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サブスクリプションの利益構造 サブスク事業の損益分岐点の動きとは

近年、飲食やエンタメなど様々な業界がサブスクリプション事業を始めています。そのため、自社でもサブスクリプションを取り入れてみたいと思っている人も多いでしょう。この記事では、サブスクリプションビジネスを成功させるための損益分岐点の動きなどについて解説していきます。

サブスクビジネスの利益の考え方

一般的な利益の計算方法は、売上高ー売上原価です。サブスクリプションの場合、売上高は顧客数×顧客一人あたりの利用料と考えることができます。売上原価は、サービスの運営にかかった初期費用や運用コストなどです。
この式をもとに考えると、顧客数の内訳には新規顧客と継続顧客が考えられるため、新規顧客を増やす、または継続率を上げる(解約率を下げる)と利益の向上につながります。また、一人あたりの利用料を上げることでも、利益を上げることができます。

利益を上げるためには、LTV(顧客生涯価値)や解約率などのKPIを設定して取り組むことが重要です。これらの指標について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
▶「<3分でわかる>サブスクリプションビジネスの目標設定(KPI)」

<3分でわかる>サブスクリプションビジネスの目標設定(KPI)

サブスク事業の損益分岐点の動き

どんな事業においても損益分岐点分析を行うことは欠かせません。しかし、サブスクの損益分岐点の動きは従来の売り切り型ビジネスとは異なります。そこで売り切り型とはどのように損益分岐点に違いがあるのでしょうか。また、サブスクの損益分岐点分析はどのようなポイントを押さえたうえで行う必要があるのでしょうか。この段落では売り切り型ビジネスとの損益分岐点の違い、サブスクで損益分岐点分析を行う際のポイントについて解説していきます。

損益分岐点に関して「売り切り型」とは異なるポイント

まずサブスク型ビジネスと売り切り型ビジネスの違いとして挙げられるのがゴール地点です。従来の売り切り型ビジネスでは商品を買ってもらう・契約してもらうことを目標とし、それを達成したらユーザーとの関わりは薄くなってしまうものでした。それに対して、サブスク型ビジネスはサービスを契約してもらうことはあくまでスタート地点であり、そこから継続して利用してもらうことが目的となっています。したがって、売り切り型ビジネスだと一度商品開発を終えるとマーケティングなどにしか投資をする必要がありませんが、サブスク型ビジネスは継続して利用してもらうためにサービスを改善していく必要があり、それに伴って損益分岐点も高くなる傾向があります。

サブスクビジネスの損益分岐点分析

それではサブスク型ビジネスの損益分岐点にはどんな特徴があるのか見ていきましょう。先ほど解説したように、サブスク型のビジネスにおいて、サービスを契約してもらうのはあくまでスタート地点であり、利益をあげるにはそこから継続してサービスを利用してもらうことが重要です。しかし、サブスクサービスの開始当初は顧客獲得のための営業費・広告費などが掛かってしまいます。したがって、継続して利用してもらうことができないとその穴埋めができず、赤字状態になってしまうでしょう。

大手企業が運営するサービスなど比較的高い継続率が見込めるサービスの中には1週間~3ヶ月程度の無料期間を設けているものも多いです。しかし、無料期間を設けてしまうとその分利益が発生するまでに時間がかかり、それに伴って損益分岐点も右にシフトします。また、無料期間を設けると顧客獲得単価も下がってしまうリスクがあります。それに伴って、初期のスタート地点も上にシフトし、損益分岐点も左シフトするでしょう。そこでサブスク型ビジネスで利益をより出したいと考えている場合、クロスセル・アップセルといった手法を活用している企業が多いです。クロスセルとは、今契約しているプランに加えて新しいサービスも契約してもらうこと、アップセルとは今契約しているプランよりもグレードの高いプランを契約してもらうことを言います。これらの手法を取り入れることでより顧客単価の上昇が見込めるでしょう。

サブスク事業で失敗しないためには

サブスク型ビジネスは、ユーザーがサービスを継続して利用することが重要です。したがって、安いだけでなく便利で顧客が抱えている悩みを解決できる、ユーザー目線に立ったサービスでなければいけないと言えるでしょう。また、サブスク型ビジネスは新規の顧客を獲得することを目的としている企業も多いです。しかし、実際は既存顧客をターゲットにし、そこから口コミなどで新規の顧客を獲得するというルートの方が成功しやすい傾向があります。そのため、既存顧客を大切にしたサービス展開を行うことも大切にしましょう。

「サブスクペイ Professional」は、サブスクリプション事業に特化した顧客管理・自動課金クラウドで、以下のような特長があります。

・ノーコードでWebサイトや会員ページを作成、SEO対策も可能
・契約内容や購買傾向、利用状況のトレンドなど、顧客情報や行動履歴を自動収集
・クレジットカード決済、口座振替、コンビニ払い等、サブスクリプション事業に必要となる決済手段に対応
・顧客に合わせて複雑な課金モデルを設計、課金予約もでき、毎月の決済処理を完全自動化
・顧客情報や行動履歴、決済状況、さらには外部データ取り込み機能により、リアルタイム分析

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まとめ

ここではサブスク型ビジネスを成功させるために必要なポイントについて解説しました。やはり成功のためには顧客第一のサービス展開を行い、ユーザーに継続して利用してもらうことが重要です。したがって、サブスク型ビジネスを導入する際はこの点をしっかり考慮し、自社のビジネス形態に合っているかどうかを考えたうえで取り入れましょう。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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