺されて、取引先の危険な兆候を見逃してしまったら取り返しのつかないことになります。
・ノウハウと時間が必要とされる
与信管理にはノウハウと時間が必要なのも、中小企業での実行が困難な理由です。与信管理には適切な審査フローのマニュアル作成や、専門知識を持つ人材育成が不可欠です。
しかし、これらは一朝一夕で可能なことではありません。とくに設立間もない新規企業や少数精鋭企業は他業務に忙しく、ノウハウの蓄積が困難です。そのため、中小企業では与信管理に取り組んでもノウハウの蓄積が足りず効果を得られなかった、という事態が起こり得ます。
・中小企業には決算書開示義務がない
中小企業に決算開開示の義務がないことも中小企業の与信管理リスクを高めています。これは、赤字経営の中小企業は好景気を装うことができるということでもあります。このような粉飾企業に被害に遭う確率が高いのは、取引先として規模感が似ている一般中小企業です。加えて、中小企業は大企業に比べて情報調査に人手を回しにくい状況にあり、与信管理を困難にしている要因といえるでしょう。
アウトソーシングでどうなる?
アウトソーシングを活用すれば、上記の問題点はすべて解決可能です。ノンコア業務を外部委託すれば従業員をコア事業に集中でき、兼任によるリスクを考える必要はなくなります。また、ノウハウが蓄積できていなくても、最初から専門家による質の高い与信管理が期待できるでしょう。
加えて、アウトソーシングでは債権を100%保証するサービスもあるので、これを利用すれば新規取引でもリスクを恐れず取引先を開拓することが可能です。
与信をアウトソーシングすることによる弊害も理解しておく
与信業務をアウトソーシングすることは問題点を解決できる一方で、弊害もあることも理解しておく必要があります。ここでは、外部委託によって起こりやすい3つのリスクについて解説します。
コストが大幅にかかるケースがある
アウトソーシングは有料サービスなので、利用方法によってはコストが高くなる可能性があります。業務委託は件数が多ければ多いほど費用がかさみますし、スタッフが出向するケースでは時間で追加料金が発生します。
アウトソーシングには業務効率化によるコスト削減効果もありますが、その効果が得られるかどうかは職場の環境次第です。効果を測るためにも、活用にあたっては事前のコスト計算と現状把握が欠かせません。
業務ノウハウが蓄積されない
社内で与信業務を行っていけばノウハウは自ずと企業に蓄積されていきます。しかし、アウトソーシングを利用してしまえば、その機会は訪れません。
ノウハウが蓄積されなかった結果、外部に依存しなければ業務が進められない企業になってしまう恐れがあります。
情報漏洩のリスクがある
アウトソーシングするには秘匿情報を外部に渡す必要があるため、情報漏洩のリスクが高まります。与信管理を含む請求業務では、売上情報、取引先情報、商品情報を渡さなくてはなりません。仮にこれらの情報が漏洩した場合、企業の社会的信用は低下し、重要取引先の取引停止や株価下などの損害が発生する可能性があります。
与信のアウトソーシングを活用するコツ
一定のリスクは生じるものの、アウトソーシングがコア事業成長に効果的な手段であることには変わりありません。ここでは、アウトソーシングを効果的に活用するためのポイントを紹介します。
サポート対応を確認する
予想外の事態にも柔軟にサポートしてくれるアウトソーシング先か確認しておきましょう。業務量は常に一定ではなく、景気や状況によって増減します。
例えば、自社商品がテレビ番組で大々的に紹介されて流行し、受注量が一気に跳ね上がったとしましょう。この場合、企業側はスポット的に増えた請求業務のために、社内の他部署から人員を派遣してもらったり、新規スタッフを採用したりする必要が出てきます。しかし、これらの人材が業務を滞りなくこなせるまで育てるのには労力がかかります。さらに、受注増加は一過性もので、流行が廃れると同時に受注量が元に戻るかもしれません。
一方で、このような事態に備えて一時的な業務増減に対応できるアウトソーシング先を見つけておけば対応はスムーズです。増えた分だけ委託先に回せれば、仕事の質を落とさずに済み、業務内容の変化も最小限に抑えることができます。また、流行が過ぎて受注量が下がっても、委託する業務量を減らすだけで済むため、最小限の人件費を維持できるのもメリットです。
特に対応力の高いアウトソーシング先を選んでおけば、万が一の事態に陥っても負担を軽減することができるでしょう。
セキュリティ水準を確認する
アウトソーシング先のセキュリティ水準は、リスクを回避するために優先すべき選考基準です。先述した通り、情報漏洩によってもたらされる被害は甚大です。サービス選定時は、以下の4つの項目をチェックしましょう。
・スタッフ研修が行われているか
・第三者に定期的な監査を実施しているか
・健全な企業経営を行っているか
・脆弱性対策は十分か
また、情報漏洩の発生してしまった時に備え、被害を軽減するために損害賠償を含んだ秘密保持契約を締結しておくことも大切です。
一般的なアウトソーシングとは異なるBPOサービスもおすすめ
アウトソーシングは外部委託全般を指す言葉でもあります。そのため、同じアウトソーシングでも、それぞれの名称によって一般的なアウトソーシングと性質が異なるものがあり、その一つがBPOサービスです。ここでは、BPOサービスの概要・対象業務・選び方の3つを紹介します。
BPOサービスの概要
BPOとはBusiness Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略称で、業務プロセスをすべて一括して委任することです。
一般的なアウトソーシングは、単一的もしくは一時的な業務を外部委託します。一方、BPOサービスは、ノウハウのない業務やノンコア業務を一括して継続的に外部委託するものです。
両者はコア業務への集中を目的に活用する点では共通です。しかし、その業務範囲や期間は異なります。
例えば、一般的なアウトソーシングが庶務業務や労務管理など総務業務の一部を切り出して委託するのに対し、BPOサービスでは総務業務そのものを委託します。BPOサービスでは部門単位で請け負っていた業務の全てを委託するケースもあり、一般的なアウトソーシングと比較して業務範囲が広いのも特徴です。
BPOサービスの対象業務
BPOサービスの対象となる業務は多岐にわたります。ここでは、各業務分野での活用例を紹介します。
・管理部門
総務では総務事務や庶務業務全般、人事では給与計算業務や勤怠管理、経理では取引先への請求業務から仕訳・記帳・決算などが中心業務として挙げられます。これらの業務はクラウドサービスなどを活用することで円滑化ができる定型業務が多く、BPOサービスと相性が良い業務分野です。
・システム部門
Webサイト制作・運営や、アプリやシステムの開発・運用などのITに関連した業務でもBPO化が進んでいます。情報社会で活動する現代企業においてIT関連業務は必ず生じるものです。
しかし、その範囲は広く、新技術も次々と登場するので、すべてを自社のみで網羅するには多くのコストがかかります。加えて、技術の維持にも人材育成や新しい設備を継続してコストを投入し続けなければならないという性質もあります。
その点、BPOサービスを活用すればITに特化した人材を即投入でき、従業員の負担を減らしつつ業務効率化が図れます。
・コールセンター
電話やWebチャットを通じてコンタクトを取るコールセンター業務は、BPOサービスの中でも導入実績が豊富なジャンルです。商品やサービスの問い合わせなど電話受け付ける受電業務だけでなく、確認電話やアンケート、サービス案内や営業活動などの発信する架電業務も任せることができます。
単一業務だけのアウトソーシングとは異なり、「見込み顧客データの集約」や「問い合わせのマーケティング活用」など顧客分析を委託することができるのも魅力です。
BPOサービスの選び方
BPOサービスは以下の選定基準を設けて比較検討しましょう。
・業務実績
専門性の高い業務になるほど、事業者の実績が重要になります。サイトの導入事例などを確認し、BPOサービスを導入した企業、成果について確認しておきましょう。受託数だけでなく、実際の成果や品質についての評価を調査して比較するのがポイントです。
・柔軟なBPO拡張の可否
イレギュラーが発生した際にBPO拡張が可能かどうかも重要な選定基準です。BPOサービスが突発的な業務の発生に対応できなければ、緊急時に備えて業務内容を把握している人材を確保しておく必要があります。
また、企業成長に伴い将来的にBPOサービスを拡張していくという選択肢も、サービス側にキャパシティがなければできません。
・セキュリティ対策
情報漏洩リスクを回避・軽減するために、BPO企業が万全なセキュリティ対策を取っているかチェックしておきましょう。情報漏洩が発生すれば、仮に責任がBPO企業側にあっても、企業イメージを大きく損なうことになります。
このリスクを回避・軽減するためにも選定の際は、BPO企業が「プライバシーマーク」や「ISMS認証」などを取得しているか確認することが大切です。「プライバシーマークは」は個人情報を適切に取り扱っていることを、「ISMS認証」はセキュリティ対策が国際基準に達していることを証明するものです。
認証取得を評価したうえで、具体的にどのようなセキュリティ対策を講じているのか確認して選定しましょう。
請求業務のアウトソーシングは「請求まるなげロボ」にお任せ!
与信はリスク管理には欠かせない業務ですが、業務の継続と人材育成には多くのコスト割く必要があります。そのため、とくに人員が少ない中小企業では、業務委託した方が効率的に進められる場合も少なくありません。
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