どうするのが効率的?入金確認の方法を解説
月末になると発生する、取引先からの振込確認(入金確認)と入金消込の作業。
その数は数十件から数百件と、会社の規模によって異なりますが、一件ごとに、入金額のチェックをかけていくのは大変な作業です。システムを活用するほかに、効率的かつ間違いのないチェック方法はあるのでしょうか?
入金管理のおもな業務内容
ここでは入金管理を行う際に発生する4つの主な業務内容について解説します。
入金確認
入金確認は入金管理の基本とも言える業務で、指定口座に入金があったかどうか、そしてその入金内容は正しいかを確認する業務です。こう言ってしまうと単純な作業のように聞こえますが、取引先が多くなってくるとそれに比例して作業量が増えるうえに正確を期さなければいけないため中々容易なものではありません。
確認すべき項目としては、どの取引先からの入金なのか、どの案件が入金されたのか、請求金額と入金金額に相違はないか、入金された日付はいつかなどです。入金確認の中で注意したいのが振込手数料をどちらが負担するかです。自社(請求する側)が負担する場合は請求金額から振込手数料を引いた額が、取引先(入金する側)が負担する場合は請求金額と同じ額が振り込まれます。
いずれの場合でも振込手数料を節約するために複数の案件を合算して振り込まれる場合があり、合算された案件がどれなのかを逐一確認必要があります。
入金消込
入金消込とは入金が確認された後に売掛金として計上している金額と相違ないかを照らし合わせ帳簿上の売掛金を消していき、資産などへ仕訳をしていく作業のことです。例えば商品の購入を契約した際では受注した段階では借方には売掛金(資産)として商品金額、貸方には売上(売上)として商品金額を記入します。入金確認後は借方に預金(資産)として商品金額、貸方に売掛金(資産)として商品金額を記入し、売掛金が相殺されることで入金消込が完了します。
ここでも手数料をどちらが負担するかで売上額と入金額に差が生じることがある点に入金確認同様注意が必要です。取引先が多くなると手数料の確認が煩雑になりますが、手数料は一般的に330円や440円のように分かりやすい金額になっていることが大半です。入金消込は通帳と帳簿を照らし合わせながら進める作業ですが、手作業で行う場合には取引先が多くなると確認作業に多大な時間を要することもあります。
未入金の確認と催促
入金消込を行った結果として指定した期日までに入金が確認できなかった案件が見つかった場合は、自社側で請求書の金額や内容に問題はなかったかなどを確認したうえで催促を行います。自社側で問題があったり取引先が入金しているにもかかわらず誤って催促したりすると信用を失墜する可能性もあるため催促を行う際は慎重に対応を行うことが必要です。不備や判断ミスがなくて未入金のあることが確認されたら取引先に電話やメール、郵送などで支払いを催促します。
その際入金期日よりも日が空いてしまうと取引先が支払いに応じてくれる確率が下がるため、未入金が確認されたら迅速に行動することが必要です。取引先への催促は特に決めごとがなければ通常は営業部門が担当しますが、会社によっては経理部門が担当する場合もあります。
入金予定の確認
入金予定の確認では請求情報をまとめていつ・どの取引先から・いくらの入金が予定されているかを整理して管理します。実際の方法としては契約を受注した際に請求予定日を起算日として入金予定日を割り出すことが多く行われています。取引先によって締め日の翌月25日や翌月末日など支払いサイトは異なるため、取引先ごとに支払日と支払いサイトを正確に管理することが必要です。
入金予定を正確に把握しておけば次回の入金消込の作業負担が軽減され、請求漏れが防止され、キャッシュフローの見通しが立ち、資金繰りが改善されて経営の安定にもつながります。上述の入金確認との混同を防ぐためには入金予定が一目で分かる受注入金管理表を作成しておけば管理しやすいでしょう。掛け売りで取引をした場合は商材を納入してから入金されるまで早くても1ヶ月、場合によっては数ヶ月かかることもあるため、入金予定日は常に把握しておくことが必要です。
手作業での消し込みは大変……
手作業で対応している場合は、請求書の一覧を作成して、通帳記帳をして、1件ごとにすべて手作業で消し込みをし、入金が正しく行われているかを確認します。現在でも、件数が少なければ振込確認はこの方法で充分です。しかし、入金するお客様が毎回異なっていたり、金額が細かいうえに膨大な数になったりするようであれば手作業は効率がよくありません。この振込確認を含めた経理業務を、スピーディに間違いなく行うためには、どのような方法があるのでしょうか?
専用ソフトやクラウドサービスを利用する
ひとつは、クラウドサービスを利用して振込確認を行なう方法です。
ROBOT PAYMENTが提供する請求管理ロボ(銀行振込決済)。バーチャル口座(仮想口座)が利用でき、お客様に対してそれぞれ仮想口座を1つ割り当て入金先口座として案内します。そうすると、ROBOT PAYMENT側が口座への入金を定期的に確認し、振込の確認がされると自動的に振込元(請求書)を特定し消し込みまで行なってくれます。未回収があった場合には、アラート通知が届くため、未回収先の早期発見ができ、入金の呼びかけも簡単です。申込みの際に、新たな口座開設を行なう必要もありません。
他にも、銀行振込を自身でチェックする販売管理ソフトや、ネットバンク口座から入金情報を取得して自動的にアップデートしてくれるクラウドサービスなど、振込確認の方法はいくつかあります。導入費用と人件費、業務配分のバランスを考えて、こういったサービスを利用することも検討してみてはいかがでしょうか。
入金照合を外部に委託する
振込確認を含めた、経理業務の一部を外部に委託する方法もあります。これらのサービスは、一般的に集金代行サービスと呼ばれており、銀行振込、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座引落しなど、さまざまな集金パターンに対応しています。
通信販売などお客様が固定でなく、クレジット、コンビニ、銀行、代引など多くの支払い方法を提供する必要があるビジネスでは、このようなサービスを利用すると業務効率があがるでしょう。
また、月謝や家賃など、特定の日に相手の口座から自動引落としをするサービスに対応しているものもあります。この場合、引落とし日が選択でき、引き落とし結果は設定日の数日後くらいにアップデートされます。さらに数日後に、自社の口座に合計金額が振り込まれるという流れです。結果が確認できた時に、引落とし不能のお知らせがくるもの、再度振替日を設定できるものなどもあります。
こういったサービスを利用すると、引落としのご案内をハガキでお知らせする必要も、請求書発行や領収書発行の必要もなくなります。振込確認だけでなく、年間合計表もシステム的に作成できることから、顧客管理にも活用できます。
入金内容に誤りがあった場合
入金管理をしていると入金内容に誤りを発見することもあるでしょう。以下に対応方法について解説します。
請求金額よりも少ない額が入金された場合
請求書に記載した金額よりも少ない額が入金された場合は、ミスが自社にないかを確認したうえで取引先に早やかに連絡して入金額が不足していることを伝えて不足分の入金を請求します。新規の取引や限定的な取引の場合ではこの方法が適切です。ミスがこちら側にある場合は請求書の破棄をお願いして正しい請求書を送りなおします。
定期的な取引を行っている場合でもミスの確認と速やかな連絡が必要ですが、不足分のみの入金を依頼するよりも不足分を次回の請求時に繰り越して再請求することも検討したほうがいいでしょう。そうすれば振込手数料が節約でき取引先が再入金する手間を削減できます。なお請求金額の不足分について改めて請求書を発行する必要はありません。改めて請求書を発行すると同じ内容の取引が2回あったと混同する恐れがあります。
請求金額よりも多い額が入金された場合
請求書に記載した金額よりも多い額が入金された場合でも、上記同様ミスの確認と速やかな連絡が必要です。多く入金された場合ではいくつかの対応方法があります。
1つ目は入金された額を全額返金して改めて正確な金額を入金してもらうことです。少額の取引や単発的な取引なら過入金を計算してその分だけ新たに伝票を起こして返金するよりは手間が少ないでしょう。
2つ目は多く入金された分だけを返金することです。お金の流れを正確に記録して過入金があったこと・多く入金された分だけ返金したこと・請求金額と入金金額が今は一致していることを記録に残したいならこの方法が適しているでしょう。1つ目の方法と2つ目の方法は新規の取引や限定的な取引に向いています。
3つ目は多く入金された分を次回の取引時に請求金額と相殺することです。この方法であればお金の動きに追加はなく振り込み手数料や手間を削減することが可能です。定期的に取引をおこなっているのならこの方法が適しているでしょう。
返還請求の時効
請求金額よりも多く入金されたお金は取引先にとっては返還請求できる権利を持ったお金であり、このことを過払金返還請求権と呼び、民法で規定されている不当利益返還請求権の一つです。しかしながらこの権利を行使できる期間については時効があり、請求金額よりも多く入金された側が何もしないのであれば支払った側が時効消滅前にアクションを起こさねばなりません。
民法によると2020年3月までについては返還請求権を行使できる時から10年間で時効が消滅するとされています。2020年4月以降については返還請求権を行使できると知った時から5年間または行使できる時から10年間のいずれか早く到達したほうまでです。行使できると知った時とは請求金額よりも入金金額のほうが多いと判明した時、行使できる時とは取引終了時のことです。
入金管理のよくある課題
入金管理には何かと課題がつきまといます。以下に例を挙げて解説します。
目視・手作業によるリスク
入金方法が銀行振り込みである場合では、顧客情報と入金情報がひもづいているクレジットカード決済とは異なり、入金情報を手作業で一つ一つ帳簿に入力して管理せねばなりません。このような目視と手作業による入金管理では帳簿への入力を忘れてしまったり誤った入金額を帳簿に入力してしまったりといった人的ミスが起こりやすいものです。そして人的ミスが不要なトラブルを起こすリスクが高まる原因にもなり得ます。
例えば未入金であるにもかかわらず消し込んでしまって売掛金を回収できなくなったり、既に入金されているにもかかわらず消し込みが漏れて二重に請求してしまったりする可能性も否定できません。目視によるチェックは常にミスと隣り合わせで担当者にとって非効率的であるだけでなく、ミスがあればその修正にさらなる時間を要します。
請求名義と振込名義が異なる
入金管理の実際の作業としては通帳に印字されている振込人名義と請求書を送付した取引先名(請求名義)を紐づけて確認するのが基本です。しかし振込人名義と請求名義が異なっていたり、同姓同名の取引先があったりした場合には請求書番号などの他の情報から振り込んだ取引先を特定せねばならず余計な手間と時間がかかります。
また振込人名義はカタカナで記載されるため一見しただけではどの取引先からの入金であるかを判別するのが難しかったり、類似した名前の取引先と取り違えたりすることも珍しくありません。入金管理をシステム化したとしても請求名義と振込人名義が異なる場合の対応は作業の定型化が難しく、経理担当者が一つ一つ確認するしかありません。
未入金発生時の繰越請求の管理
未入金が発生した場合は消し込みをせずに次月にまとめて繰越請求を行うことがあります。この場合では前月までの未入金額(繰越残高)と今月の請求金額を合算してトータルでいくらになるかを確認して請求する作業が発生します。両方の月にまたがって手続きをしなければいけないこと、請求金額と売上に計上した金額に差異が生じること、繰越請求する未入金額と今月の請求金額との判別が難しくなることなどが課題です。
入金管理がシステム化されていない場合では経理担当者が個別に対応せねばならず、繰越請求した金額が入金されるまで手が離れません。繰越請求した金額は正確な把握を要し、それができないと売掛金の未回収にもつながりかねません。繰越請求を適切に管理するためには入金管理業務を標準化して属人性を排し、関係部署間で情報が共有できる体制を構築することが大切です。
入金管理の効率化は「請求管理ロボ」にお任せ!
入金管理は会社の事業規模が大きくなって取引先の件数が増えるとそれに比例して煩雑化するものです。入金管理が滞ったり間違いが起こったりすると月次決算にも影響が出るため経理担当者は遅滞なく正確に入金管理をしなければなりません。
入金管理の効率化をお考えならROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。
「請求管理ロボ」は、毎月の請求業務を最大80%削減する請求管理・債権管理システムです。請求書の発行や送付、集金、消込、催促などの売掛金管理を全て自動化し、人的作業を減らしてミスを防ぐとともに、経理業務の効率化を実現します。
加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。
なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに700社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。