会費徴収を漏れなく行うためには?徴収システムについても紹介
スポーツクラブやカルチャースクール、セミナーなどを運営・主催した場合、会費を徴収する仕組みも検討する必要があります。月謝袋などで現金を直接受け取るケースも多く見受けられますが、管理が煩雑になりやすく、また防犯上の観点からもおすすめできる方法とはいえません。
そこでこの記事では、会費徴収のポイントや課題、会費徴収システムなどについて解説します。より効率的で安全性の高い会費徴収方法を探している方は、ぜひご一読ください。
会費徴収のポイント
ここでは会費徴収のポイントとして、徴収するタイミング、徴収手段、会費の管理方法について解説します。
徴収するタイミング
会費を徴収するタイミングは、よく考えて設定しないと集金ミスで損をしたり、参加者とトラブルになったりすることがあるため注意が必要です。例えば単発的なイベントを開催する場合は、イベントの前に徴収するのか、イベントの後に徴収するのかを決めておく必要があります。徴収するタイミングを決めたら事前に参加者にいつ、いくら徴収するのかを伝えておくと親切でしょう。ただし、イベント後は、多くの参加者は早く帰りたいと思っています。また、退場時の混乱で徴収漏れが起こるリスクもあるため、イベント前に徴収した方が徴収漏れが起こる可能性は低くなります。
習い事のように毎月会費が発生する場合は、月の何日に徴収するかを決めておきましょう。
徴収手段
会費を漏れなく徴収するためには、徴収手段の確立も大切です。考えられる支払い手段としては現金徴収が最も一般的ですが、それ以外にも銀行振込、口座振替、コンビニ決済など様々な手段が候補に挙げられます。
現金徴収であればその場で集金できるという手軽さはありますが、個別会計と現金を管理する手間がかかります。一方、銀行振込、口座振替、コンビニ決済であれば、支払う側にとっても徴収する側にとっても現金徴収よりスムーズに手続きできることから負担は低く、会費が集まりやすいと言えるでしょう。
なお、徴収手段は選択肢が多ければ多いほど回収率が高くなりますが、郵便局、銀行、コンビニなどの出店が会員の住むエリアにあるかどうかといった、地域特性の考慮も必要です。
会費の管理方法
お金の出入りは動きがある度に帳簿に記録することになりますが、帳簿の管理はエクセルや管理システム、紙帳簿のいずれかの方法がとられるのが一般的です。
エクセルは大抵のパソコンにインストールされていることから多くの企業で使われています。しかし、帳簿ファイルが破損したり、どれが最新のファイルか分からなくなったりすることもあるため、定期的なバックアップと運用上のルール制定が必要になります。
管理システムは安定性や管理の効率性という点では優れていますが、導入コストについて費用対効果の検証が必要です。
紙帳簿は小規模の団体には有効ではあるものの、書き間違いや書き忘れといったミスが起こりやすく、管理が属人化しやすいというデメリットがあります。
会費徴収の課題
会費徴収の課題として、入金消込と未払い者への督促があります。以下にそれぞれについて解説します。
入金消込
会費の入金が確認されたら、未収金や売掛金などの請求額と実際の入金情報を突き合わせて債権・債務の残高を消していく入金消込の作業を行います。
クレジットカード決済やコンビニ決済であれば、支払者情報と入金情報を並べてチェックできることから、ミスが起こる確率は低いでしょう。しかし、銀行振込の場合では、会員が会費を銀行で振り込む際に会員番号を手動で入力してもらう必要があります。したがって、入力ミスや入力漏れが起こる確率も高く、その場合は1つずつ名前と突合して確認しなければならず、照合に時間がかかってしまいます。
また、目視でチェックを行う以上は、細心の注意を払っていてもヒューマンエラーが一定の確立で発生してしまうのです。ミスが発生すれば帳簿の修正のみならず、場合によっては会員への謝罪を必要とする案件に発展してしまう可能性もあり、ミスのフォローに時間をとられてしまう恐れもあります。
未払い者への督促
期日になっても会費が振り込まれず、未払いのままになっている会員がいる場合は、対象者へ電話やメール、郵便などで督促して入金してくれるよう依頼する必要があります。
督促に応じてもらえない場合は、法的措置を検討する必要が生じることから、未払い者への対応は非常に負担の大きい業務と言えます。
会費徴収システムとは
会費の効率的な徴収には、会費徴収システムを利用するのが有効です。ここでは、その仕組みとシステムのタイプについて解説します。
仕組み
会費徴収システムとは、会員制で利用者を募っているビジネス形態において、会員情報を管理したり、月々の会費の決済や入金を管理したりする機能を備えたシステムを指します。また、会費の管理機能のみならず、予約を受け付けたり、新規会員の入会を受け付けたり、会費支払期日のリマインドメールを発信したりと、様々な機能を複合的に搭載しています。
会員数が少ないうちは、手作業で管理していても問題ないかもしれません。しかし、会員数の規模が大きくなると、会員情報や入金情報の管理が行き届かなくなってしまいがちです。会費徴収システムを導入すれば、煩雑な事務作業の負荷を軽減し、顧客への対応にミスが減り、多様な決済手段の提供が可能となります。事務作業を効率化して顧客対応品質を向上させれば、新たな会員の獲得につながるといった副次的な効果も期待できるでしょう。
システムのタイプ
会費徴収システムは、管理業務の効率化に特化したタイプと、新規会員獲得に特化したタイプの2種類に分けられます。
前者は、会員情報と決済情報を紐づけて管理業務の効率化を図ります。会費の徴収サイクルを入力すれば、その後の引き落としと入金結果の反映や、未払い者への督促といった作業を自動化することが可能です。システムによっては、教材費のような突発的な会費が発生しても徴収が柔軟に対応できるものもあり、習い事や塾での活用にも向いているでしょう。
後者は、オンラインで入会申し込みができる機能を搭載し、気軽に申し込みができる仕組みで入会のハードルを下げます。入会後もオンラインでコースの選択、講師の指名、会場の検索などを行うことが可能です。個人指導を受けるフィットネスクラブや画面上で講義を受けるオンラインセミナーなどとも相性が良いシステムです。
会費徴収システムを導入するメリット
会費徴収システムを導入するメリットとして、入金管理の効率化・未払いの防止と新規会員の獲得が挙げられます。ここでは、各メリットを詳しく解説します。
入金管理の効率化と未払いの防止
会費徴収システムを導入すれば、会員情報と入金情報を一元的に管理することが可能になり、事務作業効率の向上が期待できます。会員が決済手続きを終えれば入金情報が自動的に反映されることから、人的ミスの抑止と入金管理業務負荷の軽減も図れます。さらに、会員ごとの入金ステータスがリアルタイムで把握できるため、会費が未払いのままになっている会員を見逃す心配もありません。
会費の決済が失敗に終わった会員については、自動的にリマインドメールを送信し、入金を促します。また、オンラインで入会申し込みができることから、申し込み業務の簡略化ができます。
新規会員の獲得
提供しているコースの中身に興味を持ったとしても、入会申し込みやコース予約などに手間がかかるようでは、入会することを検討していた見込み客は離脱してしまいます。そこで、入会申し込みをはじめとする各種の手続きをオンラインで完結できるようになれば、顧客の利便性の向上につながり新規会員の獲得に有利に働くでしょう。
また、クレジットカード決済、口座振替、電子マネー決済などの各種の決済手段を用意すれば、現金を直接やり取りする煩わしさや銀行振込のために銀行に出向く手間と振込手数料を省くことができます。これは新規会員への大きなアピールポイントになるでしょう。
会費徴収システムの選び方
ここでは、会費徴収システムの選び方を要点ごとに解説します。
会費徴収のサイクル
カルチャースクールや習い事の月謝のように、毎月決まった日に引き落とすのであればほぼ全ての会費徴収システムで対応が可能です。しかし、半年や1年に1回といった通常よりも長いスパンや、週に1回などのように極端に短いスパンは、システムによっては対応できない場合もあります。
また、会費徴収のタイミングが定期的でなく変動的な場合も注意が必要です。そのため、システム導入にあたっては、求められている徴収スパンに対応しているのかをチェックするようにしましょう。
会員の属性
会費徴収システムと会員との相性を考える時、会員の属性を考慮することも必要です。属性とは、年齢や性別、職業、居住地などの個人的な情報です。例えばWeb上で支払い方法の登録を済ませられるシステムは、現役世代の人達にとっては非常に便利なものです。一方、会員の多くが高齢者というケースでは、書面での登録の方が好まれるでしょう。
このように、一見便利に見える会費徴収システムも、会員の属性によっては想定していたようにはうまく機能しないことも考慮に入れる必要があります。
導入する決済手段
ユーザーの多様化するニーズに応えるためには、多様な決済手段に対応している会費徴収システムを導入することも大切なポイントです。例えばクレジットカード決済にしか対応していないと非保有の顧客を受け入れることができず、機会損失につながります。この場合は口座振替を導入するといいでしょう。
クレジットカードは持っているものの、カード情報を入力することに抵抗を感じる人に対しては、コンビニ決済の導入がおすすめです。
外部との連携性
会費徴収システムは、単独ではメリットを最大限に引き出すことはできません。つまり、外部システムと連携できるかも費徴収システムを選定するうえで重要な判断要素になります。特に既存の会計システム、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)などと連携できるかどうかによっては、導入後に経理業務の効率化レベルに大きな差が出てくるでしょう。
また、会費徴収システムの会員管理機能とスマートフォンアプリのスマートロック機能を連携させることができれば、入退室の管理を自動化して受付業務を省力化することが可能です。
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