税務調査の処分に不服がある場合の対応方法は?
税務調査の処分に不服がある場合の対応方法は?
税務調査が行われた結果、税務署との間に見解の相違が生じることがあります。
税務署から指摘された修正や処分に不服がある場合、どのような対応を取ることができるのかについてお伝えします。
自主修正を受け入れられない場合の対応は?
税務調査の結果、税務署から問題点を指摘されることがあります。
まずは、自主的に修正申告をするよう求められます。指摘が受け入れられる場合は自主修正すれば良いのですが、見解の相違があり受け入れられないと判断することもあるかもしれません。この場合は、税務署からの更正を待つことになります。
更正処分や理由に不服がある場合は、税務署に異議申し立ての後、国税不服審判所へ審査請求を行うことになります。ただし、青色申告者の場合は、異議申し立てを経ずに直接、審査請求を行うことができます。
異議申立ては、処分の通知を受けた日の翌日から2ヵ月以内に行います。異議申立書を受理した税務署長等は、その処分が正しかったかどうかを調査・審理し、その結果を異議決定書謄本により納税者に通知します。
この結果になお不服がある場合は、国税不服審判所へ審査請求を行うことになります。審査請求は異議決定書謄本の送達を受けた日の翌日から1ヵ月以内に行います。審査請求書を受理した国税不服審判所長は、その処分が正しかったかどうかを調査・審理し、その結果を裁決書謄本により納税者に通知します。
不服があるときはまず異議申立てを行うのが原則ですが、青色申告者の場合は、異議申立てを経ず、審査請求することもできます。
不服がある場合でも追徴税額は完納しておく
処分に納得が行かず異議申し立てや審査請求を行うとしても、それにより課税処分が中断するわけではないので注意が必要です。
更正処分で追徴税額は確定しています。
納税しない場合は督促を受け、延滞税も発生します。
納得が行かないとしても、ひとまず追加税額を支払ってしまうことをお勧めします。
異議申し立てや審査請求で納得できなかった時は?
異議申し立てや審査請求を行っても、やはり納得できる結果が得られなかった場合、訴訟を提起することになります。審査請求を経ずに提訴することはできません。
ただし、国の訴訟で納税者が勝訴する割合はかなり低くなっています。
国税庁が発表している平成26年度の訴訟終結件数は、280件。このうち、国側が一部敗訴したものおよび全部敗訴したものは19件(一部敗訴6件、全部敗訴13件)で、その割合は6.8%(一部敗訴2.1%、全部敗訴4.7%)となっています。
提訴するかどうかを検討する際には、この事実を考慮すべきだと言えるでしょう。
訴訟にはコストがかかるため、勝訴の可能性が高いと考えられない場合は追加コストを発生させないという判断も大切です。