テクノロジー・通信

株式会社ROBOT PAYMENT

「システムに強い」も価値、理系出身が考える経理DXとは

経理財務部 若林未紗

・社名
株式会社ROBOT PAYMENT
・事業内容
フィナンシャルクラウド事業、ペイメント事業
・設立
2000年10月
・URL
https://www.robotpayment.co.jp/
・業界
テクノロジー・通信
・従業員規模
96名

売掛金の未収をゼロにする「請求管理ロボ」

——まずは若林さんの担当領域について教えてください。

決済代行20年以上のノウハウを活かして「サブスクペイ」や「請求管理ロボ」などのサービスを提供している株式会社ROBOT PAYMENTで、経理財務部に在籍しています。

経理財務部は経理課と精算課に分かれており、私は経理課に所属しています。
売上周りや請求書の発行は精算課が担当しているため、それ以外の経理財務業務を主に担当しています。
四半期決算や年度決算では監査法人の対応を行ったり、毎月税理士法人の方とミーティングを行うなど、社外の方とも関わることが多いですね。

経理課には私の他に2名在籍していて、基本的には2人に作業を割り振り、それを私がチェック。問題がなければ社内で確認を行い、開示書類などの外部に提出する資料を作成しています。

あとは、システムを導入したことにより紙作業はだいぶ減ってきましたが、紙の請求書や税務署からの郵便物等がまだまだ多くあるので、必要に応じてスキャンし保管しています。

社内稟議や各種申請も会計の数字に大きく影響してくるので、毎日チェックしていますよ。

——やはり繁忙期は月末月初ですか?

月によりますが月初の5営業日までは忙しい日々ですね。とはいっても、経理の繁忙期は年度末や四半期なので、そういった決算作業がない場合には、比較的残業も少ないことが多いです。

——経理の方の仕事って、会社の数字を管理するためにとても神経質な作業が多いイメージです。

日々の業務は毎月だいたい同じですが、その積み重ねが最後に年度決算としてかたちになるので、常に1円単位で数字が正しいか細かく確認をしています。
また、監査法人とのやりとりでは、提出した数字の根拠となる資料を追加で提示するなど、たしかに細かな調べ物が多いかもしれません。特に、年度末ともなるとおおよそ1年前のできごとを掘り起こすこともあるので、なかなか苦戦することもありますね。

監査法人の担当者に理解してもらえるように、必要に応じて関係部署と連携しながら、正確な数字とそのエビデンスをすばやく出すことを心がけています。そのため、常にさまざまな人とのコミュニケーションを取ることが必要になります。

バックオフィスの「三種の神器」〜ROBOT PAYMENT 若林さんの場合〜

——さて、この企画、バックオフィスのDXサービスを紹介する側面もありまして…!若林さんには事前に日頃お使いのサービスについてお聞きしました。

〜ROBOT PAYMENTの経理部が使っている製品一覧〜
契約管理:システムの導入を検討中
請求書発行:請求管理ロボ
請求書受取:invox受取請求書
決済:paild
会計:PCA会計
経費精算:楽楽精算
給与:PCA給与
勤怠:X’sion(クロッシオン)
労務:SmartHR
採用・人事:採用一括かんりくん
稟議・ワークフロー:ジョブカン

——この中から、経理の仕事を楽しんでいる若林さんを支える「三種の神器」を教えていただけますか?

今は調べ出すと本当にたくさんの便利なシステムと出会えますからね。今回は私の推しをご紹介したいと思います。

まずは、経費精算の「楽楽精算」です。
弊社では、最近「ジョブカン」から移行したのですが、「楽楽精算」はこれまで見てきた経費精算システムの中でもかなり柔軟性に優れていると感じています。

項目や金額の配置を自由にカスタマイズでき、新規で項目をつくることも可能。入力方法もチェックボックスやプルダウン、フリーテキストから選べたりと使い勝手がいいんです。だからこそ導入時の構築が大変だったという苦労話もありますが…(苦笑)。でも運用が始まれば便利さを実感できました。

あとはアラート機能も推せるポイントですね。必須項目への入力が不足しているだけでなく、金額等の許容範囲外を超えた場合にも警告を出せるように設定できます。

続いてワークフロー系の推しをご紹介しますね。経費精算からは切り替えてしまいましたが、稟議等のワークフローでは「ジョブカン」が大活躍しています。

会社の状況に合わせてシステムを柔軟に変えることは常日頃から検討していますが、調べても結局戻ってくるのがこの「ジョブカン」です。なかなか浮気できない…(笑)。

一番のポイントは、承認ルートをボタンで切り替えられるところ。事業部や製品ごとに作り直さなくても、承認経路を複数作成できるので使いやすいんです。申請する側もたくさんの項目から選ぶよりわかりやすいと思います。

——ルートの切り替え機能は良いですよね!マスタの種類が増えすぎず、項目を埋めながら適切な承認ルートを選択できる仕組みは使いやすいですね。

最後に、コーポレートカードを使う際に重宝する「paild」です。クレジットカードの特性上、決済が確定しないとカード明細に載らないので、当月内で処理したくでもできない場合もあるんです。

未確定だとしても決済は行っているわけで、経理としては月次処理したい…。そんな痒いところに手が届いたのが「paild」でした。決済した時点で自動で仕訳されるので会計処理がしやすくなりましたよ。

——経理ならではの事情!こういうシステムを上手に活用できるといいですね。

数字を合わせることが好き、理系出身の経理

——若林さんが経理の仕事を始めたきっかけは、何かあるのでしょうか。

きっかけは大学受験のときですかね。高校生のころから数字や数学が好きで、文理に分かれるときも理系を選択していました。いざ大学受験となったとき、会計という学問があることを知って、公認会計士とか面白そうだな〜と思って経営学部に進んだんです。

在籍していた経営学部は経営学科と会計学科に分かれていて、私は経営学科だったのですが会計の授業も受けることができました。そこで管理会計や簿記など専門的な知識を学び、アルバイトやインターン先も会計事務所を選んで、仕訳を入れる作業は大学1年生からやってたんですよ。簿記の資格も2級まで取得しました。

——そのころからすでに適性を理解していたなんて…。会計の学問のどこに面白みを感じたんですか?

もともと数字が好きだったというのが大きいと思います。数字を合わせることが好きなんですよね。理系なのに経営学部に進学する人は稀でしたが、経理って数字と常に向き合う仕事なので、抵抗感や苦手意識がないというのはアドバンテージになっていたかなと思います。

卒業後は会計事務所に入社して会計事務を担当していました。そこでは、主に個人事業主の方の仕訳を入れたり、確定申告業務を行っていたのですが、どこか自分ごとにできないと感じていて。

誰かの数字を処理するというより、もっと自分が携わっている実感みたいなものが欲しかった。だから事業会社の経理になろうと思って、今ROBOT PAYMENTで働いています。

今では売上が伸びれば自分ごととして嬉しく感じますし、費用の使い所にも敏感です。数字で会社を見ることができるのは面白いですよ。

システムに強い経理でありたい

——最後に、経理を楽しんでいる若林さんの今後の展望をお聞かせください。

ずばり、システムに強い経理、ですかね。職業柄やっぱり手作業が多いので、システムを導入してどんどん改善していきたいです。

個人的な意見ですが、経理という職業の方で、システムチックな部分まで詳しい人ってあまりいないイメージで。経理は手作業が当たり前だと思っていましたが、マクロとか数式、システムを使えば業務が効率化されていくことを実感してからは、手作業をどんどん減らしていきたいと思うようになりました。

私自身も今は詳しくないですが、システムに強い経理として価値を高めていきたいなと思っています。

——システム化されれば繁忙期に残業が減らせるなど、働き方も変わってきますよね。そこを推し進められる存在でありたいと。

そうですね。他のメンバーの仕事状況・環境を把握した上で、システム選定や上長への相談を行っていかなくてはいけないので、そういう思いは強いです。

私は、結婚しても出産しても経理として働きたい。そうなったときに、本当の意味でリモートワークできたり、残業が減らせていたらいいなと思うんです。まずは自分の将来から考えて、自分が働きやすい環境をつくろうという思いで取り組んでいます。

——まさに自分ごとですよね。若林さんと同じ思いで働いている経理担当者の方ってたくさんいると思います。若林さんが導き出した“ひとつの働きやすさ”が誰かの手本になり得る。その意気込みでどんどん経理DXを進めて行ってください!貴重なお話ありがとうございました。

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