経理業務のIT化を進めよう!IT化を進める際のポイントを解説
2024年9月1日
従来、紙や手入力ベースで行われていた経理業務は、ITの進歩とともに業務の進め方が変化してきており、近年はIT化でほとんどの業務を自動で行う企業も増えてきています。従業員が少なくて経理がコア業務を圧迫している企業はもちろん、金銭のやり取りが膨大な企業は、経理をIT化することで業務の効率化を図れる可能性があります。
今回は、そんな経理業務のIT化について解説します。IT化のメリットを知って、導入を検討してみましょう。
目次
経理業務のIT化が阻害される要因
経費の精算や請求書の発行、売掛金回収の確認など、経理には煩雑な業務が豊富に存在しています。経理のIT化にメリットがあることは何となくイメージできても、さまざまな要因が障壁となって導入に踏み切れない企業は多いものです。
まずは、経理のIT化が阻害される要因について3つ見ていきましょう。
古い習慣に慣れている
IT化が進んでいない多くの企業では、Excelや紙ベースの書類を使って経理業務を行っているケースが多くあります。請求内容を手入力でExcelのフォーマットに転記したり、伝票を手書きで作成したりと、アナログな方法を今でも実践している企業はまだまだたくさん存在しています。
こうした古い習慣が非効率的だとわかってはいても、「新しいシステムに順応できるか不安」「慣れているやり方のほうが安心して作業できる」と、なかなか抜け出せない会社も少なくないでしょう。とくに、長年経理を担当してきたベテランスタッフがいる場合、今までの習慣を変えることは難しいものです。IT化を目指す企業は、古い習慣を好むスタッフの説得から始めなければなりません。
業務が属人化している
業務が属人化してしまうことも、IT化が阻害される大きな理由です。専門知識や正確性が求められる経理業務は、毎月同じ人がこなすことになります。そのためほかのスタッフは「そもそも経理で何を行っているのか」がわからず、IT化の必要性や現在のやり方がはらんでいる問題点について把握できないことも多いのです。
業務が属人化すると、万が一担当スタッフが休んだときや退職したとき、業務が引き継げなくなるというリスクがあります。非常に危険な状態なので、早めに対処する必要があります。
設備投資されない
経理をIT化するときはシステムを導入するため、どうしても諸費費用やランニングコストがかかってしまいます。会社にとって直接利益となりにくい経理業務への設備投資は後回しにされることが多く、担当スタッフが希望してもなかなか応じてもらえないケースも非常に多いのです。
また経理担当が日々の膨大な業務に追われ、経理業務の改善策について考える時間がとれない負の連鎖に陥ってしまうこともあります。
経理業務をIT化するメリット
経理のIT化にはさまざまな障壁がありますが、実際にIT化を進めることで得られるメリットは、導入時のコストや心理的障壁を大きく上回ります。ここでは、経理をIT化するメリットについて具体的に説明します。
業務時間を短縮できる
経理をIT化すると、請求書の発行や記帳などが自動で行われるようになります。担当者はチェックだけすればよくなるため、業務時間が大幅に短縮できるでしょう。
業務時間の短縮は、社員の負担軽減だけではなく経理にかかる人件費の削減につながります。また、経理業務に充てていた人材をコア業務に集中させられるようになるため、企業全体の生産性向上も期待できます。
経理のIT化にはシステム導入のコストや心理的障壁がありますが、長い目で見れば社員にとっても会社にとっても良い選択だと言えるのです。
正確に作業を行える
膨大な量の処理をスピーディーかつ正確に行わなくてはいけない経理では、ヒューマンエラーによるミスが大きな課題です。経理のミスは企業全体の信頼性に関わる問題であるため、可能な限り排除しなくてはなりません。しかし、人間が作業する以上、ミスをゼロにすることは不可能でしょう。
経理をIT化すればシステムが処理を行ってくれるようになるため、計算ミスや転記ミスなどヒューマンエラーが原因の間違いはゼロにできます。正確な作業でミスをなくし、企業の信頼性向上に役立ってくれる点もIT化の大きな利点です。
データ管理がしやすい
データ管理がしやすい点も、経理IT化のメリットです。紙媒体で書類を保管している場合、必要になったときに膨大な書類の中から必要とする1枚を探さなくてはなりません。書類管理の手間や探すときにロストする時間を考えると、効率的ではないでしょう。
経理をIT化すれば、すべてパソコン上でデータを管理できるようになります。必要なときにすぐデータを参照できるのはもちろんのこと、データを分析して経営判断に役立てられるようになるというメリットもあります。また、書類を管理するために必要となる手間やスペースも削減される点も、企業にとっては嬉しいポイントです。
経理業務をIT化する方法
一口に経理のIT化と言っても、その方法は複数存在しています。すべての業務をIT化する必要はありませんが、「請求書が多すぎて作成が大変」「毎日多くの経費精算をしている」など、課題がある場合はその課題を解決できる方法を導入することが大切です。
ここでは、経理のIT化で利用できるシステムの特徴と魅力について解説します。
クラウド会計ソフト
クラウド会計ソフトとは、仕訳から決算書の作成を自動で行ってくれるソフトウェアのことを指します。インターネット上のサーバーにデータを保存するクラウドサービスを利用しているため、導入時のコストやメンテナンスが不要な点が支持され、近年急速な広がりを見せています。最近は、給与計算や年末調整、確定申告などといった手続きにも対応した会計ソフトも増えてきました。
クラウド会計ソフトでは、取引内容を入力して金額を選択するだけで会計処理ができるので、簿記の知識があまりない人でも経理業務を行える点が特徴です。データはインターネット上に保存され、IDとパスワードさえわかればテレワークでも経理業務を進められます。
金融機関と同等のセキュリティでデータが保護されるため、自社でデータを保有するよりも安全性は高くなりますが、IDとパスワードを厳重に保管することが求められます。
経費精算システム
経費精算システムは、交通費や消耗品などの経費を社員が立て替えたときの精算業務を効率化するためのシステムです。システム上で申請や承認ができるようになっており、会計システムと連動して記帳なども行ってくれるため、経理の業務負担を大幅に削減してくれます。領収書を写真撮影することで仕分けしてくれるものや、ICカードとの連携による精算など、自動化の機能が拡充されたシステムが多い点が特徴です。
経費精算システムもクラウド型のものが多く、移動先や自宅からでもスマホ1台で経費精算できるようになってきています。導入により、経費精算で課題になっていた、申請者と経理間のコミュニケーションによるストレスを軽減して効率的な業務が行えるようになります。
クラウド型請求管理システム
クラウド型請求管理システムとは、請求書の管理、作成、発行、送付や入金消込の作業を自動で行ってくれるサービスです。発行した書類はメールや郵送代行など、企業に応じた形式で取引先企業に送付されるため、請求業務にかかる業務を効率化することが可能です。ほかのシステムと同様にクラウド型のものが一般的で、オンライン上ですべての処理を完結させられます。
CRM・SFAや会計システムと連携できるものが多いため、請求から記帳までの一連の流れを自動化することで、請求漏れやミスを防げる点も大きなメリットです。面倒な消込や催促も自動で行ってくれるので、未回収金のリスクも低減できるでしょう。
経理部門のIT化を進める際のポイント
経理部門のIT化を進める方法を紹介してきましたが、やみくもにソフトやシステムを導入することはおすすめできません。いきなりシステムを導入しても、機能を最大限に使いこなせず、逆に業務効率を低下させてしまう恐れがあるためです。
経理部門のIT化を進めるときは、以下のような環境作りが大切になります。
業務フローを見直す
現在どのような業務を負担に感じており、どの業務にどれだけ人的・時間的リソースをかけているのかについて洗い出すことで、必要としているシステムや改善策が見えてきます。
たとえば請求業務が負担になっている企業が、経費精算システムを導入してもあまり業務改善につながりません。こういったミスマッチを防ぐためにも業務フローをひとつずつ見直し、今抱えている課題を明らかにしましょう。
システム以外の改善策はあるのか、システムを導入することでどれくらい業務効率が改善されるのか、しっかりと考えたうえで対応していくことが肝心です。
紙をなるべく使わない
紙ベースのやり取りがメインになっている企業は、まずはペーパーレス化を進めていきましょう。紙ベースの業務はやり取りが手間になりやすいうえに、紛失のリスクも非常に高いためです。
今まで紙ベースで行っていたことをExcelで行うようにするだけでも、業務効率は格段にアップします。紙ベースをパソコンデータベースでやり取りすることで、抱えているほとんどの経理の課題が解消される企業も多いでしょう。
ただし、近年は経理の業務量が増加・複雑化しているため、Excelだけでは捌けないケースもあります。また、どうしても手入力が必要になるExcelに依存してしまうと処理漏れのリスクが高まってしまうため、基本的にはシステムの導入を見据えてペーパーレス化を進めるのがおすすめです。まずは紙ベースのやり取りを減らしてデータ上でのやり取りをメインにしてみて、必要に応じてシステムの導入を検討するなど、段階的に進めていきましょう。
担当者のITスキルを向上させる
経理担当者のなかには、従来の処理方法を貫いており、パソコンの操作スキルを持っていない人もいるかもしれません。その場合は、まず担当者のITスキルの向上が大きな課題になります。
パソコンの基本操作はもちろんのこと、Excel関数やマクロ、各種システムの操作方法を身につけることで業務の効率化が図れます。とくにExcelのスキルは、業務の自動化だけではなく経営判断を左右する分析にも関わってくるものです。経理担当者のITスキル向上は企業経営全体に影響を及ぼすため、積極的に教育を行いましょう。
請求業務の効率化は「請求管理ロボ」にお任せ!
「請求管理ロボ」は、毎月の請求業務を最大80%削減する請求管理・債権管理システムです。請求書の発行や送付、集金、消込、催促などの売掛金管理を全て自動化し、人的作業を減らしてミスを防ぐとともに、経理業務の効率化を実現します。
加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。
なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに700社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。