請求業務でクラウドツールの導入が進む背景とは?主なクラウドツールも紹介
クラウドツールの導入は業務効率化に有効です。特に請求業務では、毎月煩雑な事務作業が発生するため、クラウドツールを導入する企業が増えています。しかし、クラウドツールの特徴やメリットを把握しないまま使ってしまうと、十分な効果を得られません。
この記事では、クラウドツールを導入するメリットや注意点について解説するとともに、企業でよく使われている代表的なクラウドツールをご紹介します。請求業務を楽にするクラウドツールの選び方も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
クラウドツールとは
クラウドとは、大規模なソフトウェアやインフラがなくても、インターネットに接続するだけでサービスを活用できる仕組みのことです。クラウドツールはその仕組みを用いており、一般的にビジネスで活用できるサービスを指します。クラウドツールは複数の媒体で利用できるため、社内外での資料共有などにも役立ちます。マルチデバイス対応のクラウドツールであれば、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットで使用することも可能です。
クラウドツール導入のメリットと注意点
クラウドツールを導入する企業は増加傾向にありますが、導入によってどのような効果が得られるのか判然としないままツールを利用している企業も少なくありません。2021年に総務省顔行った調査によると、クラウドサービスの導入について「効果はよくわからない」と答えた企業が11.9%いるという結果でした。
効果の有無が判断できないのは、クラウドツールにどのような効果を期待するのかを明確にしないまま導入してしまったのが原因と考えられます。クラウドツールの導入で得られるメリットと注意点を今一度確認して、自社に必要なツールを見極めましょう。
メリット
クラウドツールを導入すると、様々な業務を自動化できるため、業務効率化を実現できます。人力で行っていたチェック作業をクラウドツールに任せることができれば、ヒューマンエラーの防止にもつながるでしょう。
また、先述したようにインターネットに接続できる環境であれば場所や媒体を問わずいつでも必要な情報に即アクセスできるため、リモートワークなどにも柔軟に対応できるようになります。
注意点
クラウドツールの導入直後は、ツールの使い方を会得するまでに時間を要するため、一時的に業務効率が落ちるケースもあります。導入に不安がある場合は、導入支援を実施している提供会社を選ぶなどの対処が必要です。また、時間的なコストだけではなく、金銭的なコストもかかることにも注意しましょう。
さらに、クラウドツールに業務を一任することで、社内にノウハウが蓄積されないという注意点もあります。サービスの終了などによりクラウドツールを利用できなくなった際に、手作業で業務を行える社員がいないことは大きなリスクとなり得るでしょう。
代表的なクラウドツール
クラウドツールを導入するのであれば、効率化したい業務内容や導入目的を明確にしておく必要があります。
ここからは、業務効率化に有効なクラウドツールを用途別に9つ紹介します。自社の目的に適したツールを探してみましょう。
Cloud CIRCUS
Cloud CIRCUSは新規顧客獲得に特化したマーケティング・営業支援ツールです。
Webサイトをはじめとする集客に効果的なオンラインコンテンツを簡単に制作できるツールやホットリードを見つけて商談化できるツールなど、新規顧客獲得をサポートするツールを全11種類提供しています。導入実績は累計で31,000社以上あるため、信頼できるツールといえるでしょう。
マーケティング・営業を効率化したい企業はもちろん、新規顧客を継続的に獲得して売上を伸ばしたい企業にもおすすめです。
Qast
Qastはナレッジ共有クラウドツールです。業務マニュアルや企画書、議事録、日報、ノウハウなどを蓄積して社員がいつでも検索できる機能が搭載されており、4,000社以上の企業で導入されています。ちなみにナレッジ共有とは、個人が知っているノウハウや知識を組織全体で共有し、組織の生産性を向上させる経営手法をいいます。
Qastを活用すれば社員全員が情報を共有できるため、部署間での情報格差が生じません。不明点があってもすぐに検索できるため、新入社員のような全く知識のない状態でも業務に参加しやすくなるでしょう。また、部署移動の際にもスムーズに引き継ぎができます。社員数や部署数が多く、情報共有に課題を抱える企業には最適です。
Trello
Trelloはプロジェクト・タスク管理ツールです。世界中で200万以上の導入実績があります。
プロジェクトごとに「ボード」を分けて、ボード内にタスクの書かれた「カード」を配置するという直感的な操作方法が魅力です。タスクカードは優先順位によって入れ替えたり、進行状況に応じて移動したりもできるため、大所帯のプロジェクトでもタスクを把握しやすくなります。また、タスクの期限を設定できる機能もあるため、タスク未達成のリスクを防げる点もメリットです。
大規模なプロジェクトを行うことが多く、タスクを管理しきれない企業でも、Trelloを使えば効率的にプロジェクトを推進できます。
Aipo
Aipoは1,700社以上の企業で利用されているスケジュール管理ツールです。チームメンバーの予定や会議室の空き情報などを1つの画面で確認できます。間違えて予定のある時間帯に新しい予定を登録しようとするとアラートが鳴る機能もあり、ダブルブッキングの心配もありません。社内外の日程調整は相手にURLを送信して候補日を選択してもらうだけで完了できます。
マニュアルを見ずとも操作できるくらい操作が容易なので、クラウドツールに馴染みのない方でも利用できるでしょう。さらに月額350~700円とリーズナブルな値段設定であるため、限られた予算でスケジュール管理の効率化を図りたい企業におすすめです。
Eight
Eightは2012年からサービスの提供が開始された名刺管理アプリで、2019年時点でユーザー数は230万人以上、累計ダウンロード数は500万を超えています。スマートフォンで名刺を撮影するだけで名刺情報を電子データ化し、プロフィールを自動作成できます。Eightで名刺交換した相手が昇進や転職を機に名刺情報を更新すると通知が届く機能や、自身が転職を考えた際に企業とやり取りできる機能も搭載しているため、キャリア形成にも役立つでしょう。
スキャンした名刺情報は簡単に管理・検索できるため、交換した名刺を有効活用したいとお考えの方に最適なアプリです。
Stock
Stockは100,000社以上で導入されている情報共有ツールです。情報共有を目的にチャットツールを導入したのに、複数人が同時に利用するため情報が流れてしまうという問題は、Stockの導入で解決できます。ノート機能を利用すれば、重要な文書や画像を誰でもアップロード可能です。メッセージのやり取りやタスク管理はテーマごとに分けて行えるため、情報整理に時間を割く必要はありません。
IT知識がなくとも簡単に操作できるため、クラウドツールの利用に不安のある企業でも安心です。
Workplace from Meta
Workplace from MetaはFacebookなどを提供するMeta社が開発したコミュニケーションツールで、700万人以上の有料利用者を有しています。社内限定のSNSであるため、社員がコンテンツを投稿したり、社内イベントの出欠確認を行ったりと、Facebookのように手軽に利用できるのが魅力です。テレワークが珍しくない現代では社員同士のコミュニケーションが希薄になりやすいため、企業が交流の機会を創出する必要があります。
テレワークにも対応しつつ、社員同士の仲を深めていきたい企業におすすめです。
SmartHR
SmartHRは50,000社を超える企業が登録している人事労務管理アプリです。入社手続きや雇用契約などに必要な書類を自動作成し、ペーパーレス化を推進します。書類作成の自動化とシンプルな操作性で人事・労務業務の負担を軽減し、業務時間を1/3に削減可能です。また、登録された社員情報に変更点があれば自動で更新されるため、いつでも最新の社員情報を把握できます。
人事労務業務の効率化を図りたい企業や従業員数の多い企業におすすめします。
請求管理ロボ
請求管理ロボは請求業務支援ツールで、大手企業から中小企業まで500社を超える幅広い業種で利用されています。取引先情報と請求情報を登録するだけで、毎月の請求業務を自動で行ってくれるクラウドサービスです。入金消込も自動化できるため、代金の未回収対策にも有効です。データ連携のしやすさも利点であり、SFAやCRM、会計システムと連動させて業務の効率化を実現できます。
継続的に大量の請求業務が発生する企業や、経理担当者の業務負担を減らしたい企業に向いています。
請求業務でクラウドツールの導入が進む背景
総務省によると、2021年度時点でクラウドサービスを利用している企業は全体の68.7%にのぼり、利用率は2016年から5年連続で増加傾向にあります。
特に請求業務は毎月発生するため、クラウドツールを導入して効率化したいと考える方も多くいるでしょう。請求書の作成や入金確認には多大な手間や時間がかかるため、これらの煩雑な業務が増えるとコア業務に支障をきたしかねません。忙しい中で業務を行うことで、請求漏れや入力ミスといったヒューマンエラーが発生する恐れもあります。そのため、ミスを減らして効率よく請求業務を行える有効な手段として、クラウドツールが注目されています。
さらに、働き方改革や新型コロナウイルスの流行に伴うテレワークの普及もクラウドツールの導入を後押しすることになりました。また、距離や体調を理由に通勤が難しかった人材でも業務に参加できるようになるため、人手不足の解消手段としても期待されています。生活の多様化が進む現代において、クラウドツールの導入は今後も増加していくことが予想されます。
請求業務クラウドツールを選ぶ際のポイント
請求業務にクラウドツールを取り入れると、業務効率は大幅に向上します。
しかし、導入しただけでは十分な効果は得られません。あらゆる面を考慮して、無理なく運用できるツールを選ぶ事が重要です。請求業務に特化したクラウドツールは多種多様で、何を基準に選べばいいのか迷われる方もおられるでしょう。
ここでは、請求業務クラウドツールを選ぶ際に抑えておきたい6つのポイントを解説します。
機能面
請求書作成にかける時間を大幅に減らしたいのであれば、必要事項を入力するだけで完了するツールを選ぶのがおすすめです。
一方、自社のオリジナリティを付与したい場合や取引先や商材に合わせて請求書の仕様を変更したい場合は、既存のテンプレートを元にカスタマイズできる機能が搭載されているツールの方が望ましいでしょう。
企業のロゴを掲載できる機能など、細かな設定ができるツールもあるため、導入前にどのような形式の請求書を作成したいのか、どのような機能が必要なのかを明確にしておきましょう。
他社・自社会計ソフトとの連携
自社や取引先企業で既に導入されている会計ソフトがあれば、連携できるツールを選ぶと良いでしょう。
請求書を作成すると会計ソフトやクラウドに自動で共有・転送する機能が搭載されているツールもあります。同じ情報を入力する必要がなくなり、入力ミス防止にもつながるため、業務の効率化に有効です。
費用面
クラウドツールの多くは月額制であるため、毎月無理なく支払える料金設定かどうかを一度計算してみるのも重要です。
一見安く見えても、月額料金に加えて初期費用やオプション料金がかかり予想より費用がかさんでしまう場合もあります。登録する取引先数や利用人数によっても料金は変動するため、提供会社に問い合わせて正確な料金を把握しましょう。
自社の業務形態との相性
業務の効率化を目指すのであれば、自社の業務形態に適したツールを選ぶ必要があります。
案件での受注が多い企業であれば、案件別に書類の作成や管理ができるツールを選びましょう。共通項目を自動入力できるため、手間が省けます。
毎月同じ取引先に請求書を発行することが多い企業は、自動発行できるツールを選ぶと良いでしょう。
対応する範囲
請求業務のどのフローを効率化したいのか、カバーしたい業務範囲を明確にしておくと選びやすくなります。
請求書の作成から送付までを効率化したいのであれば、その作業に特化したツールを選びましょう。
請求業務そのものを効率的に行いたい場合は、対応範囲の広いツールがおすすめです。ツールによっては入金消込や催促、売上情報の集計なども自動化できます。
セキュリティ対策
請求書は取引先の重要情報が記載されているため、漏えいは絶対に避けなければいけません。
通信データの適切な暗号化やデータセンターの安全性、監視体制などを判断基準に、提供会社のセキュリティ対策を厳しくチェックしましょう。しかし、IT知識がないままセキュリティ対策の万全性をチェックするのは簡単ではありません。その場合は、導入実績の多さで判断するのもひとつの手です。
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この記事では、企業でよく導入されているクラウドツールをご紹介しました。請求業務は毎月発生するため、クラウドツールを活用すると業務負担を大きく軽減できます。
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2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。