経理が人手不足となる原因とは?解決策やITツールの導入手順を解説!
2024年9月1日
どのような業種・規模の会社であっても、経理業務は欠かせません。経理の仕事は毎日行う入出金の管理から月単位で行う請求書や月次決算、毎年行う決算や申告など多岐にわたりますが、どれも難易度が高く作業量も多いため、担当者には高いレベルのスキルが求められます。
このように経理の仕事は「誰にでもできる仕事」ではないため、慢性的な人手不足に陥りやすい点が課題です。今回は、経理が人手不足になってしまう原因や解決策について解説します。
目次
経理が人手不足に陥る原因
経理業務をこなせる人材が不足すると、請求書や決算業務に手が回らなくなり、次第に業務が滞るようになってしまいます。人手不足を放置しておくと、ほかの業務に支障をきたしたり残業時間が増えたりと、担当者の負担が次第に大きくなってしまうため注意が必要です。
それでは、そもそもどうして経理は人手不足に陥ってしまうのでしょうか。まずは、その理由についてみていきましょう。
労働人口が減少している
経理が人手不足に陥る大きな理由として、労働人口の減少が考えられます。平成28年版厚生労働白書によると、日本では2011年を境に人口が減少し続けており、2060年には2.5人に1人が高齢者となる見込みだということが示唆されています。出生率も年々減少傾向にあり、将来的にも労働人口が減少するのは確実です。
実際、総務省自治行政局の「自治体戦略2040構想研究会(第6回)事務局提出資料」によれば、2050年には労働人口が2,123万人も減少することが予測されています。労働人口が減れば、経理業務を担当できるスキルを持つ人口も減るでしょう。経理の人手不足は現時点で対策が必要な問題であるだけではなく、今後も長期的に取り組んでいかなくてはいけない課題なのです。
有効求人倍率が上昇している
有効求人倍率の上昇も、経理における人手不足の一因です。労働者にとっては選択肢が増えるため、非常に喜ばしいことかもしれません。
しかし、企業からみると求人募集を出しても応募者が少なく、期待するスキルを持つ人材に出会えないというデメリットがあります。高待遇の大手には多くの応募が殺到し、中小企業まで有力な人材が回ってこないという状況が生まれやすく、企業間で人材を奪い合う状態になっています。
専門スキルを持つ人材の確保が難しい
企業のお金を管理する経理には、必要なスキルが多く存在しています。たとえば、経理には以下のような専門知識やスキルが求められます。
・基本的なパソコンスキル
・簿記の知識
・法令に関する知識
・税制に関する知識
・労働基準法に関する知識
会計に関する法令は毎年のように改正されるため、一度知識を身につけたあとは定期的にアップデートする必要があります。
また、経費精算などでは確認作業などを行う必要があるため、コミュニケーション能力や折衝力などといったスキルも求められるでしょう。膨大な業務を締め切りまでにこなす調整力やスケジュール管理力も欠かせません。
このように、多くの知識やスキルが必要な経理は、業務を行える人材の数自体が少ない傾向にあります。日々の業務に追われるあまり、新人を採用して教育する時間が取れない企業も非常に多く、なかなか人手不足が解消できないのです。
経理業務が複雑化している
会計法や税法といった経理に関わる法令は毎年のように改正されており、それが業務を複雑化していることも、人手不足の一因として考えられます。
「経理はルーティンワーク」「誰でもできる仕事」というイメージを守る人もなかにはいるものの、前述したとおり実際は多くの知識や法律を踏まえたうえで、正確に行わなくてはならない専門職です。 加えて企業独自のルールも数多く存在しており、知識があるからといって必ずスムーズにこなせるような単純な作業ではありません。
さらに、企業が提供するサービスの多様化や支払い方法の選択肢が増えたことなども、経理業務の複雑化を招いています。一度経理の職に就いた人材でも、「あまりに複雑で負担が多い」とほかの職種へ転職してしまうケースは少なくありません。
経理の人手不足がもたらす問題
経理の人手不足は、会社の存続や信頼性に影響します。ここからは、考えられる問題について3つ紹介します。
パフォーマンスが発揮できない
経理の人手が不足してしまうと、企業全体のパフォーマンス低下につながります。たとえば、月次決算など会社の業績に関わる資料の作成が遅れてしまい、経営判断ができなくなります。場合によっては、ほかの部署の人や経営陣が経理業務を手伝うことになり、コア業務が圧迫されることもあるかもしれません。
また、人手不足でオーバーワークになると、新しい人材を採用しても育成や能力開発などを行えなくなり、いつまで経っても仕事のパフォーマンスが上がらない負の連鎖に陥ってしまいます。
ミスや不正が発生する
経理は、会社のお金の流れを正確に把握するための部署です。もしも人手不足でお金の流れを把握できなくなってしまった場合、会計書類のミスや不正の助長につながってしまいます。
会計書類のミスや不正の発覚は、脱税を疑われたり会社の信頼を失墜させたりする原因となります。最悪の事態を防ぐためにも、経理の人手不足には早めに対策することが大切です。
労働環境が悪化する
経理の人手不足が慢性化してくると問題になってくるのが、労働環境の悪化です。少ない人員で膨大な量の業務をこなし続け、残業や休憩が取れない状態が当たり前になっている会社もあるかもしれません。
労働環境の悪化は注意力の低下を招き、ミスを誘発してしまいます。最悪の場合、貴重な経理の人材が退職してしまう可能性もあります。
経理の人手不足の解決策
経理の人手不足を放っておくと、さまざまな問題が生じてしまいます。そのため、人手不足だと判断したときは、迅速に解決策を講じる必要があります。ここからは、経理の人手不足を解消する方法をみていきましょう。
業務フローの見直し
業務を正しく把握していなければ問題点が分からないため、まずは業務フローを見直しましょう。業務の流れをひとつずつ洗い出し、「誰が・いつ・どのような作業を・どれくらいかけて行っているのか」を把握します。そのうえで、今ある問題点・課題に対する解決策を考えていきましょう。
たとえば、ほかの部署からの報告が遅くて業務が圧迫されているなら締め切りを早める、入出金が多くて仕訳が膨大なら会計システムを導入するなど、業務フローが明らかになることで「少ない人数でも課題を解消できる方法」が見えていきます。
人材育成への注力
単純に業務をこなせる人手が不足しているのであれば、人材を育成することで問題が解決するケースがあります。新しく人材を迎え入れて教育することはもちろん、スキルが十分ではない経理スタッフのスキルアップをフォローすることも業務の効率化には有効です。
現在主力として働いてくれているスタッフは、いつまでも在籍してくれるとは限りません。業務を属人化したままにせず、長期的な視点で将来的に経理の責任者となってくれる人材を育成することも重要です。
ITツールの導入
もっとも費用対効果が高いおすすめの人手不足対策は、経理業務にITツールを導入することです。ITツールを導入することで業務が自動化するだけではなく、ペーパーレスやオンライン化も推進できます。
また、ツールの導入によって業務の正確性や効率が向上すれば、経理担当者は空いた時間で経営状況の改善に向けた施策の考案やコア業務への取り組みなどが可能となります。より企業の利益を向上させられるようになるため、他の改善策に比べて得られる恩恵が圧倒的に大きいと言えるのです。
経理業務にITツールを導入する流れ
実際に経理業務を効率化するITツールを導入するときは、どのような手順で進めていけばいいのでしょうか。ここからは、ITツールの導入を成功させるために押さえておきたい手順を説明します。
ITツール導入の目的を明確にする
導入することそのものが目的になってしまうと、自社の経理業務に不要な機能が多いものや低コストで機能性が不十分なものを導入してしまい、業務改善につながらない恐れがあります。
たとえば、給与計算を正確に行いたいのであれば給与計算システム、請求書の時間を短縮したいのであれば請求管理システムと、企業の目標によって最適なITツールは異なります。最初のステップとして「自社の経理業務の現状」と「問題点」を洗い出し、ITツールでどのように解決したいのかについて把握しましょう。
情報収集する
「どのようなツールがあり、どのような特徴があるのか」についてなるべく多くの選択肢を比較することで、自社に最適なものが見つかります。たとえば、ITツールには以下のような種類があり、それぞれで異なった特徴を持っています。
・インストール型
パッケージで販売されているソフトウェアを購入し、PCにインストールして使用するタイプ。ソフトウェア自体は大手家電量販店やネット通販などで手に入り、小規模事業者でも導入しやすい。
・クラウド型
インターネットに接続して使用するタイプのサービス。ソフトウェアを個々のPC端末にダウンロードする必要はなく、インターネット環境があれば場所を選ぶことなくどこでも作業が行える点が特徴。運用や保守のほとんどの部分はサービス提供会社が行う。
・基幹システム連携型
会社全体のシステムを統合し、ほかの業務と連携しながら経理管理などを行うタイプのシステム。ハードウェアや回線の運用・保守は、社内のシステム担当者が行う。社内限定のネットワークのためセキュリティ面では万全だが、システム管理の管理・維持に一定のコストがかかる。
近年主流になっているのは、手軽に導入できて機能性に優れたクラウド型のツールです。コストやメンテナンスの手間がかからないので、中小企業でも導入しやすく、法改正にも即時に対応できるメリットがあります。
必要な機能を抽出する
次に、自社の経理業務に必要な機能を抽出してリストに書き出してみましょう。リストアップするときは、「経理業務の問題点」と「どのような機能があれば解消されるのか」「どれほど業務が減るのか」について具体的に考えることが重要です。
また、自社の経理業務に不要な機能についても明らかにしておくといいでしょう。必要な機能と不要な機能の線引きができていれば、コストを最小限に抑えてツールを導入できます。
システムを選定する
最後に、条件を満たしたITツールを選定しましょう。自社にマッチするITツールを3~5種類程度まで絞り込み、さらにベンダーに見積もりや製品の紹介をしてもらい、比較しながら絞り込んでいきます。
ITツールの使用感や操作感などは、実際に運用してみないと分からない部分もあります。無料トライアルなどのサービスがあれば、積極的に利用するといいでしょう。
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