前受金が負債科目となる考え方を解説!その他の流動負債も!
勘定科目は種類がとても多く、言葉の意味を混同しやすいので困っている経理担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでこの記事では、勘定科目の前受金に注目して詳しく解説します。前受金が負債科目となる考え方や、その他の流動負債についても分かりやすくお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
前受金を負債科目とする考え方
会社の経営や財産バランスを表す「貸借対照表」の内、前受金は「負債」を表す勘定科目として用いられます。
帳簿の要素は、大きく分けて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つです。帳簿を基に、「貸借対照表」や「損益計算書」などの決算書が作成されます。「資産」「負債」「純資産」から構成されている「貸借対照表」は、会社の経営や財産バランスを表すものです。「収益」や「費用」、収益から費用を差し引いた「純利益」から構成される「損益計算書」は、会社の収益や費用、利益率を表しています。
負債は、「流動負債」と「固定負債」の2つに分類可能です。1年以内に支払うものを「流動負債」、1年以上かけて支払うものを「固定負債」と呼びます。前受金は流動負債に分類されることが一般的ですが、受領から商品・サービスの提供までに1年以上を要する場合は固定負債に分類しなければなりません。
前受金はなぜ負債になるの?
前受金は、商品・サービス提供の「義務」が残っていることから、「負債」として扱われます。
前受金は受け取る時点において、事業者はお客様に商品やサービスを提供していません。そのため、契約上としては預り金としての意味合いを持っています。もしお客様よりキャンセルの依頼が来た場合は前受金を返還しなければなりません。
なお、実際に商品やサービスを提供し終えたら「売上高」という勘定科目に振り替えます。
前受金の概要や仕訳については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▶「前受金とは?仕訳例や紛らわしい勘定科目、適切な管理方法を解説」
その他の流動負債
それでは、前受金以外の流動負債にはどういったものがあるでしょうか。ここでは代表的な3つの流動負債についてそれぞれ解説します。
引当金
引当金(ひきあてきん)とは、将来高い確率で発生が想定される特定の費用や損失に備えるため、事前に準備しておく見積もり金額を指します。そして引当金は大きく評価性引当金と負債性引当金の2つに分けられます。
評価性引当金は将来の損失に備えて資産から控除されるもので、貸倒引当金や投資損失引当金などが該当します。一方で、負債性引当金は将来の支出に備えるためのもので、賞与引当金・退職給付引当金・修繕引当金などが該当します。
引当金の考え方で気を付けたいポイントは、現金などを積み立てて将来に備えている資金ではない点です。将来の負債を想定して計上するのが引当金であり、定期的な現金の積み立てとは別物です。また、内部留保とも混同されますが、あくまでも引当金は費用もしくは損失の会計上の処理だと覚えておきましょう。
短期借入金
短期借入金とは、返済の期限が1年以内に設定されている借入金を指します。具体例としては、金融機関からの借入、関係会社からの借入、個人からの借入などで、返済期限が1年以内であれば短期借入金に分類されます。返済期限が1年を超えるようであれば、長期借入金に分類されるので注意しましょう。
また、短期借入金には証書借入・手形借入・ファクタリング・当座貸越と4つの種類があります。証書借入は、借入において最も代表的な方法で、金銭貸借契約証書を用いて借入を行います。手形借入は、企業が振出人となり、受取人を金融機関とする約束手形を活用する取引方法です。続いて、ファクタリングは売掛債権をファクタリング業者に買い取りをお願いする資金調達方法、当座貸越は小切手を発行しての調達方法です。
仕入債務
仕入債務とは企業が商品やサービスを購入したものの、支払いをすぐに行わずに後で支払うことを約束した債務を指します。仕入債務の種類には買掛金と支払手形があります。
買掛金は、掛買いによる仕入など、通常の営業取引により発生した債務を処理する負債勘定です。支払手形は、引き受けた為替手形や約束手形などの手形債務を処理する負債勘定です。この2つの分類を考える際は、手形発行の有無をチェックすると良いでしょう。
また、支払手形の場合は仮に支払い金不足などで、6ヶ月以内に手形の不渡りを2回出すと銀行取引停止処分というペナルティが設けられています。そのため、買掛金に比べて支払手形の方が、お金を期日どおりに回収しやすい仕入債務といえるでしょう。
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