クラウド型会員管理システムの強みとは?活用シーンやメリットなども紹介
各種サービスやECサイトなど、会員制の事業を展開していく上では、適切な会員管理をしていくことが大切です。事業の費用対効果や顧客満足度だけでなく、売上を向上させるために必要となります。会員情報をエクセルに手入力して管理している事業者も多く見られますが、会員数が増えるにつれて作業が煩雑になり、人的ミスを誘発する原因になる点に注意が必要です。また、エクセルでは担当者によって入力の仕方や項目の設定方法が異なることが多々あり、会員管理業務が属人化して担当者が変わった時に引き継ぎがスムーズにいきません。このような手作業による管理のデメリットを解決できるのが、会員管理システムです。本記事では会員管理システムの種類、クラウド型会員管理システムの活用シーン、クラウド型会員管理システムの強みなどについて解説します。
目次
会員管理システムの種類
会員管理システムは、大きく分けてパッケージ型とクラウド型の2種類です。以下でそれぞれについて解説します。
パッケージ型
パッケージ型の会員管理システムはパッケージ型のソフトウェアを購入して特定のパソコンにインストールして使用するものです。ソフトウェア購入のための初期費用は高めですが、その後の費用は特に発生しません。自社の使用環境に合わせた専用のパッケージをソフトウェア提供会社に開発してもらう場合は、導入までにかなりの時間がかかります。既成のパッケージを購入するのであれば、短期間で導入・利用開始が可能です。ただし、運用時に必要となるサーバーやネットワークは自社で用意しなければなりません。後述するクラウド型と比べると、ソフトウェアをインストールしたパソコンでしか使えないことや、最新バージョンへの更新が難しいことなどはデメリットです。
クラウド型
クラウド型の会員管理システムは、パソコンにソフトウェアをインストールせずネットワーク上にあるシステムを利用するものです。運用時に必要となるサーバーはシステムを提供するベンダーが用意し、ネットワークは一般のインターネット網を利用するため、特別な用意は必要ありません。全ての設定はネットワーク上で構築されており、システムベンダーが発行するアカウントを使ってシステムにアクセスするため、インターネットに接続できる環境さえあればどこでも利用可能です。運用を開始した後は継続的に利用料が発生するものの、初期導入コストを抑えられます。デメリットを挙げるとすれば、オンラインでの利用を前提としているためインターネットの接続環境に不具合が生じると利用できなくなることです。
クラウド型会員管理システムの活用シーン
クラウド型会員管理システムを活用できるシーンとしては、イベント・クラブ・協会・学会などが挙げられます。以下でそれぞれについて解説します。
イベント
企業が主催する各種のイベントやセミナー、展示会などで会員管理システムが活用されるシーンが多く見られます。会員管理システムを導入する前は、イベント会場で交換した名刺の情報を後から手作業でデータ化しなければなりませんでした。参加人数が多いイベントや大規模なイベントでは、それだけのために多くのスタッフの労力と時間を要していたのです。また、アンケートを実施した際は、スタッフがアンケート結果を集計して社内のデータベースに入力する行程を踏んでいました。会員管理システムを活用すれば、取得した情報の処理が効率化され、集計データを初めから直接データベースに蓄積することが可能です。入力作業が省力化されて人的ミスが起きにくくなることから、より精度の高い情報収集が可能になります。
クラブ
フィットネスクラブやカルチャースクールなどの会員制の施設運営やサービス提供でも、会員管理システムを大いに活用することが可能です。会員制のサービスを提供することで企業は継続的に安定した収入を得られ、会員管理システムで顧客の情報を収集・分析することでサービス向上に繋げられます。例えば、性別や年齢ごとの会員の割合や時間帯ごとの利用者数、多く利用されているサービスの割合などを細かく収集・分析できるのです。売上データや会員在籍期間、消耗用品類の購入時期など、運営する上で有益なデータも効率良く収集可能で、会員の情報を一元的に集約できます。入会金や月会費などを徴収する際も会員ごとに入金状況を管理でき、効率的な運営が可能です。
協会・学会
協会や学会・学術団体などのさまざまな団体の管理にも、会員管理システムは有効です。団体の運営では適切な名簿管理が求められますが、手作業による名簿管理を会員管理システムに置き換えることで、事務作業の多くが自動化され、重要な業務に集中できます。名簿管理の他にも入退会手続きや刊行物の配布、会員証の発行なども自動化でき、コスト面で見ても手作業で行うより大いにメリットがあります。協会や学会の会費を徴収する際も、会員情報と入金情報を会員管理システム上で紐づけると一元的な管理が可能です。会員管理システムの中には、スポーツ競技団体のような数万人規模の会員情報を管理できるものも存在します。
クラウド型会員管理システムの強み
クラウド型の会員管理システムにはパッケージ型にはない強みがあります。以下にそれぞれについて解説します。
コストを最小限に抑えられる
クラウド型の会員管理システムは、初期導入費用とランニングコストの両方を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。パッケージ型の会員管理システムは、ライセンス料の支払いに加えてサーバーの設置コストも入れると、数十万円から数百万円の初期投資が必要になります。パッケージ型は導入して利用開始可能になるまで1ヶ月以上かかる場合もあり、それに加えてサーバーやシステムの管理・維持に費用がかかります。また、データが増えてくればサーバーのハードディスクの容量を増設しなければなりません。クラウド型であれば、サーバーはシステムベンダーが用意するものを利用するため、設置コストや維持・管理費用がかかりません。クラウド型では初期費用は数千円から数万円程度、ランニングコストも同程度で済みます。
自動アップデート機能がある
パッケージ型の会員管理システムは、最新バージョンにアップデートしようとするとバッチソフトをパソコンにダウンロードするか、ライセンスを新規に購入する必要があります。いずれの場合も、ある程度のITリテラシーがないとできないことです。クラウド型の会員管理システムであればシステムベンダーの用意したサーバーを利用するため、新機能の追加、システムの不具合対策、その他のアップデートなどは全て自動的に行われます。これにより、システムのユーザーは特に意識することなく常の最新の状態で利用が可能です。クラウド型の自動アップデート機能はパッケージ型に比べると、ずっと機能的であると言えるでしょう。
最新のセキュリティ体制が整っている
ウイルスやマルウェアは日々新種のものが出現して進化しているため、常に最新のセキュリティ体制を整えておかないと被害に遭う危険性が高くなります。パッケージ型の会員管理システムはセキュリティの更新に手間がかかり、中小企業だとそもそもセキュリティ体制を構築できる人材がいないこともあるでしょう。会員管理システムに保存されている会員情報は企業にとって大変重要な情報資産であり、万全なセキュリティ体制は欠かすことができません。クラウド型であれば、システムベンダーが日々進化するリスクに対応できる最新のセキュリティ体制を提供するため、システムの脆弱性は低いと言えるでしょう。
タイプ別会員管理システムの特徴
会員管理システムは、それぞれ特定のタイプに強みを持つものが複数存在します。以下にそれぞれについて解説します。
事務業務効率化に特化したタイプ
事務業務の効率化に特化したタイプの会員管理システムでは、オンラインでの入会手続きや、会員登録情報を転記することなくデータベースの作成を行えるといった機能が搭載されています。他にも便利な機能として、会費の徴収や入金情報の一元管理、既存の会計システムとデータ連携など、バックオフィスの業務効率化に役立つものもあります。このタイプの会員管理システムでは多くの場合、操作が直感的で分かりやすく、会員情報を効率的に収集・管理・活用することが可能です。システム上の会員ページで各種手続き用の画面と紐づけることにより、新規入会申し込みや退会手続き、会員情報の変更などがワンストップで行えるようになります。結果として、登録情報を手入力で転記する手間を省けて情報の精度も向上します。
会員に対するアプローチが強みのタイプ
会員に対するアプローチに強みがあるタイプでは、会員情報データベースを活用して、画一的なマーケティングではなく、会員一人ひとりに合わせたOne to Oneマーケティングが可能です。メルマガ配信やLINEメッセージ送信、チャット機能などで会員との接点を増やしたり、アンケート機能を使って満足度を調査したりすることで、マーケティング施策を強化できます。会員の利用履歴がデータベースに蓄積され、個々の会員のニーズや嗜好に合わせたアプローチが実現するのです。また、特定の条件で会員を絞り込んで特別クーポンを配信したり、会員限定イベントを周知したりして、集客や販売促進に効果を上げられます。
会員サイトプラットフォームの構築に特化したタイプ
会員サイトのプラットフォーム構築に特化したタイプでは、会員サイトの運営ルールに合わせて柔軟に機能の組み合わせが可能で、誰もが簡単にプラットフォームを構築することが可能です。会員サイトを構築するためには、会員登録、ログイン画面制御、会員情報やパスワードの更新、退会受付、会員向けページの表示などの処理機能を実装する必要があります。また、これらは個人情報であるため情報漏洩対策も必要です。プラットフォームをゼロから新規開発するとなるとコストも時間もかかるため、プラットフォームの構築が容易にできる機能を持った既存の会員管理システムを用いた方が効率的です。こうしたタイプのシステムの中には、各種のページ・フォーム作成機能などを実装していて、プログラミング不要で簡単にプラットフォームを構築できるものもあります。
会員管理システムの注意点
会員情報の管理に便利な会員管理システムですが、運用上注意すべき点もあります。以下でそれぞれについて解説します。
会員登録数に制限がある
会員管理システムには、同窓会向けのような小人数向けのものから、企業・団体向けのような数万人規模の会員を登録できるものまでそれぞれ特徴があるため、規模に応じたシステムを選ぶことが大切です。登録できる会員数が限られているシステムを選ぶと、将来的に会の規模を拡大する時に増員に対応できず、別のシステムを新規で導入する手間が発生することも考えられます。将来的に大幅な会員の増加を見込んでいないのであれば、少人数向けのシステムを選んでも問題はありません。一般的に、登録できる会員の数が多くなると利用料金も高くなる傾向があるため、十分な登録可能数を持ちつつ余分な利用料を支払わないで済む適切な規模のシステムを選定することが大切です。
会員情報漏洩リスクがある
会員管理システムには会員の個人名、生年月日、住所、会社名、クレジットカード番号などさまざまな個人情報が蓄積されています。いずれも会員からの信頼の上に集まった情報であり、情報が漏洩してしまうと企業や団体の社会的信頼やブランドイメージを大きく損ね、事業継続が困難になることもあります。クラウド型の会員管理システムを提供するベンダーは、セキュリティ対策に大きなコストと手間を投じて万全を期しているものの、不正アクセス被害の危険性はゼロではありません。リスクを最小限に抑えるために、システムベンダーがどのような仕組みやシステムを用いているのかを見極めることが大切です。
クラウド型の会員管理はサブスクペイに一任しよう!
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まとめ
人々の需要や嗜好が多様化している現代で会員制のビジネスを運営していくには、顧客のニーズをより細かに分析して、顧客一人ひとりにあったサービスを提供していくことが成功の鍵です。会員管理にエクセルを用いている企業も多く見られますが、クラウド型の会員管理システムを用いれば、顧客の需要をより効率的に細かく分析できるでしょう。システム化によってルーチンワークの効率化が進めば、新しいビジネスモデルの発案や顧客満足度向上などのコア業務に注力できます。
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2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。