「経理を辞めたい」人のよくある理由とは?経理を続けるための3つの工夫も紹介
2024年9月1日
現在、企業の経理職に就いている人のなかには、さまざまな理由から「経理を辞めたい」と考えている人もいるでしょう。なかには「自分は経理に向いていない」と感じている人もいるかもしれません。しかし、経理は「事務職」というカテゴリーのなかでも専門性が高く、さまざまな悩みを抱えやすいという側面があるのです。
そこでこの記事では、経理を辞めたいと考えてしまう人が抱く不満や辞めたい理由、経理に向いていないタイプ、辞めないための工夫についてまとめました。退職や転職を決断する前に知っておくべきことを中心に解説するので、ぜひご参考にしてください。
目次
経理業務とは
経理とは「経営管理」の別名で、企業を運営していくために必要なお金を管理する仕事です。主な仕事内容としては企業活動によるさまざまな数字を表すことで、日々生じる数字の変動を正確な記録として残します。
経理は縁の下の力持ちのような存在であり、企業を健全に運営していくためには欠かせない存在です。
経理業務への主な不満点3つ
どのような仕事でも、少なからず何かしらの不満はつきものです。しかし経理の場合は、その業務の特徴から経理特有の不満があり、鬱積すると「辞めたい」と考えてしまうことがあるでしょう。
経理業務の主な不満点としては以下の3つが挙げられます。
他部署から口うるさいと思われることがある
他部署から口うるさいと思われることがしばしばあります。例えば、営業部で売上を伸ばそうと一生懸命仕事に取り組んでいるにもかかわらず、「コストダウン・コストカットをしてほしい」「経費の書類を提出してほしい」といった催促をされたとしましょう。
言われた方はタイミングが悪かったり、無茶な注文をされたと感じたりして焦燥感に苛まれることが想像できます。このように、経理は仕事柄何かと面倒な注文やお願いをすることが多いため、社内で嫌われたり、口うるさく思われたりすることがあるようです。
さらに、経理業務のなかには数字をまとめ、月々の収支をチェックする業務もあります。赤字になりかねない月は特に催促が必要で、場合によっては強い口調で注意をするよう求められます。相手に嫌がられるのを分かっていても、口うるさく言わなければならない点にストレスを感じる人も少なくないでしょう。
人間関係にストレスを感じる
人間関係にストレスを感じてしまう人もいます。経理は基本的に内勤であるため異動が少なく、部署のメンバーが固定化しやすい傾向にあります。人によっては、人間関係でのフラストレーションが解消されないまま、業務を続けなければならないケースもあるのです。
例えば、チームワークが重要となる経理部において、社歴の長い先輩社員が独裁的に現場を取り仕切っているとします。この場合、チーム全体の協調性よりも、先輩社員や上司との関係性を優先しなければならないと感じるのも珍しくありません。
ほかにも、経理部が取締役社長の直轄に置かれている場合など、上司の権限がそもそも強いというパターンもあります。上司が経理上の数字しか見ていないがために、現場で発生している問題などを把握しきれず、部下が大変な思いをするというケースもしばしば見受けられます。
このように、上司・部下などの上下関係が歪んだ場所だと、人間関係の悩みやトラブルが起きても対処が遅れ、理解を示してもらえない場合もあるのです。
税法や会計基準など覚えることが多い
経理業務では、覚える項目の多さに悩んでいるという人も目立ちます。経理業務を担当するには、税法や会計基準関連の知識は必須です。もちろん、そのほかにも勉強の必要性を痛感させられる場面が多くあるでしょう。
しかし、日々の業務が忙しいと勉強時間を確保するのも容易ではありません。そのため、知識不足という不安を抱えながら経理業務を行っているという人も散見されます。
また、税法や会計基準は毎年のように改正が行われるため、常に知識を更新し続けなくてはなりません。この改正に伴う知識の更新は労力を要するため、通常業務に加えて勉強までしなくてはならないことに負担を感じるという人も少なくないでしょう。
このように、知識を常に最新に保つことの大変さも、経理業務の不満点として挙げられています。
経理を辞めたいと思う理由
次に、経理を辞めたいと思う理由について、代表的なものをいくつか挙げて解説します。
限られた範囲の業務しか担当できない
限られた範囲の業務しか担当できないことに不満や不安を感じ、経理を辞めたいと考える人がいます。
企業は規模に比例して部署の規模も大きくなり、配属される人員も増えるものです。人員が増えるということは、ひとりが担当する業務内容が限定されることを意味します。加えて、経理は勤務年数に従って担当できる業務が増えていくものです。
そのため、最初のうちは全体を総括するような大規模な業務ではなく、1日単位の業務のみを毎日続けることになります。長期間にわたってさまざまな業務をローテーションで担当し、年単位の時間をかけながら経理業務の全貌を把握できるようになるのです。
しかし、細分化された業務を日々淡々とこなしていると、自分の仕事に意味を見出せなくなってしまう人もいます。経理の仕事は何年もかけて少しずつスキルの落とし込みを行うため、基本的には毎日同じ仕事をすることになります。
それゆえに、淡々と同じ仕事を繰り返すことに耐えられない人は、経理を辞めたいと考えてしまうかもしれません。
ルーティンワークにやりがいを感じられない
ルーティンワークにやりがいを感じられないという意見も聞こえてきます。経理業務は伝票処理やデータ入力といったルーティンワークが少なからずあり、職場や能力によっては同じような業務ばかりを回されるかもしれません。
ルーティンワークは慣れることによって心身の負担が軽減され、楽に仕事をこなせるというメリットもありますが、日々繰り返される仕事を苦痛と感じる人も一定数いるのです。単調な仕事をこなすことが苦手であったり、辛いと感じてしまったりする人が経理の仕事に就いても、辞めたいと思ってしまうかもしれません。
給与に不満がある
経理の大変さは業務量の多さにあると言っても過言ではありません。見合った給与が貰えないと、不満の声を漏らしたくなるものです。
同じ企業内の営業職と経理職で一例を挙げましょう。勤務時間は変わらないのに、経理職は営業職に比べて給与が上がりづらいという意見です。経理は営業と違い、成果が見えにくいという側面があり、基本的に給与アップにつながる歩合制のようなシステムもありません。
これは経理だけでなくバックオフィス業務全般に共通していますが、そうした体制では不満は溜まる一方です。どんなに仕事にやりがいを感じ積極的に働いていても、給与が見合っていなければモチベーションは下がります。辞めたいと思ってしまうのも自然なことでしょう。
致命的なミスをしてしまった
経理業務で致命的なミスをしてしまったのを理由に、辞めたいと感じてしまう人もいます。
経理業務ではパソコンと会計などのソフトウェアを用いることが一般的ですが、人間が操っている以上、ヒューマンエラーの発生は想定していなければなりません。
特に、経理では本来の業務以外の雑務が回ってくるケースも多いため、キャパオーバーなどを理由にミスが発生してしまう場合があります。月々のルーティンワークをこなしながらほかの雑務を兼任していると、容量がいっぱいになり、その結果ミスが誘発されてしまうというのがその一例です。
ミスは小さなものもあれば、多くの職場仲間に迷惑をかける致命的なものまであります。またミスをしてしまうかもしれない恐怖や責任の重圧が、経理担当者を苦しめてしまうのです。
経理業務に向いていない人とは
では続いて、経理業務に向いていない人について見ていきましょう。
数字を扱う業務が苦手な人
数字を得意としていない人は正直、経理業務にあまり向いていないでしょう。
経理は1円単位での正確さが求められる仕事で、常に数字と向き合わなくてはなりません。計算が合わない箇所があれば原因を探す必要があり、月次・年次決算では大きな金額を扱うため、責任は重大です。
経理で行う計算はそこまで複雑ではありませんが、扱う業務量が多く、ミスなく処理しなくてはなりません。そのため、数字の扱いが得意であるだけでなく、高い注意力をキープできる人である必要があります。数字を扱うことが苦手な人や、1円単位の誤差を察知できない人はあまり向いていないでしょう。
コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手だという人も、経理職にあまり向きません。経理の仕事はデスクワークがメインで、多くの数字を取り扱うイメージ強いですが、実は高いコミュニケーション能力も必要となる仕事です。
例えば、経理に書類やデータが回されてきた場合、内容次第では提出した部署や外部の取引先に確認を取る必要があります。加えて、相手に口うるさいと思われることを承知のうえで、催促や要求もしなくてはなりません。そうした際、仕事をスムーズに進行させるために求められるのがコミュニケーションスキルです。他部署の人間や外部の取引先と良好な関係を築くためには必要不可欠なスキルと言っても良いでしょう。
専門分野に関する学習が苦手な人
専門分野に関する継続的な学習を苦手とする人も、経理では苦労するかもしれません。
経理は数字を扱う専門職であるため、会計に関する高い能力が必要とされます。具体的には、簿記・税制・会計基準・会計ソフトウェアなどに関する知識とスキルを持っていなければいけません。
加えて、税制や会計基準は毎年のように更新されて情報が新しくなり、会計ソフトウェアやそれを扱うパソコン自体も頻繁にアップデートが行われます。そのため、社会人になってからも専門分野に関して継続的に学ぶ姿勢がある人でないと、経理の仕事は務まらないでしょう。
経理を続けるためにできる3つの工夫
ここまでは「辞めること」を中心に解説してきましたが、状況によってはすぐに転職が叶わない場合もあるでしょう。
たしかに経理は大変な仕事ですが、続けるためにできる工夫はいくつかあります。以下、すぐに実践できる3つの工夫について解説します。
知識が増えることを楽しむ
まずは純粋に、知識が増えることを楽しみましょう。知識が増えると新しい発見や学びも増えます。仕事がよりこなせるようになり、一任される業務も増えれば、会社全体を俯瞰して見ることもできるようになるでしょう。
例えば、以前の自分にはできなかった仕事ができるようになったり、仕事のスピードが上がったりすることに喜びを感じられるようになります。どんなに小さなことでも良いので上達していくプロセスを楽しめると、仕事へ対するモチベーションは大きく変化します。
また、経理はお金を扱うため、責任感が求められる仕事です。スキルアップして大きなお金の管理を任されるようになれば、自ずと仕事の幅も広がります。そうした実績を積み、社内での信頼を獲得することで、仕事に自信と誇りを持てるようになります。仕事に誇りを持てるようになれば、安易に辞めたいとは思わなくなるでしょう。
コミュニケーションの仕方を工夫する
職場仲間とのコミュニケーションの仕方を工夫してみましょう。先ほど序盤で、経理に対する不満の1つとして、他部署から口うるさいと思われることがあるとお伝えしました。領収書の提出の催促など業務上必要なことでも、相手によっては良い顔をされない場面もあるでしょう。
そうした際には、コミュニケーションの取り方を見直すことが関係性の改善に役立つ場合があります。
例えば、対面でのコミュニケーションを図るという方法です。メールや電話だけにするのではなく、対面で相手と話してみるとこちらの真意を伝えやすいうえに、対面という安心感があります。
説明をする際も、お金に関する専門用語を並べるのではなく、相手の立場を理解して分かりやすい言葉で話すと印象も良くなります。相手に話が伝わりにくい場合には、具体的な事例を用いて説明してみても良いでしょう。部署間でのコミュニケーションでお悩みの方は、一度実践してみることをおすすめします。
信頼できる同僚に相談する
悩み事がある場合は、信頼できる同僚に相談してみましょう。同僚であれば勤めている企業の事情を共有できるため、親身になって話を聞いてもらえます。継続して仕事を続けたいと考えるのであれば、辞めたいと思う前に早めに相談することをおすすめします。
誰かに相談するとアドバイスをもらえるだけでなく、自分の考えや気持ちの整理ができます。自身の状況を客観的に見るきっかけにもなるため、冷静な判断がしやすくなります。
些細な悩みも放置すれば、大きな悩みに発展する可能性があります。仕事に不安を抱えたら、休憩時間や仕事の後などに同僚に相談してみることも検討してみましょう。
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